2024/10/15
コラム
ドリフト釣法を駆使して狙い撃て。初秋の河川で「カウンターウェイク80F」の使用法を解説。
エクスセンスのカウンターウェイクシリーズに、新しく「エクスセンス カウンターウェイク80F フラッシュブースト」が追加された。サイズが80mmと小型でありながら安定した飛距離を実現しているのが特徴で、ウェイク系ルアーとしてしっかりと表層で引き波を立ててシーバスにアピールできる。そこで今回はこのルアーの開発に携わった、シマノモニターの田上明茂の実釣の様子とともに、このルアーの使い所について解説していきたい。
シーバスの着き場が絞りづらい状況。中規模河川から狙いを定めていく。
田上さんがメインで釣行するエリアは徳島県。中でも大規模河川につながる支流にあたるエリアを中心に釣りをしていることが多く、独特のフィネススタイルでシーズンを問わず、数多くのシーバスをキャッチしている。
そんな田上さんが「エクスセンス カウンターウェイク80F ジェットブースト」を使って実釣したのは2023年の11月の秋。朝晩の冷え込みこそ厳しいものの、日中はまだ日差しが暖かく、時には暑さを感じられるような時期であった。
そんな寒暖差の影響からか、シーバスの活性はムラが大きく時合の見極めが難しく感じられるような状況。さらに秋のハイシーズンということで他のアングラーも多く、プレッシャーも高い状況でシーバスを追いかけることになった。
新しく仲間に加わった80mmサイズ。小型ながら安定した飛距離とキレのよい動きを実現。
そんな状況下で、今回は「エクスセンス カウンターウェイク80F フラッシュブースト」を使ってシーバスを攻略していく。このルアーの特徴は、80mmという細身で小型ボディながら、ジェットブーストによる安定した飛距離を実現していることだ。
中でも小型ボディのルアーはその小ささから浮力を確保しにくく、沈まないようにするための浮力調整が難しい。だからといって、軽くしすぎると今度は飛距離が確保できず、飛ばないルアーとなってしまう。このジレンマを解決しているのがジェットブーストのテクノロジーで、小さくとも安定した飛距離を生み出す秘訣だ。
さらに「今回はアクションのレスポンスと引き波にこだわって設計してもらいました」と田上さん。求めたのはデッドスローリトリーブでも、キビキビと動いて表層で引き波を発生させるレスポンスにもこだわったということだった。
ドリフト釣法で流し込む。朝マズメの静けさを破って激しい捕食音が鳴り響く。
そして実釣を迎えた朝マズメ。最初の釣り場として選んだのは河川の中流域にあたるエリア。広い視野で魚たちの動きを確かめるために、川幅も少し広めのポイントを選択した。ルアーは「エクスセンス カウンターウェイク80F ジェットブースト」で、まずは広範囲にルアーをキャストして様子を見る。
そして田上さんの使い方は「今は川の流れに乗せるようなイメージでルアーを操作しています。軽くラインを張るだけでキビキビと動くので操作しやすいです」とのこと。このルアーは、水噛みの良さも特徴のひとつで、ドリフト釣法も得意とする。弱った小魚が水面直下で泳いでいるイメージで動かすとよいと田上さんが教えてくれた。
こうして間もなくすると、朝の静けさを切り裂くように、「バコンッ!」と激しい捕食音が鳴り響いた。「よし!喰った!」狙い通りに喰わせたシーバス。そして即座にロッドを立てて応戦する田上さん。「この場所は下に障害物があるので早めに決着を付けたいですね」とのこと。するとシーバスも簡単には釣られまいと、障害物に巻かれてしまった。それでも落ち着いて対処した田上さん。「エクスセンス ∞(インフィニティ) 」の靭やかかつパワフルな特性を活かして、見事にグッドサイズのシーバスをキャッチした。
水門周りの攻略にも。足場が高い場所でも操作しやすい。
その後、今度は夕マズメに備えてポイントを移動してきた田上さん。今度は支流となる河川を選択し、先程よりもさらに狭いポイントでシーバスを狙っていく。さらに水門周りのポイントで流れが絡むポイントを発見。これを見た田上さんは、その周辺をピンスポットで狙って行くことにした。
「足場が高い場所ですが、水噛みが良いので引きやすいですね」とのことで、水噛みの良さがもたらすメリットを再認識していた田上さん。流れの中や、ヨレなどを意識してトレースするコースや角度を細かく変えながら探っているとガボッ!とシーバスが下から喰い上げてきた。
「よっしゃ!喰った」。目の前で突如訪れた激しいバイトの瞬間とその言葉から気持ちが昂った様子が伝わってくる。「流れの境目を狙ったら喰ってきましたね」とのことで、足場が高く釣りづらい状況でも、狙い通りにシーバスをキャッチした。
より最適なルアー選択が可能に。田上さんの「アガケ95F」との使い分けについて解説。
こうして「エクスセンス カウンターウェイク80F フラッシュブースト」でシーバスをキャッチした田上さん。タフな状況ながらルアーの性能をしっかりと実証できた釣果であったと思う。
そして最後に同じエクスセンスのルアーとして近い特徴を持つ「エクスセンス アガケ 95F ジェットブースト」との使い分けについて解説しておきたい。田上さんにとって「エクスセンス アガケ 95F ジェットブースト」は1年間の釣行中でも使用頻度の高いルアーで、シーバスがトップウォータープラグに反応しているけれど、うまくフックアップにいたらないときや、弾かれてしまうようなシーチュエーションで喰わせのルアーとして使用することが多いとのこと。
また引き波を発生させやすいので、ハクやイナッコパターンの攻略にも使用すると教えてくれた。そして「エクスセンス カウンターウェイク80F フラッシュブースト」が特に活きるシチュエーションは、マイクロベイトパターンなどのベイトが小さく、表層にシーバスの意識が集まっている時。そしてこちらの方がより飛距離が出しやすいので、遠くを狙いたい時は特にアドバンテージがあると教えてくれた。
どちらも同じサイズ感でウェイク系のルアーであるが、それぞれの個性を使い分けることで、釣果に大きな影響が出るはずだ。ぜひ今回の田上さんの釣行を参考にして、自身のテクニック向上に役立てていただきたい。
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