2023/03/23
コラム
水を一枚噛ませたレンジとは。 鈴木斉のカウンターウェイク120Fの使用法。
水面直下と言えば、シーバスのバイトゾーンになりやすいレンジのひとつ。表層を意識しているタイミングでは特に有効で、今ではシーバスを狙う上で基本なレンジとなっている。そして興味深いのが、この重要な水面直下というレンジに対して各人で考え方が違うことだ。今回は鈴木斉さんならではの使い方を深掘りする。
干満差の大きい熊本エリアの河川。ポイント選びの難しさ。
釣行したエリアは熊本県の河川。有明海と繋がるこのエリアの河川は干満の差が大きいのが特徴で、大きい時では干潮と満潮で潮位の差が5m前後になることもある。そしてこの釣り場でのポイント選びのコツは、干潮に向かうタイミングでポイントに入ることだ。「このタイミングの方が魚の居場所が絞りやすくなります」と鈴木さん。全体の潮位が下がることで魚の移動範囲も限られるようになり、魚はある程度水深のある場所に集まる。そこを狙い撃つ。また潮位が下がっていくと次第に水深の浅いところは地面が露出してくるため、浅い場所と深い場所が見分けやすくなるのも良いところだ。ここでさらにベイトの有無まで確かめることができれば、ヒットに繋がる確率も大きく高まると言えるだろう。
鈴木さんの考える水面直下とは。カウンターウェイク120Fの使い方。
使用するルアーは「カウンターウェイク120F フラッシュブースト」。水面直下の攻略を得意とするルアーで、多彩な使い方ができるのも特徴だ。そして鈴木さんなりの水面直下というのは、水面から5〜10cmほど潜らせた水深であるとのことだ。「水を一枚噛ませたくらいのレンジが喰わせやすいイメージです」。ということで、少し早めに巻きながらタダ巻きでアクションさせ続けるのが基本だと教えてくれた。また今回のような干満差の影響が大きいポイントでは、深かった場所も干潮時にはとても浅くなる。そうなると通常のミノーでは潜りすぎてしまうため、シーバスに対してルアーを効果的に見せることが難しくなるのだが、このルアーでは水深の浅いポイントでもしっかりとシーバスの目線の上のレンジを狙ってアクションさせることが可能だ。
定番のポイントだからこそ。繊細なアプローチで差をつける。
さらにこのルアーは、ドリフト釣法とも相性がよくなる。そこで今回の実釣では橋脚の明暗部の攻略も試みた。ここで鈴木さんが多用したのがドリフト釣法で、暗部にシーバスが潜み、上流側の明部から流れてくるベイトを待ち受けているようなシチュエーションだった。この状況を見極めるコツとしては、ポイントを観察していて、明暗部の境目周辺でベイトがピチャピチャと逃げ回っているかがひとつの目安になる。さらにそこでボンッという捕食音が聞こえれば、暗部にシーバスがいてエサを待ち構えている可能性が大きく高まるだろう。さらに鈴木さんは「ベイトが追い掛け回されたタイミングを見計らって投げるのもテクニックです」と教えてくれた。橋脚の明暗部といえば、シーバスゲームではポイントとして定番であるが、わかりやすいポイントだからこそ繊細に狙うという意識が他のアングラーとの釣果に差をつけるのかもしれない。
ドリフト釣法で流し込む。待ち伏せするシーバスにアプローチ。
そして明暗部をドリフト釣法で攻略する時の鈴木さんは、シーバスに対して繊細にアプローチしていく。まずは明部にキャストして、タダ巻きでアクションさせながらルアーが暗部に流れていくようなイメージでアプローチを繰り返していた。そしてルアーが暗部に入った瞬間にガツンッと手応えのあるバイト。狙い通りにシーバスをヒットに持ち込めた。「やっぱり明暗部の境目付近で喰ってきましたね」と鈴木さん。イメージ通りにヒットさせてた気持ちのいい1匹だった。
アプローチで変わる釣果。難しい状況でも釣果につなげるために。
この釣行当日のことだが、実は潮回りが長潮のタイミングであった。鈴木さんのイメージでは、河川のポイントにしては流れが弱く、喰いも渋くなると予想。実際にバイトを引き出すにはテクニックと繊細さが求められるシチュエーションだったのだが、鈴木さんのこれまでの経験が功を奏した釣行だったと言えるだろう。水面直下という、わかりやすいようで人によってイメージが大きく異なるレンジの攻略。ぜひ「カウンターウェイク120F フラッシュブースト」を使いこなして自分のイメージに合う水面直下を探してみてほしい。
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