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2025/03/24

コラム

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NEWグラップラー タイプ スローJを携え挑んだ奄美大島の大魚×山本啓人

NEWグラップラー タイプ スローJを携え挑んだ奄美大島の大魚×山本啓人

次世代のグローバルスタンダードとして展開されているグラップラーシリーズが、パワーアップしてリニューアル。ジギング、スロージギング、キャスティングと展開されているシリーズだが、今回は山本啓人さんがスロー系ジギングモデルのタイプ スローJを手にし、大型魚のヒットの可能性を秘める奄美大島へ釣行。遠征でも十分活躍する性能を、実釣を通して解説してくれた。

大型カンパチへの想い

様々な大型魚をジギングで釣り上げてきた山本さんだが、大型カンパチには特別な想いがある。

様々な大型魚をジギングで釣り上げてきた山本さんだが、大型カンパチには特別な想いがある。

さまざまな釣りをこなす山本啓人さんだが、中でも最も自分の釣りの武器にしているのがジギング、そしてスロー系ジギングによる釣りだ。近海のライトターゲットから遠征の大物釣りまで、ジグを巧みに操作し結果を残している。そんな山本さんが数ある魚種の中で、最高のターゲットとして追い求めているのが大型のカンパチだ。50kgを超えるサイズ、そしてヒット後の強烈な引き、この引きによって起こる根ズレやフックアウトなどによるキャッチの難しさなど、これらのことが山本さんを夢中にさせている。そんな大型カンパチを含め、イソマグロ、良型の根魚をキャッチするために今回訪れたのが鹿児島県奄美大島。奄美大島は、ジギング創世記から大型が狙えるフィールドとして知られ、多くの大型魚狙いのアングラーが通う、多くの実績を持つフィールドだ。山本さんもこれまで幾度となくチャレンジした場所である。そんな地にリニューアルされたロッド・グラップラー タイプ スローJで挑戦するというのが、今回の使命だ。

グラップラーシリーズがパワーアップ

リニューアルされたグラップラーシリーズ。どのモデルも性能がアップ。今回はタイプ スロー Jを使い挑んだ。

リニューアルされたグラップラーシリーズ。どのモデルも性能がアップ。今回はタイプ スロー Jを使い挑んだ。

さて今回使用するロッドのグラップラーシリーズは、シマノのオフショアロッドの中で「スタンダードロッド」という位置付けのモデル。ジギング(タイプJ)、スロー系ジギング(タイプ スローJ)、ライトジギング(タイプLJ)、スーパーライトジギング(タイプSLJ)、キャスティング(タイプC)、タイプCの3ピースモデル、よりコストパフォーマンスに優れたグラップラーBBといったモデルが展開されている。ノーマルのグラップラーは、上位機種に引けを取らないシマノテクノロジーを注入し、多くの方に様々なオフショアフィッシングを専用タックルで楽しんでもらいたいというシマノの気持ちが込められているシリーズだ。そんなグラップラーの、タイプJ、タイプスローJ、タイプLJ、タイプSLJ、タイプCが一気にリニューアルした。どのモデルも、最新のシマノのテクノロジーを搭載してパワーアップして登場したのだ。

よりグローバルスタンダードを目指した設計

パワーがあり、破損しにくい性能となったタイプスローJ。大型を実際に掛け、その実力を検証!

パワーがあり、破損しにくい性能となったタイプスローJ。大型を実際に掛け、その実力を検証!

では今回使用するタイプスローJは、これまでのモデルと何が違うのか?
まずシマノのスロー系のロッドというと、フラッグシップモデルとなるオシアジガー リミテッド、オシアジガー インフィニティ、オシアジガー モーティブそしてゲーム タイプスローJ、グラップラー タイプスローJ、グラップラー BB タイプスローJがラインナップされている。
「グラップラー タイプスローJの本来のシマノスローロッドの中での位置付けは、ミドルクラスの価格帯であることから初心者、入門者用という感じだったのですが、今回のモデルは性能を底上げしたようなモデル。アメリカ、ヨーロッパ、中東、アジア圏など、グローバルに発売することも考え、初心者という枠を超えて作り込みました。その中で最も注力を注いだのが繊細だけどパワフルということ。ロッドパワー、そして海外の方は力が強い人も多いため、破損しにくいというのを追求しています。これらのことを基本にしつつ、今回のモデルはグラップラーの上位機種であるゲーム タイプ スローJに近い性能を備えたモデルになります。かなりよいロッドだと思いますよ」

目標のサイズ

大型魚に対応する道具立てで挑む。ジグは350gがメイン。水深は200m前後。浅くても120m。6番モデルは、そんなジグウエイト、水深でもしっかりとジグ操作が可能だ。
大型魚に対応する道具立てで挑む。ジグは350gがメイン。水深は200m前後。浅くても120m。6番モデルは、そんなジグウエイト、水深でもしっかりとジグ操作が可能だ。

大型魚に対応する道具立てで挑む。ジグは350gがメイン。水深は200m前後。浅くても120m。6番モデルは、そんなジグウエイト、水深でもしっかりとジグ操作が可能だ。

釣行は3泊4日の船中泊で計画された。しかし当初の予定はシケで流れ、再度同じ日数で予定を組んだものの、天候により2泊3日の船中泊に。さらに風の影響を受けることから、ポイントは限定されるという展開となった。
奄美到着後、お昼過ぎに出港。今回の目標は?という質問に「まずはカンパチ15kg」と山本さんは答えた。もちろん、20kg、30kg、40kg、50kg、それ以上の大型を常に狙っている。船は大型カンパチの実績がある奄美大島の東側の深場へ入った。水深は205m。合図とともにペブルスティックの350gを装着して落とす。ロッドは、66-6。リールはオシアジガーLD 2500HG。ラインはオシアジガーMX4 PE4号、リーダーはオシアリーダー22号だ。
そしてこの一投目でヒットさせた。ボトムから速いピッチで10mほど動かし、大きくシャクリ上げた後のフォールで魚はジグを咥え込んだ。流石!と思わせるヒットだった。しかしこの魚は、惜しくもフックアウトしてしまった。魚は動いている、後は休まずシャクリ続けるだけだ。

ジグはペブルスティックをメインにしつつ、ロングウェーバー、サーディンウェーバーを使用。

ジグはペブルスティックをメインにしつつ、ロングウェーバー、サーディンウェーバーを使用。

大型魚を求めて6番をセレクト

新たに加わった6番モデル。この発売により、大型魚狙いでのさまざまな状況に対応できるようになった。

新たに加わった6番モデル。この発売により、大型魚狙いでのさまざまな状況に対応できるようになった。

今回、山本さんがまず手にした6番のモデル。これまで5番までのラインナップだったのに対して、今回から追加されたジグMAX500gに対応するシリーズ最強モデルとなる。よりグローバル化を意識し、海外の大型魚にも対応するように開発されたモデルということが分かる。もちろん国内においても、大型魚狙いでグラップラー タイプスローJの活躍の場が広がったといえる。
「これまでシリーズは5番まででした。しかし今回、6番が加わった。これにより遠征での大物狙いができるようになった。5番も遠征で使用できますが、水深や潮流などによって、どうしても使用するのが難しい状況があります。6番が加わり、よりキレのあるジャークが出せるようになった。5番、6番を使い分けることで遠征ロッドとしてのセレクト基準にしっかり入ったというわけです」
初日は5kgほどのカンパチ、その他ゲストの釣果に終わった。肩慣らしは済んだ。翌日、翌々日に賭ける。

幸先よく5kgクラスをキャッチ。その後も大型を求め、ひたすらシャクリ続けた。

幸先よく5kgクラスをキャッチ。その後も大型を求め、ひたすらシャクリ続けた。

ニューグラップラー タイプ スロー Jの性能

オートマチックにティップが返ってくる性能になったNEWモデル。楽にジャークが続けられるようになったという。

オートマチックにティップが返ってくる性能になったNEWモデル。楽にジャークが続けられるようになったという。

6番も加わり、全モデルがパワーアップしたグラップラー タイプスローJだが、その他の性能はどう変化しているのか?
「まずブランクは、前モデルと同様にスパイラルX、ハイパワーXで構成しつつ、さらに強度を高めています。ゲーム タイプスローJの良いところを取ったイメージです。ジャーク時のレスポンスが上がり、オートマチックにティップが返ってくる性能を備えており、ゲーム タイプスローJに近いオートマチック性があります。そのようなことから、スローの釣りの初心者からやり込んだアングラーまで納得できる性能になっていると思います。また長さは全アイテム6フィート8インチから6フィート6インチに変更しています。これは従来の68だと、どうしてもフォール時にもたついてしまう感じがあったからです。66になったことで、フォールの幅を調整しやすく、ジャークのレスポンスも上がり、上げのアクション、下げのアクションともにスムーズなりました。またアクション時、ファイト時の曲がり方は、アングラー側に少しでも負担が掛からないように調整しています。楽にジャークが続けられ、魚が掛かってからは楽に上げられるようになっています」

グリップ周りはフラッグシップモデルと同じに

フルホールディングシートにより、疲れにくく、さらに感度も上がった。より水中の様子、ジグの様子を把握できるようになった。

フルホールディングシートにより、疲れにくく、さらに感度も上がった。より水中の様子、ジグの様子を把握できるようになった。

今回のニューモデルは、リールシートに、オシアジガーリミテッドやインフィニティといったフラッグシップモデルで使用しているフルホールディングシートを採用しているのも特徴だ。このリールシートは、軽量、高強度のカーボン素材であるCl4+を採用。様々な握り方に対応するシマノ独自設計のモデルだ。
「フルホールディングシートにより、握りやすく、感度も良く、さらにジャークの精度のアップに繋がります。大型魚狙いで大きいリールを装着しても握りやすいです」

各モデルの使いどころ

ラインナップは1番から6番まで。近海から遠征まで網羅するラインナップとなっている。

ラインナップは1番から6番まで。近海から遠征まで網羅するラインナップとなっている。

今回の奄美大島遠征では、カンパチ、大型魚がターゲットであることから、山本さんは5番、6番を持ち込んだ。しかしグラップラータイプ スローJには、1番から6番までラインナップされている。そこで各モデルのベストな使いどころを聞いてみた。
「1番はジグMAX160gで50m前後をやる釣りに良いと思います。根魚、タチウオ、浅場の青物といったライトターゲットに向いているモデル」
「2番はジグウエイトMAXが200gなので、60、70、80mをやるのに適しています。近海のブリ、浅場のタチウオパターンの青物狙いや深場のタチウオにいいでしょう。富山県など比較的水深が浅いエリアのアカムツ狙いにも良いと思います」
「3番はMAX260gまでで、100mまでのエリアで活躍するモデルとなります。60〜100mまでのジギング全般、中深海の200mオーバーくらいまで使えるモデル」
「4番はジグMAX330gで、日本海や丹後半島の青物にベストマッチ。100mまでの青物ジギング、ドテラ流しでのジギング、中深海では340mほどまで使用可能。バーチカルにジグが素直に落ちていく状況のキハダ狙いにもいいです」
「5番は、水深が100mオーバー、150mといった場所でのカンパチ狙い、ドテラ流しで風が強い状況での青物に良く、なかでもキハダジギングには最適といえるモデルです。中深海狙いでバーチカルに落ちる状況のであれば、400mまでカバーします。また100mまでの水深での青物狙いなどで、150g程度のジグをハイピッチで使用してしっかりと弾かせたいという時にもオススメです」
「6番はMAX500gのシリーズ最強モデルとなります。遠征の大型狙いで活躍するモデルです。水深200mまで使用しやすく、深めのカンパチ、大型根魚に活躍します。また高知のキンメダイ、深場のアカムツ、クロムツにも良いです。張りがあるので、水深が100mなどのエリアで300gなどの重たいジグを使用してしっかりとジグを動かして青物を狙いたいといった状況でセレクトすることもあります」

2日目の釣果でロッド性能を証明

イソマグロによりジグはすぐにボロボロ。アシストフックのラインを切っていくものも。小型のイソマグロと思われる。これには山本さんも苦笑い。
イソマグロによりジグはすぐにボロボロ。アシストフックのラインを切っていくものも。小型のイソマグロと思われる。これには山本さんも苦笑い。

イソマグロによりジグはすぐにボロボロ。アシストフックのラインを切っていくものも。小型のイソマグロと思われる。これには山本さんも苦笑い。

釣り場を奄美大島の南に移して探っていく。水深が200m前後の深い場所では6番、浅い場所では5番も出番となる。この日、午前中は120、130の浅場を探った。そしてイソマグロに泣かされた。ジグがボロボロにされ、アシストラインは切られた。しかしそんな中、しっかりと結果を残した。16kgのイソマグロをキャッチした。
午後になると潮が緩くなり、アタリが遠のいた。それでもポツリポツリと5kgほどまでのカンパチ、スマや根魚などのゲストを巧みなジグ操作で追加していった。そしてこの日のクライマックスはマズメ時の16時49分に訪れた。ボトムから数シャックリで引っ手繰るようなバイト。同時にボトムに向かって突っ込む強烈な引き。オシアジガーLDのレバードラグを素早く調整して止めにかかり、そして巻ける時はどんどん巻く。数分のやり取りの末に水面に姿を現したのは、良型のカンパチだった。
「ノルマ達成や! グラップラー強いです。ジグ操作をしている時もパワーを感じますが、掛けてからもパワフルだというのが感じられます。しっかり魚が獲れるロッドです」
計測すると15kgであった。最初に言葉にした目標を達成した。
「さぁ、次もいきますよ。20kg、30kg!」

小型カンパチがポツリポツリと釣れてくる展開。アザハタ、アカハタモドキなどのゲストもヒットした。

小型カンパチがポツリポツリと釣れてくる展開。アザハタ、アカハタモドキなどのゲストもヒットした。

小型イソマグロに悩まされながらも、その中からナイスサイズのイソマグロを引き出した山本さん。6番ロッドが、しっかりとそのパワーを受け止めた。

小型イソマグロに悩まされながらも、その中からナイスサイズのイソマグロを引き出した山本さん。6番ロッドが、しっかりとそのパワーを受け止めた。

夕マズメに引っ手繰るようなバイトを得た。強烈な引きに素早く対応する。今回の釣行の最低限の目標としていた、15kgをキャッチ。
夕マズメに引っ手繰るようなバイトを得た。強烈な引きに素早く対応する。今回の釣行の最低限の目標としていた、15kgをキャッチ。

夕マズメに引っ手繰るようなバイトを得た。強烈な引きに素早く対応する。今回の釣行の最低限の目標としていた、15kgをキャッチ。

3日目にも良い釣果。タイプ スロー Jがオススメの理由

最終日は小型カンパチのヒットが続いた。このサイズが深場でたびたびヒットしてくる。体力がどんどん消耗していく展開だ。

最終日は小型カンパチのヒットが続いた。このサイズが深場でたびたびヒットしてくる。体力がどんどん消耗していく展開だ。

最終日、風が吹く予報によりお昼までの釣りになる。この日も深場からスタート。水深220mから開始。すると幸先よく小型であったがカンパチがヒット。その後も小型カンパチがポツリポツリと顔を出す展開。そして、少し浅場の130mほどに移動して探るとボトムから4シャクリでヒットさせた。上がってきたのは良型のマハタだった。結果、良型のカンパチ、イソマグロ、根魚とコンプリートして釣行は幕を閉じた。
「今回のグラップラーは、手に取りやすく、しかもしっかりとした性能も備えているので、スローの釣りに挑戦したいと考えている方や、4番、5番、6番においては遠征入門者におすすめです。セパレートグリップにより遠征時も運びやすいのも特徴です」
フラッグシップモデルはやはり性能が高く良いが、かといって何本も揃えるのは難しいという人も多いだろう。しかし前後の番手を揃えて釣り場に持ち込めば、攻略法も増す。グラップラーシリーズは、番手違いで揃えやすいというのも良い部分だ。

最後には、カンパチ、イソマグロとともに、今回の目標ターゲットとしていた良型根魚もキャッチ。グラップラー タイプスローJのパワフルさを十分実証した釣行となった。

最後には、カンパチ、イソマグロとともに、今回の目標ターゲットとしていた良型根魚もキャッチ。グラップラー タイプスローJのパワフルさを十分実証した釣行となった。

プロフィール

山本 啓人 (やまもと ひろと)

[インストラクター]

幼少時、身近な海でのエサ釣りを経て、ルアーフィッシングをスタート。 ソルトゲーム全般に親しむ過程でジギングに出会いハマる。 現在は「理論と勘を駆使して考える」釣りであるスロー系ジギングに没頭し、その魅力を発信している。

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※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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