2023/08/18
コラム
電動ジギングの基本と釣り方 実践編 松岡豪之
高速ジャーク、数値による正確な再現性、パワフルな巻き上げと、ベイト、スピニングに続く第三のジギングと称される、電動リールを用いた新しいジギングゲーム、『電動ジギング』の魅力を、準備編に続き、オフショアフィッシングのスペシャリスト、松岡豪之が実釣を交えてナビゲートする。(注:リールはビーストマスター1000EJ、2000EJを使用)
船中(釣行直前)のセッティング
釣行前に現場でやることとしては、①ドラグの設定。②リールとバッテリーの接続。ドラグはあらかじめ設定しておき、釣行中に臨機応変に調整するのがおすすめ。また、バッテリーとケーブルは専用モデルを使わないと本来のパフォーマンスを発揮できない上に、故障の原因にもなる。危険防止のためにも専用モデルを使うことが絶対だ。
0(ゼロ)セット
電動リールを使用する際に確実にしなければならないのが、シカケ(ルアー)が水面にある時を「0m」と設定する「0セット」だ。この設定をすることで、シカケの位置が水深と常にイコールになり、正確なタナが可能になるほか、巻き上げが自動で止まるなど、スムーズな動作の基準となる。
実践①:電動リーリングジャーク
モーターを一定速度で回し続けながら、ロッドを動かし続けてシャクる電動リーリングジャーク。ビーストマスター1000EJの場合、NEWタッチドライブの中間速を設定することで一定速での巻き上げが可能になる(初期設定は17)。今回の実釣では青物狙いの「25」に設定した(青物では23~25速がおすすめ)。有効なのは魚の活性が高い時。効率よく広範囲をサーチできるので、釣行のスタート時など、その日の状況を見極めるのにも役立つ。ヒットしたらNEWタッチドライブ(1000EJ)かテクニカルレバー(2000EJなど)で巻き上げる。「PICK UP」ボタンは、押した分(時間)だけ巻き上げられる。
実践②:マニュアルジャークモード
任意で巻き取れるPICK UPボタンを活用するマニュアルジャークモード。ジャーク中はボタンを押して巻き上げ、ボタンを放してしっかりとフォールさせることでフォールアクションが際立ち、喰いが渋い時に有効になるほか、巻き上げ時だけ押すなど、多彩なバリエーションを演出できる。
実践③:オートジャークモード
巻き上げのスピードと動作、停止の時間を設定することで、一定のリズムでのアクションが可能になるオートジャークモード。ヒットパターンの忠実な再現ができるのが最大の特徴だ。今回は「25速・0.7秒動作・0.3秒停止」でヒラマサがヒット。次の1匹への絶大なヒントになる。また、クラッチを切ることでモードを停止することもできる(1000EJには非塔載)。
実践:電動ジギングの心構え
実釣中、釣れなくなった時こそが電動ジギングでは重要だと言う松岡さん。体力が温存ができるので、ここぞの時に集中できる。また、操作が安定して巻き抵抗や抜け感などを正確に把握しやすいことから、ジグにマッチする設定を体で覚えることができる。「止めたときにヒラヒラと良い感じに落ちているとか、飛びすぎてないかとか。スピードが速くて飛びすぎていると、ダランとあまりにも長いフォールになって見切られてしまう場合もある」。オートマチックだからこそ自らの感覚が逆に重要になることもある。高い再現性は魅力のひとつだが、誰もがすべて同じアクションにならないのも電動ジギングの面白さだ。
メンテナンス
電動リールに限らず、釣行後は水洗い(温水はグリスが流れ落ちることがあるのでNG)が基本だが、コネクターキャプとドラグを締める、カウンターユニットは水没させないなどの注意は必要。ロッドやジグ、バッテリーも同様にメンテナンスしておこう。
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