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「ストプレ」と釣り歩く十勝レインボー

こんにちは、シマノサポートアングラーのショータジェンキンスです。先日ノースアングラーズの取材で初めて北海道でレインボーを狙ってきました。初めてというのも、北海道のレインボーを釣ったことはあれど、メインのターゲットとして狙ったことがなかったのです。しかも案内役は同じサポートアングラーの米澤氏ということで、行く前から楽しい予感しかなかった夏の北海道釣行記です。

フェリーで向かう北海道

季節はまばらですが、北海道の大自然に魅せられて以来すっかり毎年釣りに出かけるようになってしまいました。そして行くとなればつい欲張って色々な場所に行きたくなってしまうため、基本はマイカーとカーフェリーを使っての遠征。熊笹に覆われた道や渓流周りは悪路も多いので、自分の車の方が気を使わずにズンズンと進めるのもありますが、なんたっていつも通りタックルを車に詰め込んでいけばいいので忘れ物が少なくなるのが嬉しい(笑)。色々な場所で色々な魚に会いたいとなるとタックルも嵩みますからね。

このフェリー乗り場のサインを見ると毎回ワクワクしてきます

約18時間の船旅。スマホにダウンロードした映画を見たりパソコンを開いたり、本を読もうとして酔って寝たりしながら苫小牧港へ。僕はとにかく船酔いに弱いせいか、常に少し揺れているフェリーの上では風邪ひいてるのかな?と思うほどよく眠れます。毎回この時間にリーダーを組もうとリールなどを持ち込むのですが成功したことはまだ一度もありません。そうこうしている内に「さんふらわあ」の歌が流れてきて着港、セイコーマートでおやつや飲み物を買うまでがルーティーン。

寄り道してオショロコマ

米澤氏(以下ヨネ氏)と合流するまで少し日程に余裕があるので、寄り道して道央の渓流へ。 僕は普段からイワナが好きで、やはり北海道へ来たなら釣りたいのがオショロコマ。同じ魚でも地域によって、むしろ同じ川でも生息するエリアによって顔つきや体色の変化に富んだ美しいイワナの仲間で、今回はまだ釣ったことのないエリアを友人が案内してくれることになり、実はレインボーと同じぐらい楽しみにしていたのでした。

これぐらいの規模感で何が釣れるかわからない川はストプレのS54USLが相性抜群

今年の夏はとにかく暑く、北海道も例外ではありません。いつもはよく釣れる、みたいなポイントを数カ所周りますが全く魚の姿は無く、沢によってはアメマスベイビーの猛攻にあって退散(苦笑)。それはそれで楽しいので時間を取られてしまいます。簡単に降りれそうなところをロッドだけ持って行き、何投かしたらすぐ移動を繰り返しようやくチェイス。ここから真面目にやろうと装備を整えて出発します。

そして一投目、さっきチェイスがあった上の落ち込みであっさりと良型のオショロコマがヒット!そのまんま進んでも良かったなと思える呆気ないキャッチでしたが、紺色の強さが印象的な美しい魚にしばし見惚れます。もう夕方になっていてアブも増えてきていたので、深追いせずにここで納竿。1本満足系の釣りが好きな僕は結構こんなパターンが多いです。きっとレインボーの多い川ではオショロコマに会えなそうと思っていたので、これで心置きなく(?)レインボーに専念できます。

別名カラフトイワナ、英名ドリーバーデンですが海外のようなサイズにはなかなか育たないみたい

いよいよ本番、十勝のレインボー

撮影前日にヨネ氏と合流して、再会を祝して缶チューハイで乾杯したり街灯に飛んできたクワガタを捕まえたりしながらなんとなく明日の打ち合わせ。完全に頼り切っている僕とは対照的にかなり緊張しているヨネ氏。何故か昔から面接などの本番に強いタイプ、というかそう思い込んでいるタイプの僕はこういう時本当に楽観的で「ヨネさんなら大丈夫!」とか「僕、失敗しないので」とか、今思えばふざけすぎだったかもしれませんごめんなさい(笑)

先ずはミヤマかと思いきやノコギリクワガタの登場

翌朝ポイントから少し離れたところにある道の駅でスタッフの方達と合流。まだ早朝なのになんだか暑くなりそうな予感。山岳渓流と聞いていたのですが想像よりフラットに見える川に到着。確かに北海道って高い山が少ないというか、標高がそんなに高くないのに関東でいう山っぽい岩盤系の川があって、しっかりと流れが効いているところが多い。確かにこれはただ渓流とか里川と呼ぶにはちょっと違う、なるほどなるほど。

そしてスタートフィッシング。「まずは釣ってみてくださいよ」とヨネ氏に更にプレッシャーをかけてみます。なんか最初は緊張してる雰囲気でしたが何投かするとすっかり落ち着き、ベイトタックルで綺麗にポイントを撃っていくヨネ氏。キャストの正確さもそうですが、ミノーの動かし方が思っていたより優しめ。僕はついパンパンと動かしすぎるので、こうやって後ろから人の釣りを見るのって大事だなと。

すごく嬉しそうなヨネ氏の笑顔。安心の一匹

少し釣り上がったところで、なんだかいかにもトップが良さそうな流れがありセミルアーにチェンジ。落ち込みにキャストが決まった瞬間にルアーが消し込まれド派手なジャンプ!その瞬間に鼻が曲がっているのが分かったほどの滞空時間、皆パニック1歩手前ぐらいの興奮状態に。
ランディングには定評があると勝手に思っているジェンキンスがネットを構えますが、寄ってきた魚の迫力と美しさに興奮度は更に上昇しますがどうにか無事にネットイン。いやー、1匹目からとんでもない魚を見せられてしまった。釣ってみてくださいよとは言ったけどこんなドラマ魚みたいなのじゃなくてもいんですよ(笑)

今見ても素晴らしい鼻曲がりの雄

まさかの連続劇

序盤に素晴らしい魚が飛び出し、おかげでむしろ今度は僕にプレッシャーがかかってしまった。こういう時は自分の考えなどに執着せず、むしろそのルアー投げてもいいですか?と言える柔軟さという名の節操のなさも強みの僕は、ヨネ氏のベストにぶら下がるセミを拝借し釣り進みます。これは昔何かの雑誌で読んだんですが、確かキングサーモンのガイドの話で「言うことをよく聞いてくれる女性や子供は釣れるけど、彼氏旦那はダメだ」みたいなフレーズがあって、僕は名前も覚えてないそのガイドの”言いつけ”を結構守っている。

多分ヨネ氏の釣ったすぐ後だったと思う。流れが寄っている岸際にルアーを落とすと着水と同時にバイト!だけど乗ってない。なんだかその後も何かを探しているのが食べているのかボコッとボイルしている。すぐさま投げ直し少し流れたところでまた食ってくるレインボー。まだ釣ってないけどもう好き。ファイトも強烈でした。連続でこんな釣れ方、そしてこのクオリティの魚。こんなことある?

ヨネ氏に無事にランディングしてもらい、初「真面目レインボー」をしっかりと観察。
口周りはオレンジでもゴールドでもブロンズでもない何とも言えない色付きをしていて、それがそのまま鰓蓋まで伸びたような美しすぎるワイルドレインボー。確かに関東でも素晴らしいレインボーは釣れるしサイズもいい。中にはまるで北海道クオリティとか海外レベルなんて揶揄される魚だって釣れるけれど、これはよくお国柄とか何人(なにじん)だからどうとかじゃなくって、彼・彼女はどうかって話。そう、とにかくこの魚が素晴らしいのだ。こんな魚に出会えるなんて本当にありがたい。ヨネ氏とまだぎこちないハイタッチを交わした。

美しいレインボーとサプライズゲスト

一本満足系の釣りが好きな僕はこれで満足して退渓しそうになりましたがそうは行きません。ここからミノーを中心に釣りを展開し、なかなかサイズは伸びないものの美しいレインボー達に癒されます。是非詳しい様子はノースアングラーズTVの動画を見て頂けたら嬉しいのですが、終始ここぞというポイントにはしっかり魚が付いている感じで、夏の渓流釣りを満喫できたと思います。

取材だったこともあってあまり自分で写真を撮らなかったのですが、トラウトフィッシングの魅力の一つはやはりその「個体差」でしょう。僕は釣り方どうこうよりそういうのを観察する方が好きだったりするのですが、同じレインボーでも全然違う顔つきだったり、斑点の散らばり方に偏りがあったり、釣り飽きません。

お互いカーディフストリームプレミアムのスピニングとベイトで

そんな中レインボーに混じって意外なゲストが登場。なんとオショロコマ!と思いきや、どこか違和感がありヨネ氏曰くどうやらアメマスとのハイブリッドではないかと。この少し前にヨネ氏もオショロコマを釣っていて、しかもこの川で釣れるのは初めてだそう。サイズは可愛かったけどイワナ好きの僕としては嬉しいサプライズでした。水深はそんなにないのにかなり流れの効いた川で、岩盤にある深いスリットにどうアプローチできるかがポイントでしたが、リフレイン50Sの沈下速度とレスポンスがいい感じにハマっていました。

確かに背中の感じなんかはイワナっぽい不思議なオショロコマ

まだまだ釣りたかったのですが無事ロケも終了し、なんたって午後の日差しが強烈。北海道もこんなに暑くなるんですね。
帰りにヨネ氏と十勝名物の豚丼を食べながら、「明日はどうしましょうかね?」
なんだかまだ釣りがしたい二人は翌日も行くことに...(笑)

「とんび」さんの豚丼。特大にして良かった〜(笑)

エキストララウンドは雨時々虹

元々の予報ではロケ日に降るかもしれなかった雨が翌日に後ろ倒しされた感じで、この日は朝から割と強烈な雨。晴れ間を狙って水辺へと繰り出します。むしろ暑い日が続いているらしかったので、雨の恩恵で何か大きな変化が起きないかなぁと期待してしまいます。

まぁそんな釣り人の期待には絶対に答えてくれないのが自然なので、川に着いてみるとヨネ氏曰く通常運転の流れ。それでも水面には生命感があるのでトップから始めてみると、答えはすぐに返ってきました。流れの早いところでしか口を使わない割に、ラインでルアーが不自然に引っ張られてしまうと口を使わないテクニカルな展開でしたが何度目かのトライで無事にキャッチ。昨日の魚とはまた雰囲気の違う銀色の魚体が美しいレインボー。

川幅が少し広くなったのでロッドをストプレS60ULに変えて
Yonez撮り、担当させていただきました

台風でも来たのかというほどの大雨になり、一旦車に戻りコーヒーを飲んだり昼寝をして過ごし、雨が止んだタイミングで川に戻ります。流石に今度こそ雨の恩恵で水量も程よく上がり魚の活性も上がっているはず!と期待しましたが、当然そんなものに答えないのが自然です。練乳入りのベトナムコーヒーみたいになってしまった川を見て、なんだか清々しい気持ちでフィールドを後にしたのでした。

今まで秋に照準を絞ることが多かった北海道遠征ですが、
夏のレインボーも最高に楽しかったので来年からまた忙しくなりそうです。
やっぱり旅はやめられないなぁ。

TACKLE & EQUIPMENT タックル&装備

使用タックル
ルアー:リフレイン50HS
ロッド:カーディフストリームプレミアム S54SUL
ロッド:カーディフストリームプレミアム S60UL
リール:ヴァンキッシュ 2500SHG
リール:ステラ 2500SHG
ウェーダー:DSストレッチウェーダーPRO Z ソックス
シューズ:ジオロックウェーディングシューズPRO フェルト

カメラ:GR3(RICOH)
※一部写真はiPhone使用

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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