2024/10/15
コラム
アメマスを求めて渓流へ。道東エリアでポイントを選ぶ時に意識したこと。
こんにちは!
北海道でトラウトをメインに夫婦釣行をしております矢野元基です。
今回は、北海道ではルアーフィッシングの対象魚としてポピュラーなアメマスを真夏に狙った釣行について綴りたいと思います。
道東エリアの渓流の特徴。初めてのポイントに友人と挑む。
8月中旬の南海トラフ臨時情報による呼びかけが終了し世間が胸をなでおろした翌日、全道的に30度超えの猛暑が続く中、冷涼な気候を求め向かうは道東・根釧台地の渓流域。自然豊かな北海道と言えど、河川開発は積極的に行われてきました。そのため、人の手で直線化し、護岸が施された河川が目立ちます。
しかし、北海道は東へ行けば行くほど未開発の河川が多く、釧路以東の河川はカーナビ上で見るとよくわかりますが、激しく小刻みに蛇行しています。すなわち、深みが連続する自然河川であり、胸が高鳴るロケーション。
今回は地元に帰省している友人と行った事のない流域に挑みました。9時前に入渓し、昼前には納竿する予定です。入釣地点から小さなヤマメがポツポツと釣れ、魚影は申し分なさそう。しかし、アメマスの姿はしばらく現れず、エリアをまちがえたかと不安が過ります。
大型のアメマス対策に。シングルフック1本でサイズを大きくして対応する。
ここで小話ですが、アメマスは場所と釣り方を問わなければ四季を通し道内全域で釣ることが出来ます。私も幼少期から自転車で行ける範囲の川や海で手軽にたくさん釣れる大きなトラウトとして親しんできました。ルアーの激しい動きに好反応を示し、「アクションで魚を釣る」ということを覚えさせてくれた魚です。
冷水を好む魚のため、真夏に釣るには渓流域か、一部の海に限られてきます。季節に応じ入るエリアを選ばなければなりません。食性として、貪欲に口に入る生き物は何でも食べますが、「魚食性が強い」ことが特徴。習性は瀬で積極的に餌を追うよりも淵やエグれ、ストラクチャー周りの深場に隠れつつ、至近のベイトにアタックをします。そのため、渓流域で狙う場合は「シンキングミノーが有利」に感じます。
重い流れの中で任意の水深まで素早く沈められるカーディフ「リフレイン」シリーズはアメマス狙いにも最適。今回はリアにシングルフック1本で挑みます。50センチを超えるサイズも多いことから、フックのサイズを標準より2サイズ上げ、フックの伸びと飲み込み防止をしています。
深場を狙ってヒットを連発。神経質なアメマスを反応させたフォールアクション。
どうやら前日に人が入った形跡があり、魚からの反応は渋め。ここぞという淵やストラクチャーから反応はなく、竿抜けを探す必要がありそう。いかにもというポイントを数箇所経て、水深2mほどの淵に到着。妻がカーディフ「リフレイン 45XS BOTTOM Spec」アルミチャートGを淵の先にアップクロスでキャストし、淵のボトムまで沈めるように流れの中をドリフトさせている最中のヒットでした。
45ミリサイズに6.2グラムとヘビーな小粒形状のため流れを切って素早く沈むが、空気室がしっかり確保され軽やかに違和感なき動きでフォールする「BOTTOM Spec」の利点を活かした釣り方です。45センチ弱の太くコンディションのよい魚体は針を外すと大きくジャンプをして流れに消えました。
すぐに友人にも同じサイズのアメマスがヒット。私も「リフレイン50HS」アルミピンクOBを淵先へクロス気味でキャスト。ボトムを探るためフリーフォールでラインを送り出していると目で追っていたルアーが中層で止まり違和感。安定して左右に体を振りつつフォールをするリフレインが中層でピタリと止まるということは、魚が咥えているはずです。すかさずベールを返し合わせるとヒット。魚体は水色とうまく合わさり視認出来ませんでしたが、ルアーの動きを見ていたのですぐに合わせることができました。
北海道ではアメマスを含み全体的に河川でトラウトを狙う際はチャートやピンクが定番。魚からの反応も良いですが、「ルアーがどこにあるか」が見えやすいカラーてして人気がありますし、私も多用します。
その後もポツポツと小型から40センチ弱のサイズが釣れますがサイズが出ません。
ついに捉えた良型の反応。逃げ込んだカバーへ慎重にアプローチ。
もう少し大きなアメマスを見たいと思っている矢先、クロスでキャストした倒木のカバー下から50センチクラスがチェイス。
ルアーを見切り、すぐにカバー下へ戻りましたが「ルアーへの追随距離が長く勢い」もあったため、「これは釣れる」とすぐにキャスト。
カバー下へルアーを送りこむようにメンディングし、ベールは返したまま左手でスプールを押さえラインを張り、流れの中でリフレインをバタバタとしっかり動かしてカバー下のアメマスに3秒ほど見せます。アメマスは確実にリフレインを見ているでしょう。
しっかり見せたというタイミングで左手で抑えたスプールを緩め、ラインを放出します。すると、リフレインはナチュラルドリフトに移行しますが、これがアメマスを反応させる肝。流れの中でバタつきつつステイしていた獲物が急に下流へ流されてしまうと、リーリングするルアーを見切った魚もたまらずに反応します。
ラインにテンションが掛かっていないため、すぐにベールを戻し、素早くラインを巻き取りフッキングしましたが、頬の横にフックが外掛かりしたよう。強引なファイトをすると魚体に負担がかかるため、時間を掛けやや慎重にファイトしランディングしました。
昼頃まで釣り上がる予定でしたが、2時間ほど釣り上がったところで友人が竿を折り納竿。人が入った後のエリアでも、丁寧に探るとそれなりに釣果もあり、大変楽しめました。
アイヌ民族の口碑伝説。各地でアメマスが暴れたときは。
最後に、アイヌ民族の口碑伝説において、道内各地でアメマスが暴れると地震がおきると言い伝えられてきました。その内容は道央の支笏湖や道東の屈斜路湖など火山の噴火によって形成されたカルデラ湖に住まうアメマスを地震に結びつけ伝承されてきたことから、俗信ではないという感覚になります。
他にはナマズについても、古から地震に関連付けて語られてきました。高校生の頃、レッドテールキャットフィッシュを飼っておりましたが、2003年の十勝沖地震の前日に大暴れをして250ℓの水槽から水が大量に溢れたことがあります(翌日の地震でそれ以上に溢れましたが)。
その時以外にも大きな地震が起きる前にはよく暴れていたため、魚と地震を結び付けた伝承は信じております。かつて、アイヌ民族の方々は地震の前にアメマスの異常行動を目撃していたのかもしれません。
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