カーディフ ストリームプレミアム

時に激しく、時に優しく。ひとつとして同じ流れが存在せず、そしてまた刻一刻と変化し続ける川に生きるトラウトを相手とする釣りは、どうしてこうも楽しいのだろう。清らかな流れに磨かれたワイルドな１尾の輝きと逞しさに魅せられて、渓流・源流・中流・本流のさまざまな川を旅するアングラーに贈る特別なロッドシリーズが『カーディフ ストリームプレミアム』。複雑で変化に富んだ流れの中で、ライン先端のルアーとアングラーが心を密に通わせられる操作性、狙う筋を外さないキャスト性能、さらに水流を受け躍動するトラウトとファイトすることの喜びを突き詰めた新たなカーディフの精鋭だ。

風景に溶け込むブランクスカラー

渓における主役は、年輪を重ねた大木、薄く青色に透き通った流れ、そして美しい魚たち。だから『カーディフ ストリームプレミアム』は、おのずと煌びやか過ぎない落ち着いたトーンのロッドに仕上がった。ブランクスカラーは風景に溶け込むブラックで、バットに目をやれば金色のロゴがひかえめに光る。それでいて、バットエンドからロゴにかけて施されたシルバーのグラデーションが、これまでのカーディフシリーズにはない個性を主張。その輝きは早朝の川面を覆う朝靄のように淡く、フィールドで静かなることを日々学ぶトラウティストが手にする道具にふさわしい気品を与えている。

鱒にはあたたかな天然木が似合う

緑豊かなフィールドで使うトラウトロッドのグリップには、やはりウッド素材がマッチする。リールシートにはどんな状況においても手にしっくり馴染み、そして目に優しい天然木を使用。さらにアクセントとしてグリップエンドに同じ天然木のリングを配置し、番手によって最適化された長さ・くびれ形状のコルクグリップの質感を引き立たせた。S48UL-G/4～S64Lでは天然木リールシートを細目にシェイプし、握りやすさを追求した点もこだわりだ。また、コルクグリップは適所を圧縮コルクで補強し、全モデルで長く使い込める耐久性を確保。フィールドで共に過ごした「時」の濃密さを経年変化で楽しめる。

渓を写し込む金属製パーツ

ロゴを刻印したエンドバッジやフロントグリップのワインディングチェック、リールシートの構成パーツにはアルミを採用。これら金属製パーツの魅力は光量に応じて明暗のグラデーションが生じ、なおかつ深い谷に潜り込めばゴルジュの岩肌を、頭上の開けた中流では爽やかな青空をそれぞれ写し込むことだ。釣り上げた１尾と並べるとロッドが違和感なく景色の一部となり、トラウトの美しさを際立たせる。またリールシートのアルミパーツには、カルカッタコンクエストBFSと同じ色を使用。これまでにないタックルの統一感を実現させた。

高精度キャストを叶えるスパイラルXコア＆ハイパワーX

止水と違い「流れ」の釣りでは着水点のわずかなズレがトレース軌道に決定的な影響を与えてしまうから、ロッドには優れたキャストアキュラシー性能が欠かせない。『カーディフ ストリームプレミアム』ではスパイラルXコア＆ハイパワーX構造で、キャスト時のブランクのつぶれ・ネジレを徹底排除。どの角度から腕を振ってもネジレることなくロッドが振り抜け、なおかつリリース直後のティップのブレ幅が抑制されるため、狙いのスポットにまっすぐルアーが届く。小場所を連続で撃ち続ける状況でも、あるいは喰い切れなかった1尾に対し同じトレースラインでセカンドバイトをねらう場面においてもリリースポイントが常に安定。正確で再現性の高いキャストが容易だ。

ティップのしなやかさと軽さも、ロッドのアキュラシーキャスト性能を大きく左右する要素。そこで全モデルのトップガイドを除くティップ部分に、頑丈でなおかつ軽いXガイドを採用。キャスト時のルアー自重が手元でクリアに感じ取れるため、解放へと向かうティップの反発に合わせたジャストタイミングでのリリースが可能だ。また、中〜本流域用スピニングのS64L、S72L、S74MLに関しては、フレーム断面をラウンド形状にすることでキャスト時の空気抵抗を抑えたXガイドエアロを選択。向かい風のなかキャストを続ける厳しい状況でも腕に疲労が蓄積しにくく、空気を切り裂く極上のキャストフィールが味わえる。Xガイド、Xガイドエアロともに糸絡みしにくい設計でトラブルも少ない。

今回は4ピースパックロッドも２モデルラインナップ。いずれもブランクの贅肉となる樹脂が少ない「UDグラス」を採用したグラスコンポジットロッドで、グラスらしい粘りとしなやかさの中に同シリーズ共通の優れたキャストアキュラシー性能を絶妙にブレンド。UDグラスだから実現できた軽量ブランクが生む、ダルさを感じさせない振り味が特徴だ。手首を返すだけの小さな入力で十分にしなり、軽量ミノーと特に相性が良い。コンパクトなフォームでも初速のあるライナーキャストが自由自在に行え、キャストスペースが確保しにくいボサ川や源流で真価を発揮する。ヒット後の曲がりも、もちろん美しい。

ベイトリールの使用が一般化した現状を反映し、源流～本流までの各レングスにベイトモデルを準備。丸型・ロープロのタイプにかかわらず、そしてまた１フィンガーでも３フィンガーでも操作しやすい「シームレスファイティングシートCI4+」を全モデルに搭載しており、従来のトラウト用ベイトロッドとは一線を画したストレスのないグリッピングが魅力だ。同リールシート構造の特徴は、高剛性かつ軽量なCI4+素材を用いて滑らかなシェイプを形成したことに加え、フロントスライドフードがシート本体形状に沿ってオーバーラップすること。手に当たる継ぎ目が存在しないから握った際のノイズがなく、退渓まで痛み知らず。目の前の流れ、魚たちとの駆け引きに没入できる。

S54ULとB54ULは軽重さまざまなルアーの操作性とアキュラシーキャスト性能、遠投性能を高次元でバランス。なかでも４g前後のヘビーシンキングミノーを用いたアップの釣りを得意とする、渓流域で最もバーサタイルに活躍するモデルだ。S54SULとB54SULは、バルサなどの軽量ルアーやスローシンキングミノーなどの扱いに長けたカーディフのネイティブ専用シリーズとしては初のスーパーウルトラライトパワーアイテム。ベリー～バットにかけてしなやかに曲がる調子になっており、なおかつ高感度だからラインスラックを駆使した繊細なドリフト釣法にも好適。浅掛かりの魚もバレにくい。S48UL-G/4とB48UL-G/4はグラスコンポジットの4ピースパックロッド。柔軟性を求めるグラスコンポジットロッドのデメリットであるキャスト時の竿ブレ、ルアー操作時のダルさといった欠点を改善させるため、UDグラスにスパイラルXコア＆ハイパワーXを組み合わせた。

S60ULとB60ULは尺上のヤマメとアマゴ、さらに40cmオーバーの戻りヤマメやサツキマスを渓流～中流域でねらうために開発された２モデル。シビアな大型を軽量ミノーで繊細に誘えるソフトティップと6cm前後のヘビーシンキングミノーをダウンで扱えるハードベリーを融合させたブランクスが特徴で、小規模河川のニジマスにも対応する力強さを秘める。S64LとB64Lはより開けた渓流～本流での大型ヤマメ、サツキマスがターゲット。50cmクラスのニジマスにも動じないパワーと粘りがあり、なおかつミスバイトを減らすしなやかさをティップに持たせた。取り回しのよさが求められる湖の攻略にもマッチする。

大型ヤマメとサツキマス、さらに50cmクラスのニジマスからサクラマスまでを視野に入れた中流～本流ロッドがS72L。適度な張りを持たせつつもティップに貴重なバイトを弾かない「ソフチューブトップ」設計を採用した。S74MLとB74MLは本流サクラマスや大型ニジマスに照準を定めたビッグトラウトモデル。ミディアムダイバー、スプーン、バイブレーションといったルアーを、軽快な7’4”レングスでイメージどおりに操作可能だ。トゥイッチでミノーをヒラ打ちさせて、スレたモンスターのリアクションを誘う釣りにも適している。ブランクスは、PEラインの使用を想定しベリーからバット部分に適度なクッション性を持たせた新設計。ベイトモデルのB74MLはベイトリールの巻き上げ力と相まって、ディープダイバーをダウンで急流に送り込む釣りも難なくこなす。