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2024/12/25

コラム

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水無月の中禅寺湖レイクトラウト 後編

水無月の中禅寺湖レイクトラウト 後編

こんにちは。モニターの佐藤文紀です。
今回のトラウトミーティングでは、前回に引き続き6月に中禅寺湖でレイクトラウトを狙って釣行した時の様子をご紹介したい。体にこたえる冷たい雨の中であったが、魚たちが至福の時間に変えてくれた。

ボトムを意識するレイクトラウトの攻略法を考える。

当日は朝から降り続ける雨だったがマズメを過ぎた段階で幸先よく友人と1尾ずつのレイクトラウトを手にしていた。

いずれもヒットルアーは30gメタルジグで、沖のディープのボトムの傾斜の険しいかけ上がりをリフト&フォールからの小刻みなボトムパンピングで、レイクトラウトを引き出すことに成功した。

この釣り方でのヒットということはワカサギというよりは、ボトムに定位するハゼ科の小魚を狙って顔を底に向けて探し回っているレイクトラウトだと思われる。
レイクトラウトの場合は目線より下のエサも捕食しているようで、このあたりの特徴は長年釣り慣れているサクラマスにはないものだから私的には意表をつかれた形だ。

メタルジグを80~90m遠投し、そこからルアーを底まで沈めていく。
着水地点の水深にもよるだろうがカウントは30~40秒にも及び、季節の進行も相まってヒット地点は釣り人の立つ岸からとにかく遠かった。

フォールの対空時間が長く、レイクトラウトがルアーを喰えた際もアタリは小さく伝わってくるのでラインテンションの変化には常に意識を張って気をつけていないとアタリを逃してしまうかもしれない。
このあたりは鋭角に反転喰いするサクラマスとはルアーを口にする仕方がレイクトラウトでは大きく異なる点である。

栃木県中禅寺湖を象徴するイワナの仲間レイクトラウト。公式日本記録魚も1メーターを超え・15キロ以上に及ぶ。国内では北海道のイトウに次ぐ大型トラウトだ。

栃木県中禅寺湖を象徴するイワナの仲間レイクトラウト。公式日本記録魚も1メーターを超え・15キロ以上に及ぶ。国内では北海道のイトウに次ぐ大型トラウトだ。

スロー系のジグに好反応。

その後、ほどなく2尾目がヒットした。
ルアーは今度もメタルジグだがフォールスピードを落とし喰わせの滞空時間を意識した20gにウェイトを下げた。
いずれにしてもどうやらスロー系ジグの動きが今回はいいようだ。

1尾目のレイクトラウトは縦方向への重々しい引きで切り立った溶岩のガレ場では根ズレに弱いPEラインの摩耗が懸念される引きであったが、今度の魚は先ほどより更にドラグを引きずり出して横に向かって走るので魚の走りをいなしつつロッドの曲がりを存分に楽しめるラインが横方向に入るファイトだ。
目測65cmに少し足りないくらいだろうか。
グッドコンディションのレイクトラウトをランディングした。

ランディングした勢いで魚の置き写真はそのままスマートに撮れたが、ネット内からその後逃亡されニコパチ写真は撮れなかった。

それにしても楽しい。

6月とはいえ山上湖でウェーティングを伴った釣りでは寒さが身に染みる。冷水性であるレイクトラウトの適水温は4〜10度、とされているのもうなずける。小々の寒さを耐え忍んだ先には至福の時間が待っている。

6月とはいえ山上湖でウェーティングを伴った釣りでは寒さが身に染みる。冷水性であるレイクトラウトの適水温は4〜10度、とされているのもうなずける。小々の寒さを耐え忍んだ先には至福の時間が待っている。

雨のつらさも忘れるような至福のとき。

身体にはつらい冷たい雨の降る日だが、魚には活性を感じられるのが救い。

続いて友人もまたレイクトラウトを1尾追加。

この立ち位置、今日はいい群れの回遊に当たっている。

その後、岸際を回遊しているニジマスやブラウントラウト狙いでワカサギをイメージした7cmのフローティングミノーを引いていたところ60cmほどのニジマスがヒットしたがジャンプをしのいでいるうちに、フックが伸ばされバレてしまった。

あいにくの雨の中の釣りではあるが、今日の魚は活性が高まっているのを感じる。

この日、最後のアタリが訪れたのは夕方の納竿間際のラスト1投だった。

「これで今日は最後」、と言い放った私のキャストにこの日、3尾目となるレイクトラウトがまたしても30gのメタルジグに喰ってきた。

至福のとき。

こうして自身はレイクトラウト3尾キャッチにニジマスのバラシ、同行の友人は2尾のレイクトラウトを手にできた1日となった。
中禅寺湖をホームフィールドとする友人とは来年の再会を約束し、ここでお別れとなった。

清く澄んだ水が周囲の風景を鏡のように映し出す。トラウトフィッシングに最適な環境が整っている中禅寺湖。遠征者も多いが北関東という立地柄、首都圏からも釣行圏内におさまる。

清く澄んだ水が周囲の風景を鏡のように映し出す。トラウトフィッシングに最適な環境が整っている中禅寺湖。遠征者も多いが北関東という立地柄、首都圏からも釣行圏内におさまる。

さらに翌日。快晴の中禅寺湖で。

翌日は前日と打ってかわり、朝から快晴。
この日は帰路につかなければならず朝の2時間程度だけ軽く竿を振ってみようと遊漁券を購入し前日のポイント付近に向かうが天気もよいせいか先行者多数で入れず、少しはずれた先行者のいないポイントに降り立った。

ここではどうだろうか…とキャストした20gスプーンにレイクトラウトが中距離でヒット。

メタルジグほどルアーに飛距離は出ていないが、前日より岸寄りにレイクトラウトが寄っていたのかもしれない。

心地よい山上湖の朝は実に清々しい。

今日も終日釣りができれば釣果は伸びそうな予感はしたが、付近の水族園も訪問してみたいし、なにより来年に向けてのポイント探しも兼ねて中禅寺湖を周りを周遊するため心地よく竿を収めた。

湖岸は道路と並行する「国道側」と徒歩で向かう「山側」に分かれている。いずれも木々の緑に囲まれた自然豊かな環境で、野鳥のさえずりが湖岸にこだまする。

湖岸は道路と並行する「国道側」と徒歩で向かう「山側」に分かれている。いずれも木々の緑に囲まれた自然豊かな環境で、野鳥のさえずりが湖岸にこだまする。

この釣行で出逢った4尾のレイクトラウトは今も忘れられない。
来たる2025年も、サクラマスシーズンが終わった頃に栃木県中禅寺湖釣行を楽しみに企てている。

この釣行で出逢った4尾のレイクトラウトは今も忘れられない。

来たる2025年も、サクラマスシーズンが終わった頃に栃木県中禅寺湖釣行を楽しみに企てている。

緑と青が調和した雄大な湖面が広がる6月の中禅寺湖。観光地としても有名な同所はトラウティストならずとも訪れる価値がある魅惑のネイチャースポットだ。
緑と青が調和した雄大な湖面が広がる6月の中禅寺湖。観光地としても有名な同所はトラウティストならずとも訪れる価値がある魅惑のネイチャースポットだ。

プロフィール

佐藤 文紀(さとう ふみのり)

モニター

プロアングラー。国内外のロックフィッシュゲーム全般およびサーモン・トラウトフィッシングの双方に精通。ロックフィッシュにおいては黎明期からシーン最前線で活躍するパイオニア。世界記録・日本記録も多数保持する。トラウトは渓流・本流・湖・海まで幅広く、なかでもライフワークでもあるサクラマス釣りは歴30年を超える。

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