2021/01/26

コラム

成熟するシーンを切り拓く! 2021ヒラマサタックル最前線。

2021年のヒラマサシーンを揺るがす、新たなリール、ロッド、ルアーがリリースされる。いずれもシマノが満を持してアングラーに捧げるブランニューアイテム。玄界灘狭しと駆け巡る人気船、サンライズのキャプテン、そしてアングラーとして活躍する田代誠一郎さんに、実釣を通したインプレッションを語っていただいた。

新たなツインパワーSWは限りなくステラSWに近い完成度。

ヒラマサアングラーの大注目を集めること必至の新しいツインパワーSW14000XG。巻きのパワーが凄いという評判だが、その使い心地は?

「いままでずっとステラSWを使ってきましたが、これが新しいステラだよ、と言われても違いが分からないかも知れない(笑)。そのくらい新しいツインパワーSW14000XGは完成度が高いと思います。とくに巻き上げ性能が凄い。ヒラマサ釣りの場合、船上のほとんどの時間はルアーアクションとルアーを回収する作業の繰り返しになります。ちりも積もればではないですが、巻き上げが重いとどんどん疲労が蓄積し、体のいろいろなところが疲れてくる。200投くらいするとよく分かりますよ。疲れ切ったところに大型のヒラマサがヒットすると本当にキツい。だから、できるだけ体力は使いたくない。疲れてくるとルアー操作、泳がせ方もいい加減になりがちでルアーのアクションにも反映してしまう。疲れることなく、いい状態のルアーの動きを維持できることは結果として、釣果につながると思います」

ツインパワーSW14000XGの巻きのパワーはアングラーの強い味方。キャスト&リトリーブが船上での時間の大半を占めるヒラマサゲーム。地味に蓄積する疲労は侮れない。

ルアーを引いている時間が圧倒的に長いのがヒラマサゲーム。しかし、ヒットしてからの性能、とくに巻きのパワーは気になるところだ。

「軽く、力強い巻き上げは、ファイト中も大いにアングラーの味方になってくれます。ファイトは立てたロッドを下げながらリールを巻くのが一般的ですが、そのときに大きな力が必要な状況だとハンドルが動かないことがあります。新しいツインパワーSW14000XGでは、ハンドルが動かない、という状況はとても軽減されていると思います。最初のちょっとした巻きさえ入ってしまえば、あとはハンドルを押せるし、力で回していけます。最初が固まってしまうと回せない。ツインパワーSW14000XGで何回もヒラマサとファイトしましたが、巻き上げの初動のパワー、軽さは本当に実感できましたね」

最初のきっかけさえ入ればハンドルを回せる。そんな状況は多い。ツインパワーSW14000XGに搭載されたインフィニティドライブはステラSW譲り。軽く、力強い巻きのパワーは非常に心強い。

ツインパワーSW14000XGの真価は巻き上げのパワー、軽さだけではない。田代さんがヒラマサゲームで最重要視するドラグ性能はどうだろう?

「ヒラマサゲームはドラグをかなり締め込んで釣るのが基本です。性能としては滑り出しがとても大事。滑り出しが悪かったり、ロックしてしまったりするとPEラインが高切れしたり、態勢を整えられずに体を持っていかれて転んだりすることもあります。何回かファイトを経験するなかで、ツインパワーSW14000XGのドラグはかなり締め込んだ状態でも滑り出しがとても滑らかに感じましたね。ラインブレイクの心配もなくスムーズにファイト出来ました。ドラグ値の安定性も大切です。ハイテンションで30mを走る大型のヒラマサもいます。10kgかけていたドラグが8kgになるという感じで、熱ダレした結果、ドラグ値が変化してしまう現象があります。これではファーストランは凌げても、セカンドランで根に行かれてしまう。ツインパワーSW14000XGは変化の少ない、均一性のあるドラグ性能という条件を十分にクリアしていますね。キハダ、クロマグロを問わず、ラインを出して獲るツナゲームではより重要性が増してくるはずです」

わずか数秒の間に熱を持ってしまうドラグ。熱ダレを抑制してくれるヒートシンクドラグは大型ヒラマサ狙いに欠かすことが出来ないシステムだ。

新しいツインパワーSW14000XGではラインローラーの防水性が進化し、耐久性が大幅にアップしている。ヒラマサゲームにおいての評価はどうだろう?

「自分のホーム、玄界灘では2日、3日と連続して釣りをすることが多い。タックルは過酷な条件下で数日間使用することが前提になります。移動と釣りを繰り返すなかで海水が掛かる。寒い、熱い、水圧がかかる、乾燥する、照り付けられる…。こうした悪条件で使用を繰り返しているうちに、ガリガリと不調になることもあるのがラインローラーです。また、お客さんはあちこちに遠征を繰り返す人が多いですが、ラインローラーは厳しい環境で使ったあと、次の遠征先で調子が悪くなってしまうことが多い部分だと思います。耐久性ということではすぐに大丈夫、とは言い切れませんが、数日間の使用ではまったく問題ありませんでした。現行のステラSWではほとんどラインローラーのトラブルがないので、それに近い性能を期待したいですね」

過酷な条件下で繰り広げられるヒラマサゲーム。ツインパワーSW14000XG にはXプロテクト搭載。より進化した防水性能はラインローラーの耐久性を大幅にアップしてくれる。

唯一無二のキャスト性能を追い求めたオシアプラッガーリミテッド

オシアプラッガーの最高峰、オシア プラッガーリミテッドもリリースが予定されている。田代さんが使用したのはS83H。大型ヒラマサ狙いではど真ん中に位置するアイテムだ。

「飛距離、投げやすさ、軽さというキーワードを求めたロッドだと思います。すべての要素を1本のロッドで叶えることは難しいと思いますが、飛距離はまったく妥協していないのに、ほかのすべての要素も高いレベルでバランスが取れたロッドに仕上がっていると思います。個人的には、高反発なロッドでルアーのウェイトを乗せてキャストするのは大好き。高反発なロッドだと狙ったところに凄いスピードで投げられます。太いライン、軽めのプラグ、向かい風などの状況ではルアーが失速して狙ったポイントに届きにくいのですが、このロッドで振り抜くスピードを速くすれば、狙ったところをピンポイントで射貫くようなキャストが可能になります。シャープで一般的には硬いと表現されるようなロッドが好みなので、投げた瞬間に、あっ、しっくり来るなと感じました。普通は高反発でシャープなロッドに仕上げると、体への負担が大きくなりますが、オシアプラッガーリミテッドでは、軽さ、抜けの良さ、フィーリングの良さでカバーしているので疲労が少ないですね。連日釣りをしても肩が痛くなることもなかった。疲れが残りにくいな、と感じましたね」

キャスト性能を追い求めた1本がオシア プラッガーリミテッド。ビシッとしたシャープなキャストフィールで飛びぬけた遠投性能が楽しめる。

チタンフレーム、トルザイトリングという軽くて強い、贅沢なガイド仕様。抜けの良さを実現し、キャストフィールの向上に大きく貢献している、とは田代さん。

ヒラマサとのファイト性能も気になるところだが…。

「高反発ロッドでの釣りでは、ハイテンションドラグでヒラマサを掛けると体を持っていかれる、というイメージがあると思います。でも、実際に掛けてみると想像以上に曲がってくれました。しっかり曲がり、反発して復元してくれるのでロッドを支えているだけで魚が浮いてくる、という感覚です。粘るタイプのロッドは曲がったあとにバットパワーが残っていれば魚を浮かすことができますが、バットパワーが残っていないと自分で持ち上げなければいけない。高反発のロッドだと支えていればロッドが仕事をしてくれる。つまり復元力で魚を浮かせてくれるわけです。アイテムによって、個人個人の体力によっては曲がったあとがキツいと思う人もいれば、楽と感じる人もあると思いますので、アイテムのセレクトには注意したいですね」

しっかり曲がり、反発して復元してくれるので、ロッドを支えていれば魚が浮いてきてくれる。GTゲームにも有効な復元力だと思います、とは田代さん。

新しく採用されたリールシートは田代さんの大のお気に入りだ。

「凹状になっていて、人差し指から小指までの4本指と親指を伸ばした状態の凹状にピタッとハマってくれる。親指をあまり使わなくてもロッドがブレない。手のひらでしっかり持てるので、あまり握力を使わないんです。吊り下げる、というイメージで持つことが出来ます。長時間ファイトにもとても効果的だと思いますし、誰が持ってもオーっと思ってもらえるはずです。僕自身、テスト段階で、『ぜひこのグリップにしてください』って開発担当者に伝えたほどです」

握力消費を大幅に軽減できる新開発のリールシート。絶妙な凹ボディに手のひらの母指球がジャストフィットして安定。フルパワーのキャストとファイトをサポートする。

フラッシュブースト搭載&チューンが施された別注ヒラマサ160Fフラッシュブースト

ヒラマサ対応ルアーにも新たなアイテムが登場している。まずはフラッシュブーストが搭載された、オシア別注ヒラマサ160Fフラッシュブーストの印象を訊いてみた。

「サイズ的に別注ヒラマサ160Fは、ベイトが小さいときに有効なルアーです。カタクチイワシ、大羽のマイワシ、小イカなどを捕食しているヒラマサを狙うときです。こういうベイトを偏食しているときは春が多い。夏のイワシ、キビナゴパターンのときにも有効です。以上のような条件で実績大の別注ヒラマサ160Fにフラッシュブーストが搭載されたんですから、これは釣れるでしょう(笑)。水中で強い波動を出して魚を寄せ、これフラッシュブーストの煌めきが加わる、魚に強烈にアピールするアクションです。とくにベイトが小さいときは数が大量にいることが多い。そのなかでシルエットは小さくてもアピール力が大きいフラッシュブーストはとても効果的ですね」

フラッシュブーストと強波動で水中でのアピール力をアップしたのがオシア別注ヒラマサ160Fフラッシュブースト。活躍が期待されるシーンは数多い。

フラッシュブーストが搭載されただけでなく、重量をアップした新設計ウェイトが後方重心にレイアウト。ステイ時の姿勢が直立方向へ調整されたのが特長でもある。

「従来の別注ヒラマサ160Fは水面付近を潜ったり出たりというクイックなアクションが基本でした。今回の別注ヒラマサ160Fフラッシュブーストは水面下で一定時間、一定距離を潜ってから水面に出る動きが得意です。水面下でアピールする能力が高いということです。春のイワシパターンで、ナブラだらけなのにトップに反応しないときがあるんです。このときに水面下を泳がせると喰うことがある。まだ試せてはいないんですけど、今年の春には期待したいですね。ウェイトが約4g重くなっている、ということでもプラス要素があります。ヒラマサはデカいけれど、ベイトは小さいというときはタックルセレクトに悩みますが、そんなときにとても使いやすくなりました。PE6号、8号で使ってもかなり飛んでくれたので、アングラーとしても船長としてもありがたい存在ですね。加えて、釣り座をそれほど選ばないルアーだと思いますね。ミヨシ、トモでは水面までの高さが異なりますし、使っているロッドの長さによってアクションが変わりがちですが、水のつかみがよいので安定したアクションを船中のどこからでも出しやすいルアーだと思いますよ」

ウェイトアップ&直立姿勢の効果で、別注ヒラマサ160Fフラッシュブーストは水面下でのアピールに長けている。クイックな動きを特長とする別注ヒラマサ160Fとの使い分けも可能だ。

ノンストップジャーク対応ルアー、オシア フルスロットル240F AR-C

秋に発売され、すでに各地で実績を積み重ねているノンストップジャーク対応ルアー、オシア フルスロットル240F AR-C。どのようなルアーなのだろうか? あらためて田代さんに訊いてみた。

「オシア フルスロットル240F AR-Cは、引いているだけで、浮いたり潜ったりしやすいルアーです。基本的には水面にあるけれど潜る。でも、潜ってもすぐに浮く。潜りやすく、浮きやすいということです。ダツ、サヨリ、シイラといった魚が逃げるときの動きをイメージすると分かりやすいと思います。ピョン、ピョンと水面を走って、その後に水中を泳いでまたピョン、ピョンと水面を走っていく感じです。それでいて、ストレートアクション過ぎず、左右に振れる動きを出してくれます。シルエットは動かしやすい細身。リールを巻き続けるノンストップジャークでは水の抵抗を減らすスリムシルエットは、アングラーの疲労軽減に貢献してくれます。AR-Cの効果もあって飛行姿勢が良いので、飛距離も伸びます。どの方向からの風でもバシッと飛んでいってくれます」

オシア フルスロットル240F AR-Cの使い方と注意点は?

「キャスト後、ルアーが着水してからピックアップまで、ロッドを少しトウィッチしながら巻いてきます。リーリングは止めません。そうすると、ときおり頭を水面にピョン、ピョンと出す動きをしてくれます。ロッドをルアーに向けてまっすぐにするのではなく、少し角度をつけてトゥイッチするとやりやすいと思いますよ。ヒラマサがルアーを追尾、喰いにきたら、少しスピードを緩めてバイトチャンスを作ってあげるのがコツです。アワセは巻きアワセが中心。ヒラマサは高速で追ってきてアタック、反転して走っていくことが多い。だから、そのままリールを巻き続けていればドラグが滑ってラインが出て行き、フッキング完了という感じです。仮にバイト後に走らない魚であっても、そのまま巻き続けていればフッキングします」

ノンストップジャークはその名の通り、リールを巻き続ける釣りのため、ミスバイトが起こりやすい。フッキングには注意が必要だ。

別注ヒラマサ160Fフラッシュブーストの登場で田代さんが主力とするヒラマサルアーはさらに充実。2021年は別注ヒラマサ160Fフラッシュブーストを始め、フルスロットル240F AR-C、別注ヒラマサ160F、190F、220F、ヘッドディップ175Fフラッシュブースト、200Fフラッシュブーストを使い分けていく、と田代さん。ぜひ参考にしていただきたい。

WEB LURE X MOVIE

2021 OCEA×玄海灘ヒラマサ 田代誠一郎

WEB LURE X MOVIE

2021 TWINPOWER SW×津軽海峡クロマグロ 田代誠一郎

タックルデータ

REEL : TWINPOWER SW 14000XG

パワーと耐久性により磨きをかけ、新しく生まれ変わったツインパワーSWシリーズ。軽くパワフルな巻き上げを実現するインフィニティドライブの搭載。熱に強くなった最新ドラグ、ヒートシンクドラグの採用。耐久性を向上するXプロテクトのラインローラー部への搭載など、スピニングリールの頂点を脅かす存在として登場。14000XGは大型ヒラマサ狙いのキャスティングゲームにおける中心的存在。新たに追加される14000PGにも注目だ。

ROD : OCEA PLUGGER LIMITED S83H

唯一無二のキャスト性能を追い求めたハイエンドオフショアキャスティングロッド。スパイラルXコアを搭載した超軽量&高反発ブランクス、最高レベルのガイド仕様、新開発のリールシートなど、意欲的なフィーチャーを満載したザ・キャスティングロッド。

LURE : OCEA 別注平政 160F FLASHBOOST

ヒラマサを誘い出すために開発された別注平政にシマノ独自のフラッシュブーストを搭載!ジャーク後、ルアーが浮き上がる瞬間も内部の反射板がキラキラとフラッシングでアピールする。

LINE : OCEA 8 6号、8号

次世代の原糸『X-Filament』を採用し、タフクロスⅡ製法で編み込んで強力の安定化を追究したソルトウォーター用PEの進化形。その性能は直線強力で当社比最大25%アップ、摩擦後の強力維持率93%というタフネスを誇ると同時に、5号以上の号柄には特殊シリコン樹脂を用いた『ヒートシンクコーティング』を採用。熱伝導率が低く耐熱性に優れるうえ、滑り性も向上している。ジギング、キャスティングを問わず、『ツインパワーSW』のドラグ性能をフルに引き出すハイクオリティライン。

LEADER : ナイロン140LB、150LB

プロフィール

田代 誠一郎 (たしろ せいいちろう)

[インストラクター]

遊漁船『サンライズ』代表。20代の大半を奄美大島で過ごしたのちに独立し、佐賀県・唐津市で船長として活躍中。自らも高いレベルを維持するアングラーであり、豊富な経験に基づいた的確なアドバイスには定評がある。

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