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2025/03/18

コラム

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数グラムの違いで変わる魚の反応。佐藤文紀が晩秋の犀川でシビアなビッグレインボーに挑む。

数グラムの違いで変わる魚の反応。佐藤文紀が晩秋の犀川でシビアなビッグレインボーに挑む。

長野県にある犀川ではニジマスの放流が行われており、そのキャッチ&リリース区間では1年中トラウトを狙って釣りを楽しめる。今回はシマノフィールドテスターの佐藤文紀が秋に実釣した時の様子を紹介。ルアーに対してシビアな反応を見せるニジマスを、流れの速い川でどのように攻略したのだろうか。

たくましい大型のニジマスが狙える犀川。年間を通してトラウトフィッシングが楽しめる場所。

犀川は、長野県を流れる信濃川水系の一級河川。日本で5番目に高い山とされている槍ヶ岳が源と言われており、豊富な水量に恵まれた川である。そして、犀川ではニジマスの放流が行われているエリアがあり、そこは1年中ニジマスを狙って釣りが楽しめる。禁漁期間が気になるトラウティストにとってはありがたい場所だ。

そこは速い流れに広い川幅が特徴で、本流釣りさながらの様相を呈する。佐藤さんが「かつて私もいろいろな雑誌やテレビで取り上げられているのを見ました」と語るように、そこではたくましく育った大型のニジマスを狙えるのが魅力の釣り場だ。

シーズンを通して多くの釣り人が訪れる人気の釣り場で、皆この大型のニジマスの釣果を求めて遠方から足を運ぶのである。

今回、佐藤さんが訪れたのは11月中旬。多くの川が禁漁期間となる時期だが犀川は年間を通して楽しめる。

今回、佐藤さんが訪れたのは11月中旬。多くの川が禁漁期間となる時期だが犀川は年間を通して楽しめる。

期待高まるシチュエーション。朝マズメから実釣スタート。

そんな犀川に挑むとあって、普段はサクラマス釣りに勤しんでいる佐藤さんは、釣り場を前にしてどのように感じるのだろうか。「乳白色の水の色は、春先によく見られる雪代水みたいですね」と佐藤さん。さらに「程よく濁っている方が魚の警戒心も薄れて釣りやすいと感じます」とのことで、水の色に対しては好感触を抱いた様子だった。

また「とても流れが速いので、この流れをどうやって攻略するかこれから見極めたいと思います」と意気込みを語ってくれた。こうして準備を終えたら実釣を開始。朝マズメのタイミングからスタートすることとなった。

白濁した乳白色の水の色が特徴。魚の警戒心が薄れるのでクリアすぎるよりは釣りやすいと佐藤さん。

白濁した乳白色の水の色が特徴。魚の警戒心が薄れるのでクリアすぎるよりは釣りやすいと佐藤さん。

広い川幅に速い流れも特徴のひとつ。流れを見極めてルアーを繊細に操る技術が求められる。

広い川幅に速い流れも特徴のひとつ。流れを見極めてルアーを繊細に操る技術が求められる。

ニジマス釣りにはどれだけ当てはまる?サクラマス釣りの経験から考察してみる。

また朝のタイミングで、佐藤さんが釣り場で意識していた要素のひとつが太陽光だ。今回のポイントは渓谷のようになっているので、晴れていても川に光が射すまでに時間がかかる。「サクラマス釣りでは光が射したタイミングでヒットしてくることも多いです」と言うように、これはニジマスにも同じことが当てはまるのではと考えた。

まずはスプーンをアップにキャストしたら下流へ流しながら反応を確かめていく佐藤さん。そして期待していた太陽光が川に差し込むタイミングが訪れたが、残念ながらここではヒットに至らなかった。

「そう簡単にはいかないですよね」と気を取り直して反応を確かめていく。時折立ち位置を変えたりしながら広範囲に探ったものの、反応が得られないのでポイントを変えることとなった。

太陽光が川に射すタイミングでヒットすることも多いと佐藤さん。期待が高まるタイミングだったが今回は反応が得られなかった。

太陽光が川に射すタイミングでヒットすることも多いと佐藤さん。期待が高まるタイミングだったが今回は反応が得られなかった。

ポイントを変えて見え始めた光明。ヨレを狙ってニジマスのチェイスあり。

こうして釣り場を変えた先は、全体的に水深が浅いものの川の中心に太い流心があるポイント。「流れのヨレを意識して狙ってみます」とのことで、ルアーをしっかりと見せて喰わせて攻略することにした。

これで魚がルアーを追いやすくなったのか「チェイスしてきました」と佐藤さんの声が上がる。さらに繰り返し狙うとまたチェイスがあるものの、残念ながらヒットには至らない。

「チェイスしてきますが、そこから喰い付かせるためのスペースがどうしても足りないですね」とのことで浅い水深がネックになっているようだった。こうして1日目はノーフィッシュ。キャッチとまではいかなかったが、魚の反応は得られたのでよしとして翌日に備えることとなった。

ポイントを変えた先では流れのヨレを中心に狙った。足元でチェイスがあり慎重に探っていく。

ポイントを変えた先では流れのヨレを中心に狙った。足元でチェイスがあり慎重に探っていく。

反応はあったものの水深が浅くてヒットまでは至らない。初日に反応が得られただけでも良しとして、翌日に備えることにした。

反応はあったものの水深が浅くてヒットまでは至らない。初日に反応が得られただけでも良しとして、翌日に備えることにした。

ダウンクロスでの狙い方に変更。ついに始まるニジマスとのファイト。

迎えた翌日は、朝から1日目に反応のあったポイントへ向かう。しかし引き続き朝の太陽光を意識して様子を確かめるも反応がなかった。

悩んだ佐藤さんは、最初の川幅が広く流れの速いポイントへ戻ることにした。「今度は所々に大きな岩が沈んでいるのでその周辺を重点的に狙っていきます。誘いもダウンクロスにして魚に対してなるべく長く見せられるようにしてみますね」とのことで、ルアーをダウンクロスにキャストしたら、ロッドを立ててラインテンションを張り気味にして誘った。この時、ルアーは川の流れを利用して泳がせている状態で、移動距離が少なくなるべく同じ場所に留めておくような誘い方となる。

そして夕マズメを迎えた頃。スプーンで誘っていた佐藤さんの竿先がグーッとしなった。それを感じ取った佐藤さんは即座にアワセをいれる。「よし!喰った!」このヒットの合図を皮切りに一気に「カーディフ ストリームプレミアム S74ML」が弧を描いた。流れの勢いも加わって強烈な引きを見せる魚。

それでもじわじわといなしながら落ち着いて距離を詰めることに成功した佐藤さん。タイミングを見計らって見事にネットインすることに成功した。

ダウンクロスにキャストしたら川の流れでルアーをアクションさせる。なるべく1箇所にとどめて長く見せる作戦に変更した。

ダウンクロスにキャストしたら川の流れでルアーをアクションさせる。なるべく1箇所にとどめて長く見せる作戦に変更した。

ついに捉えたアタリとヒットの瞬間。魚が強烈に暴れるもののロッドがそれをいなしてバラシを防いでくれる。

ついに捉えたアタリとヒットの瞬間。魚が強烈に暴れるもののロッドがそれをいなしてバラシを防いでくれる。

スプーンの重さを微調整。細かい工夫が貴重な1匹につながる。

釣り上げたのは立派な体格をした50cmクラスのニジマスだ。キャッチした直後にフックが外れたのを見て「危なかったです。ロッドの性能がバレるのを上手に防いでくれましたね」と佐藤さん。適度な張りを持たせつつも、必要十分なパワーを兼ね備えているのが「カーディフ ストリームプレミアム」の魅力だと教えてくれた。

さらに「スプーンの重さを微調整していました」とのことで、ボトムのスレスレを丁寧に狙える重さを意識して狙ったとのこと。今回ヒットしたのは12.8gのスプーンで、佐藤さんはポイントの流れや深さに応じて重くしたり軽くしたりしていたと教えてくれた。

まさに流れを感じて、自分の工夫が功を奏した展開だった。また貴重な1匹に繋げるために、小さな違いを意識することの大切さを実感していただけたと思う。犀川のニジマス釣りは年間を通して楽しめるので、四季折々の違いを感じながら、ぜひ足を運んでみていただきたい。

貴重なチャンスを見事にものにした佐藤さん。ここ一番で悔しい思いをしないためも信頼できるロッドは欠かせない。

貴重なチャンスを見事にものにした佐藤さん。ここ一番で悔しい思いをしないためも信頼できるロッドは欠かせない。

大きなヒレに立派な体高。ビッグレインボーの名に恥じない見事な体格の1匹であった。

大きなヒレに立派な体高。ビッグレインボーの名に恥じない見事な体格の1匹であった。

今回使用したスプーンたち。ヒットしたのは12.8gで、他には15.8g、18g、20gを使い分けていた。

今回使用したスプーンたち。ヒットしたのは12.8gで、他には15.8g、18g、20gを使い分けていた。

プロフィール

佐藤 文紀(さとう ふみのり)

フィールドテスター

プロアングラー。国内外のロックフィッシュゲーム全般およびサーモン・トラウトフィッシングの双方に精通。ロックフィッシュにおいては黎明期からシーン最前線で活躍するパイオニア。世界記録・日本記録も多数保持する。トラウトは渓流・本流・湖・海まで幅広く、なかでもライフワークでもあるサクラマス釣りは歴30年を超える。

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