シックスサイドのDNAを踏襲した、
リアバランスセミロングジグ。
「シックスライド」

SIXRIDE
  • JIGGING
INSTRUCTOR

山本 啓人Hiroto Yamamoto

6面構成のメタルジグ、シックスサイドと新たなメタルジグである「シックスライド」。ここではリリースに至るまでの紆余曲折をおしげもなくお伝えします。

世に出ることは無いプロト

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ルアー(ジグ)を作る上で必ずあるのは、世に出ないプロトモデルが数え切れないほどあるということ。意図したアクションが出ていないものは勿論、すごく釣れるがコンセプトには合わず日の目を見ることのないもの、時代に合わないものなど理由は様々だが、世に出る新製品以外の、残念だが散ったプロトモデルが必ずある。そんなプロトモデルとシックスサイドが出来上がるまでのお話です。
(もちろん、1発で完璧なプロトモデルを作れるのがルアー屋としては素晴らしいが、紆余曲折あるのがモノ作りということは書き加えさせて頂く。)

オフショアジギングインストラクター山本啓人の脳内

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一度尋ねたことがある。「啓人さんは釣りをしている時、何を考えていますか?」と。
彼は釣りをしている間、常にその日の状況の「変化」を感じ取りながら釣りをする。異常なほどに。
潮は?風は?ベイトは?魚の位置は?挙げればきりがないが、ジギングアングラーとして、釣りをしている間は目まぐるしく脳内で取捨選択が行われる。その時の最適解を導く為にタックルは勿論のこと、どのジグをチョイスするか、どう動かすかを考え導き出す。
どんなCPUを積んでるのか?と思うほどに彼の脳内はフル稼働である。
そんな時必ず出てくるのが、こんなジグあんなジグがあればもっとゲームが組み立てやすくなる、という新しいメタルジグのアイデアである。無限に出てくるそのアイデアの中の1つを具現化していくストーリー。

センターサーディンとシックスサイド

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シマノのパイロットジグとして定番品であるセンターバランスのメタルジグ、センターサーディン。
そしてボディが6面で構成される特徴的なフォルムのリアバランスショートジグであるシックスサイド。
この二つのジグをローテーションする際に山本啓人の脳内に浮かぶ、もう一つの新しいジグのカタチ。例えば潮の走りでいえば、潮が単調な時には、センターサーディン。二枚潮など複雑になればクイック(フォールなど)なアクションが得意な、シックスサイドを投入する。では、その間を埋めるジグや、さらにリアバランスで潮に勝てるジグがあればもっと釣れるのではないか?という仮説のもとにスタートしたのが今回の新しいメタルジグである。

世に出ることは無いリアバランスフラットジグ

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山本啓人の脳内を具現化したプロトモデルを持ち込み2023年2月サクラマスジギングの実釣テスト。エリアによっては複数の潮が走り、リアバランスのシックスサイドでも扱いづらい状況がある。それを打破すべく開発したのがシックスフラット(仮称)。
お察しの通り、これは世には出ないプロトとなる。
持ち込んだプロトモデルは大きく分けて4タイプ。
1、シックサイドに近いが、更にリアバランス。
2、1に厚みをもたせた調整版。
3、重心を若干センター寄りに置いたタイプ。
4、ロング化し底取りが速いスライド系。
その実釣での手応えとして、その時は1をメインに形状を詰めて行く方向で決まった。
センター重心のセンターサーディン。ややリア重心のシックスサイド。そして今回開発中のリア重心のフラットジグ。この布陣であらゆる海域、魚種をカバーできる。そう結論付けて、さらにブラッシュアップしたプロトモデルを翌月以降の実釣へ備えていくことで、実釣テストを終えた。(続く)