2024/09/17
コラム
水無月の中禅寺湖レイクトラウト
こんにちは。モニターの佐藤文紀です。
今回のトラウトミーティングでは、中禅寺湖でレイクトラウトを狙って釣行した様子をご紹介したい。
70cmアップをバラした悔しさを胸に挑んだリベンジ釣行だ。
バラした悔しさと期待を胸に。
今年は5月まで本流および支流サクラマスを東北河川を点々としてやっていたのだが、4月中旬から高気温の日が続き5月はサクラマスの適水温を超えてしまう日が多くなってしまった。
そのため4月までの好釣果とは引き換えに、夏の陽気さえ漂う5月のサクラマス釣果は自身の理想とは違う形になってしまった。
そんな矢先、釣りができる環境としては日本で最も標高が高い湖として名高い・栃木県中禅寺湖へゴールデンウィーク明けに釣行。
レイクトラウトを狙ったのだが、70センチUPを掛けるも水面でハリはずれによってバラした悔しさが忘れられず、6月に再度、予定を立て直して釣行した模様を今回はお伝えしたい。
6月の中禅寺湖は一ヶ月前に訪れたときよりも更に季節が進み、雄大な緑に覆われていた。
湖の雰囲気すらだいぶ変わったように思え、美しい緑が湖面の鏡に反射するような緑の楽園と化していたのだ。
釣行前日、午後は中禅寺湖に到着するも湖畔にある「さかなと森の観察園」を訪れたのだが今日は付近でクマが目撃されたため臨時閉園となっていた。
その足で中禅寺湖の国道側一帯を見てまわり、夕方前には翌日竿を出してみようと思った付近の遊歩道を竿をもたずに散策してみた。
夕暮れどき。
春ゼミが鳴いており、足元からのブレイク沿いには50cm~60cmのブラウントラウトが定期的に回遊しているのが偏光グラス超しに見えた。
おそらく水面に落ちてきたセミを狙っているのだろう。
前回来たときはスプーンの中層巻きでブラウントラウトのヒットを得たが、その際はブラウントラウトは目視できず、ふいに現れる大きな魚影はたいていはニジマスとレイクトラウトだった。
この他、5月は鱒っ子(ホンマスの幼魚)とヒメマスの幼魚の群れが多かったのも印象深い。
今回はこれら魚影をなかなか見つけることができない。
少し深場に魚が落ちているのだろうか。
季節が移行し、セミなどの虫が多くなったことで岸寄りを回遊するマス族も変化したのだろう。
いずれにしてもセミパターンのトップウォーターフィッシングは初夏はとても狙い目だが、本命は前回くやしい思いに散ったレイクトラウト一本だ。
翌朝を待ち、期待を込めて眠りについた。
トラウト達はセミを意識する時期。雨はどのように影響するか。
翌・早朝。深夜から降り出したと思われる雨が降っている。
崩れる予報がだいぶ早まってしまったようだが、予報を見ると厚い雲がかかりあいにく夕方まで雨はやまないようだ。
雨の日も雪の日も…30年以上サクラマス釣りで慣らした身体。
ここは雨に耐えつつも、人が少ない=プレッシャーが掛かりづらいと踏んで前向きに考えよう。
雨が原因でレイクトラウトが急に釣れなくなることはないと思うが、やはり雨の日はなるべくであれば身体を濡らしたくはないのが本音。
今日は思いのほか釣り人が少なくて、ある意味、ラッキーかもしれない。
6月とはいえ、標高の高い山上湖での雨の日ということもあり、この日は思ったより気温が下がった。
ウェーディングジャケットの下にはダウンジャケットを着込み、ウェーダーの下にはダウンパンツをはいて、いざ冷たい湖に立ちこんだ。
ロッドは自身が心血注いだ「カーディフNX S86M」、リールは「ステラ 3000MHG」とサクラマス釣りにおける東北の大河川本流のスプーニングではメインとなるヘビールアー対応のモデルだ。
この竿は30gのジグまでを振り切れるため、中禅寺湖のレイクトラウトにも「カーディフNX S86M」は使い勝手が良いだろう。
ラインは「ハードブル8+」の1号、ショックリーダーはフロロカーボン4号でシステムを組んだ。
あさイチは表層からミノーやシンキングペンシルをトレースするがまるで反応なし。
少し時間が流れて、朝7時半を回った頃だった。
30gのメタルジグを遠投し、沖のボトムを丁寧に探っていた私と同行の友人に連続してレイクトラウトがヒット。
私のは55cm程だが、友人の魚は60cmを超えているグッドサイズだ。
今、ちょうど回遊にあたったのかもしれない。
いずれも、遠投してボトムから気持ち上のレンジでヒットした。
友人のヒットカラーはボトム寄りのヨシノボリ系ベイトを意識したという茶色系で、反対に私のヒットカラーは雨天で暗い光量を意識してのグローの入ったゼブラカラーだった。
自身に関しては特に特定のベイトフィッシュは意識していない、アピール寄りのカラーだ。
まずは各々1尾ずつ。
しとしとと降りしきる雨の日の釣行であるが、ヒットすればドラグを力強く引きずり出して走り回る元気いっぱいのレイクトラウトに応戦する時間が、なんとも言えない至福の喜びに包まれる。
あいにくの空模様ではあるが、自身が理想とする静寂なフィールドでのビッグトラウトゲームが幕を開けた。
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