2024/09/27
コラム
相反する個性のロッドを使い分けて1尾に近づく。オシアジガー クイックジャーク・ナチュラルジャーク
“意のままにジグを操る”というジギングの本質を深く追求して誕生したオシアジガーのスピニングモデル、クイックジャーク・ナチュラルジャーク。ジギングはアングラーのしゃくりのテクニックで誘うゲームだが、さらに高次元のジャークを繰り出すために誕生したのが、このモデルだ。2024年、リニューアルされたこのロッドを、ジギングのエキスパートであるシマノインストラクターの鈴木斉さん、山本啓人さんが語る。
クイックジャークの出番
クイックジャークは、名前の通りクイックにジグを操作するために誕生したモデル。
「ティップにジグの重さを感じて、バットからグリップのハリでジグを跳ね上げられる性能。細いブランクスですが、パワーがあります。60~100mの水深で潮が速い、船が流される状況では、ロッドのパワーが無いとジグがしっかり動かせない。そんな時に、このクイックジャークでテンポ良くハイピッチでジグを鋭角に動かして誘い、リアクションバイトを誘うことができます。またボトムでしか喰わないような時、ボトムタッチからワンアクションで喰わせなくてはならない時に、ティップの張り、バットのパワーによって、瞬時にジグを動かすことができます」と、鈴木さんは自身の青物ジギングで最もよく使うクイックジャークモデルを解説。
ちなみに強さを保ちながら細さを追求した設計により、従来のモデルより最大23%・45gという軽量化を達成している。
ナチュラルジャークの主戦場
ナチュラルジャークは、ハリのあるクイックジャークモデルと相反し、低弾性化しているモデル。低弾性カーボンにより、クイックジャークのようにロッドティップでジグを跳ね上げてスライドさせていくモデルではなく、胴調子のアクションでジグの余分なスライドの動きを吸収しながらナチュラルに動かしていくことができるモデルだ。
「バット部分、グリップ部分を使って、短い距離の速いスライドの動きをコントロールできます。ジャークした時、ヒットした時は、胴まで一気に曲がりますが、バットパワーは強く仕上がっているので、大きな魚がヒットしてもバットパワーでしっかりと寄せることが可能です」(山本)
指先でジグを動かしていくというよりも、手のひらでジグを操作していくロッド。その中で、魚の追従やジグのスライド距離を感じながらコントロールして、ヒットへと結びつける使いやすいロッドだと山本さんは語る。
「喰わない時、潮の緩い時に、ジグをあまりスライドさせたくない、しかしスピードはつけたいという時に活躍するロッドです。誰が操作しても、そのような動きを演出できるのが特徴です」(山本)
クイック、ナチュラルジャークの共通の進化
「8年ぶりのフルモデルチェンジとなる今回のモデルは、まず細く、軽く仕上がっているということ。細く、軽くなると、パワーロスの部分が本来は出てくるが、シマノの最新テクノロジー・スパイラルXコア、ハイパーXでしっかり補強することで、安心して良型魚とやりとりできる強さを装備し、さらに操作感も向上している」(山本)
ガイドは強さのあるチタンフレームのSicを使用。さらにオシアジガーリミティッドと同様に、リールシートはフルホールディングシートを採用。段差が無くなり、しっかりと握り込むことができる仕様になっている。
「ジギングの難しいところは、いかに潮に合わせていくかということ。ナチュラルジャークでジグを見せて喰わせたり、クイックジャークで速く激しい動きでバイトを誘ったりと、状況が進むにつれてベストなジグの動きが変わってくる。その変化に対応していくのが、ロッド選びと言えます」(鈴木)
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