2025/04/15
コラム

祝25年解禁、堰堤に潜むモンスター

製品企画担当の“エドワード”です。
PROシリーズで、気分上々↑↑
我が子のように大切に育てたPROウェーダー・ウェーディングシューズ。試行錯誤しながら、やっとのこと発売ができました。
今回は、製品版として完成してきたものを引っ提げての釣行です。自分で企画したものが、製品として形になる、とても幸せなことですね。
そんな幸せを噛みしめながらの釣行になりました。
マイナス気温での解禁
シマノでの勤務地を九州から関西に移して3年、こちらのトラウト事情はまだ勉強中。先輩に連れられ、奈良県の小河川へ。天候としては、朝から風が吹き、気温もマイナスを示すなど、なかなかハードな環境での釣りです。私の解禁の中でもここまで冷え込んだ日は初めてです。
ただ朝一はタイミングも良かったのか、水量も丁度良く濁りもない状況です。ポイントも人の入った跡は少なく、3月10日の釣りでしたが、解禁から先行者が1回入ったか否かくらいの様子。
私のパイロットルアーはリフレイン50です。毎年のことですが、解禁すぐのキャストは久しぶりの動きでぎこちなく、狙い通りにいきません。ただ私のキャストミスをカバーするかのように、低水温といえども魚の反応は良好です。初めて見るルアーの動きに興味を持ったのか、流れの中や岩陰から黒い影がしつこく追ってきます。
しかし、まだバイトするまでの元気が無いようで、ラインに引っ張られルアーの角度が少しでも上を向くと、ぽいっと帰って行ってしまいます。ただ、レンジをキープしながらリーリングしても、ルアーの10cmくらい後ろを追尾する感じで終わってしまいます。
こんな時こそ「ルアー折り返しパターン」。自身の近くにルアーが戻ってきても回収せず、テンションを張りながらルアーの泳ぎを崩さないように注意しながら自身の横を通し、自分より下流側に少し流してから、アップに折り返すパターンです。
狙いどおり、ダウンからアップにスイッチされる瞬間に、魚のスイッチも入るのか、急にバイトが来ました。早々とコンディションの良いアマゴをゲット。このパターンがはまったのか、その後もぽつぽつと釣れ続けます。

元気なネイティブたちの反応がすぐに。ああ、今年も始まった。
途中で真っ黒な尺近くあるイワナが反応を示すなど、トラウトの楽園を見つけた気持ちです。気温はマイナスながら心はぽかぽか、開始1時間でコーヒーを飲む余裕がありました。

そんな幸せな時間も束の間、途中から天候がだんだんと悪くなりました。雪がぽつぽつと自身に降りかかります。それでも魚は相変わらず反応良く、夢中で解禁を楽しみます。

艶々としたイワナも。
気付くと吹雪に近い状況、一面真っ白の景色が目の前を広がっています。ここまで急変すると、魚の反応も途端に悪くなってしまいます。
また、堰堤が来るたびに高巻きしなくてはならず、素手で登ると雪が染み、心も折れかけます。(グローブ持ってきていましたが、序盤でびしょ濡れにしてしまいました。この時期は防水グローブも必須ですね。)
高巻きの時、とにかくPROウェーダーの恩恵を感じます。生地のストレッチ性のおかげで、一歩一歩を普段の歩みと同じ歩幅でいけますし、岩を越えるときにも、ツッパリ感をほぼ感じずに足を上げることができます。
ストレッチ性のある糸を敢えて横方向に織っていることもあり、足を上げる動きで生地がしっかりと伸びます。

PROウェーダー、生地の拡大図。緑の丸で囲ったのがストレッチ性のある生地です。ウェーダーが横に伸びることにより、岩を越えるような動きで強みを発揮します。


アップダウン激しく、高巻きの繰り返しです。
堰堤に潜むモンスター
「もう山道を登りたくない」そんな気持ちもあり、普段なら数投して反応が無ければ諦める堰堤で、時間稼ぎのルアーローテーションをします。水深が3mくらいあるので、リフレイン45XSが中心です。リフレインはとにかく、フック絡みが少ないです。
もちろんシングルフックの利点というのもあるでしょうが、飛行姿勢の良さが一番寄与していると思います。ショートキャストでも、ロングキャストでも、姿勢が崩れることなく一直線に飛んでいきます。指が凍える中、ライン絡みを起こしていたら諦めてしまう状況ですが、集中してキャストを繰り返しできます。
最近ハマっている、リフレイン45XSのリフト&フォールパターン。水深が深い時や絶対に魚が潜んでいる小場所を丁寧に探りたいときには基本はこのアクションです。滝より少し奥に入れて、その境目をしっかり探りたい。そんな時普通のルアーだと、水圧に負け狙いの場所までルアーが入らないのですが、45XSであればしっかりとそれができます。
3~40投はしたでしょうか。そろそろ諦めようと思ったところ、ここでまさかのビッグフィッシュからの反応が。狙っていた落ち込みではなく、自分の立っていた真下から大きな魚が飛び出し、リフレインのフォール中にひったくっていきました。アルミチャートのリフレイン45XSが、一瞬にして視界から消えます。でかい。
真下だったこともあり、ファイトタイムは短い。しかし短いからこそ、ランディングネットの準備ができず焦ります。あたふたしている間にも黒々としたイワナが、蛇のようにくねくねと抵抗します。このサイズになるとロッドのしなりも半端ではありません。焦る気持ちを抑えランディングネットで掬おうとしますが、網がカチカチに凍っており、まったく役に立ちません。

凍り付いたランディングネット。
ええい、、半ばパニックになり雪上に抜き上げます。やっぱり大きい。
自然渓流のイワナでは自己サイズの、35.5cmを釣り上げることができました。まさか解禁日にこんな魚が釣れるなんて。
真っ黒な頭とオレンジのお腹のコントラストに惚れ惚れしてしまいます。

堰堤に潜んでいた35.5cmの良型。水深が深くてもチャートカラーの視認性に助けられることがしばしばです。


体には無数の傷が。数々の苦難を乗り越えた生きた証でしょう。
元居た場所に魚をリリースし、釣りを再開しようとすると、リールの上に雪が積もっています。こうなったら納竿。心が温まっているうちに、帰路に就きました。
タックル&装備
【ベイト】
ロッド:カーディフストリームリミテッド B48UL-4
リール:カルカッタコンクエスト BFS XG LEFT
メインライン:ピットブル8 0.5号
ショックリーダー:フロロカーボン 5lb
【スピニング】
ロッド:カーディフ ネイティブスペシャル S54UL
リール:ヴァンキッシュ C2000SHG
メインライン:ピットブル8 0.5号
ショックリーダー:フロロカーボン 5lb
【ルアー】
リフレイン50HS(STクリアベイト)
リフレイン45XS(アルミチャートG)
【装備】
ウェーダー : DSストレッチウェーダーPRO Z ソックス
シューズ:ジオロック ウェーディングシューズPRO カットフェルト
【Photo】
カメラ:α7Ⅲ(SONY)
レンズ:GM25mmF1.4 (SONY)
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