2025/01/28
コラム
サワラ・青物・シーバス攻略の新たな武器。MDザンバーノSWのジャーキングで誘うインショアゲーム 家田成大&角井良隆
ハイピッチ&ダートアクションでさまざまなターゲットに対応するソルト用ジャークベイトMDザンバーノSW。 東京湾・大阪湾、それぞれを拠点として遊漁船のキャプテンアングラーとして活躍する家田成大さん、角井良隆さんが監修したモデルだ。そんなルアーを手に、大阪湾でサワラ、青物を狙う。
サワラに効くジャーキングメソッド
バスフィッシング用に開発されたMDザンバーノをベースに、ソルトに対応するべくチューニングが施されたのがMDザンバーノSW115S。水面から2m前後を、リトリーブやダートアクションで魚を誘うジャークベイトだ。ただ巻きでのアクションは、ロングリップを活かしたキレのいいハイピッチ・タイトアクション。ジャークでは2mレンジで、しっかりと左右へのダートアクションを演出する。
そんなルアーを手にし、普段は東京湾でガイド船のキャプテンを務める家田成大さんと、大阪湾で遊漁船の船長を務める角井良隆さんが、大阪湾で徹底解説。サワラ、青物狙いのインショアゲームを楽しんだ。
「インショアゲームは、ボートの機動力を生かして、効率よくポイントを叩いていけるのが魅力です。今日は面白いゲームができると思います。」(家田)
「今回はサワラ狙いのジャーキングをお見せできたらと思います。サワラ狙いではブレードジギングが人気ですが、実はミノーのジャーキングもサワラに効くメソッドです。今回はそのジャーキングを解説したいと思います。」(角井)
角井さんの操船で大阪湾のサワラ、青物が狙えるポイントに訪れた。
「潮が流れるポイントで、ちょうど今流れ始めたところです。気配はあるので頑張りましょう。飛距離はなるべく出して、水面の変化を見ながら探っていってください。」(角井)
MDザンバーノSWの仕様
まずはMDザンバーノSWの開発の経緯、そしてその仕様について2人に語ってもらった。
「MDザンバーノSWはソルト用に開発したジャークベイトです。元はバスフィッシング用に開発されたバンタムMDザンバーノ115SP。これがソルトフィッシングで使用してもよく釣れることから、SWチューンとして出そうというのが開発の始まりでした。海で使用するには、もっと飛距離が欲しい。そのためウエイトアップ。また、インショアでジャーキングで使用することを考えると、シーバスだけでなくサワラやブリもターゲットになるため、それらに対応するフックが必要になるため、相応のフックを装着。当然、それらの改良を加えた上で、しっかりと動くバランスに調整することが必要となる。そして生まれたのが、MDザンバーノSW115Sです。」(家田)
「ハリを大きくする、シンキングにしたらどうなるかと思っていましたが、結果的には凄く良くて、海にはベストなバランスになりました。ハリは#6から#4に変わっているのですが、海の魚は重くて動きの速いものが多い。サワラでもメーターオーバーは結構なウエイトがある。ブリなどの青物も掛かる。#4のフックであれば、ちょっと強引にやりとりしたいときでも、安心してファイトができます。」(角井)
「ウエイトも少しですが重くなりました。風が強いときもある。そんな状況でも、しっかりと飛距離を稼げます。かつ、アクションは損なわれていないのが良いですね。」(家田)
MDザンバーノSWのジャーキング基本操作
今回、サワラ、青物狙いで2人がともに選んだタックルは、ロッドはインステージS73M+、リールはツインパワ−4000XG、ラインはハードブル8+ 1.2号、リーダーはオシアジガー マスターフロロ リーダー8号だ。そしてこれらを使い、どのようにジャーキングをしてサワラを探るのか、角井さんが語ってくれた。
「サワラをジャーキングで探るには、まずできる限り飛距離を出したほうがいいです。飛距離を出して広く探ることが、釣果への近道です。そしてシャクリ方で一番大切なのは、疲れにくいシャクリ方をすること。一日中投げ続けると、どうしても腕や手首が疲れる。それらを軽減するために、ロッドエンドを脇にしっかりと挟んで、手首ではなく腕と肩でスライドさせると良いです。テンポはゆっくりで、ワンピッチでシャクる感じで動かしてくればいいです。」
シャクリは大きく、強くではなく、コンパクトに動かすのが良いと言う。サワラはルアーをひったくるように強いバイトが出る時もあるが、小さくバイトしてくることもある。そのときに大きくロッドを動かしていると、アワセが入れられない。振り幅が大きく、次の動作に移るのが難しいからだ。アタリがあったときに、しっかりと対応できるロッドワークを心がけたほうが良いと角井さんは説明する。
またジャークのアレンジについてもアドバイス。
「シャクリを入れている動作の中で、1〜2秒止めるのも効果的です。止めた瞬間にバイトしてくることも多い。さらにジャークで魚を寄せて、途中で速巻きで誘うとアタリが出ることもあります。ついてくるけど喰わないこともあり、そんなときに効果的です。速巻きに転じた、1、2回転目にドンと来ます。ルアーをダートさせながら、たまに動きの変化を与えてやるのが、釣果アップのコツのひとつです。」
扱いやすいMDザンバーノSWの性能
「MDザンバーノSWは、凄く安定したジャークで動かせます。しっかり水を噛み、あまり破綻せずにキレイに左右にダートします。初めての人でもきれいに泳ぐ。この動きが、釣果に繋がります。頼もしい存在です。」(角井)
「MDザンバーノSWはMAX2mほどしっかりと潜ります。ジャーキングを強めに入れても飛び出さない。しっかり水中をダートして誘ってくれます。」(家田)
しっかりと潜ってダートし、船ぎわまでしっかりと引けるのだ。
「深いレンジにいる魚にはかなり効くと思います。」(角井)
ちなみに、シマノにはサイレントアサシンというシンキングルアーがある。その使い分けとは?
「サイレントアサシンは、水面の少し下のレンジで、ヘコヘコと動くイメージです。中部エリアで人気があります。今回使用しているMDザンバーノSWは、リップの長さも違い、水押しをしっかりしてキレのあるダートで動くルアーです。」(角井)
それぞれの潜航深度の差があるため、使い分けが有効。
サワラ、青物、シーバスに効くカラー
ナチュラル系のコノシロ、イワシ系のカラーに、濁りのある時に活躍するマットチャートグラデといったチャート系、ハーフミラーベイトとハーフミラーグリキンのフラッシュブーストカラー、夜のシーバス狙いなどで効くパール系のピンク・ピンクバックパールシャッドなど全8色がラインナップされている。これらのカラーは、2人の経験に基づいたアドバイスにより設定されている。
「これだけあったら、いろいろな場所のいろいろな対象魚に対してアプローチができると思います。また、今回は僕たちのオリジナルカラーも作ってもらってます。」
家田さんは、サニーミラーKというモデルをリクエスト。
「まずギラギラ光らせたいというのがベースで、その中でも背中は見やすい色にしました。また欲張って、ちょっとだけゴールドを入れています。なおかつケイムラが入っています。ケイムラは雨の日、曇りの日に効くイメージがあって、太陽があるときに効くシルバーと、光量の低い時に効くケイムラを合わせました。」(家田)
一方、角井さんはエッジパールゴールドをリクエスト。
「これはゴールドベースで、上にパール系の塗料を加えています。これによってお腹側がゴールド、背中側がシルバーに見えるカラーになっています。ヘッドの部分は、視認性を良くするためにピンクを入れています。これまでにないカラーになっています。」(角井)
ジャーキングメソッドに最適なロッド
今回のMDサンバーノSWを使用したジャーキングの釣りには、どのようなロッドが適しているのか?
「長さは7フィート前後が良いです。8フィートなど、長いモデルはシャクリを入れるときに大変なので。また少し張りがあるモデルのほうが使いやすいです。ミノーを左右に動かすので、柔らかいロッドでは動かしづらい。なおかつ魚がかかった時に、フッキングが入りにくいです。とはいえ硬すぎるロッドは良くない。穂先はある程度しなやかなもので、ベリーからバットがしっかりしているもの。ティップはしなやかのほうがバラシも軽減できる。使っているインステージS73M +は、パリッとしつつも穂先がしなやかで、ジャーキングに凄く使いやすいモデルです。」(角井)
そんな解説を角井さんが進めていると、家田さんがヒットさせた。
「潮がモリモリ動いてきた。魚が水面にいたようで、その場所の方向に投げてジャーキングで誘ったらアタリました。やっぱり水面の変化は、よく見ていたほうがいいですね。緩めのジャーキングの動きに、ドーンと引ったくっていきました。」
上がってきたのは、良いサイズのサワラであった。
ジャーキングとブレードジギングの使い分け
現在、各地で流行しているブレードジギングに対して、ジャーキングの出番はどのような状況のときが良いのか?
「まず、乗船時にはそれぞれどちらもタックルを持ってきてほしいと思っています。大阪湾の場合、5月頃、特に春先はジャーキングがすごく効く。そのタイミングは、ブレードでは釣れない。春先は、潮目などに浮いている魚が多く、その個体にはジャーキングが効きます。そこにブレード系のジグを通しても釣れないのですが、ジャーキングに変えた途端、反応します。一方、ベイトが下にいたり、魚も下にいる、水深が深い状況では、ブレードジギングが効きます。ジャーキングがハマるときは、ブレードジグはスルーされます。逆にブレードが当たっているときは、ジャーキングはスルーされる。そのようなことから、どちらも用意して、どちらも試すのがおすすめです。」(角井)
東京湾でMDザンバーノSWが活きるタイミング
東京湾において、サワラ狙いのMDザンバーノSWでのジャーキングメソッドの出しどころは、大阪湾と同様にサワラの動き次第となるが、家田さんはシーバスで使用するのも効果的だと言う。
「MDザンバーノSWは、カラーラインナップにもシーバスを意識したものを入れたのですが、飛距離も出る、魚を呼ぶ力もしっかりとあるルアーなので、オープンウォーターのポイントで投げてもらいたいと思っています。ジャーキングだけでなく、ただ巻きでもキビキビとしたいい動きをするし、魚をしっかりと呼んでくれます。またベイトが大きいときのストラクチャー撃ちでも、ジャーキングで誘い出すのは容易に想像できますし、これからシーバスゲームでの使用頻度が高くなるでしょう。」(家田)
青物連発で大阪湾を堪能!
途中、ボイルを発見。素早く船を近づけ、すぐにキャストすると角井さんにヒット! 上がってきたのは良型の青物だった。
「潮が緩んだタイミングでしたね。ジャーキングしたら一撃で喰ってきました。ボイル撃ちでは、ジャーキングは直線で探るよりも狭い範囲の中で長くアピールできるので効果的です。」(角井)
続けて家田さんにもヒット! 安定したやり取りで、難なく青物をキャッチした。
「今回は大阪湾を堪能できました。今回MDザンバーノSWをメインに投げ、魚を呼ぶ力があるというのを実践できたと思います。」(家田)
「海で激しくミノーをシャクリ、魚を飛びつかせる釣りってなかなかない。ジャーキングは、ぜひいろんな人にやってもらいたい。MDザンバーノSWは、初めて使う人でもキビキビと安定した動きを出せるので、安心して投げてもらえるルアーのひとつです。」(角井)
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