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マリモむす霜降の阿寒湖

サポートアングラーの矢野元基です!
阿寒湖は北海道が誇るネイティブのアメマスとサクラマス、放流魚でありながらワイルド化した圧倒的なパワーのニジマスが生息しており、それらを狙った釣行を紹介したいと思います。

阿寒湖の歴史について

「トラウト王国」として知られている北海道においても、自然の豊かさと魚影の濃さという点で道東エリアは別格。その中でも特筆すべきフィールドがマリモの生息する湖として、全国に名を知られる阿寒湖。阿寒湖は景勝地として観光の拠点でありながら、北海道で最も魚影の濃い湖のひとつで、移植種ではない本物のヒメマスの原産地としても知られている。北海道の自然が開発とともに変貌していく中、この雄大な自然を守り続けている前田一歩園財団のおかげで、阿寒湖周辺には昔と変わらない森と水が今もなお残っている。

阿寒湖畔エコミュージアムセンター
チュウルイ島のマリモ展示観察センターにて

阿寒湖は隣接する屈斜路湖、摩周湖とともに、火山活動によって生じたカルデラ湖。狭い範囲に3つもの火山を抱える湖が存在するこの地域は、世界的にも珍しく、10~15万年前、現在の阿寒湖がある場所には阿寒火山と呼ばれる大きな活火山があり、盛んに活動していた。大量の火砕流を繰り返し噴出した結果、やがて地下に空洞ができて陥没。そこに水が溜まって古阿寒湖ができた。この頃の阿寒湖は隣のペンケトー、パンケトーも含んだ巨大な湖であったと考えられており、1万年ほど前に雄阿寒岳が古阿寒湖を東側で堰き止めるような形で噴出し、その後、現在の阿寒湖、ペンケトー、パンケトーの姿に分断されたといわれる。

阿寒湖の釣りの魅力として、阿寒湖漁業協同組合が北海道でいち早く釣り場管理に取り組み、日本のゲームフィッシングの指針を作った。そのため北海道にある湖の中でも安定した釣果が望めるフィールドとなった。遊魚時間は日の出1時間前~日没後1時間後。遊魚料は日券1500円、1本の竿に1つの鈎(シングル&バーブレスフック)がルール。

昨年までの秋冬シーズンの阿寒湖釣行を振り返り

阿寒湖で初めて釣りをしたのは2年前の10月末。開始1投目から妻に大型のニジマスがヒットしラインブレイク。跳ねやもじりが湖面いっぱいに広がり、我々アングラーなら歓喜する光景が。初日からアメマスやサクラマスなど複数匹をキャッチ。その魚影の濃さに驚いた。

その後、釣りビジョンのロケなどを含め秋シーズンに何度も通ったが、私が釣れなかったのはノースアングラーズTVロケの日のみ(妻が良型のアメマスを釣ってくれて助かった・・・)だった・・・。行けば複数匹釣れるという、ホームフィールドであり中々釣れてくれない支笏湖とは随分と異なる湖という印象。

ノースアングラーズTVのロケで出た良型
ウインドリップスティック90Sに出た良型サクラマス
同じくウインドリップスティック90Sにて
ジグに出た金色のアメマス

ヒットパターンは、ベイトを中心に考えるとワカサギが重要な鍵となる。秋、9月に入るとアメマスは産卵のため河川を遡上し、その産卵が終わる10月下旬頃まで、湖の主役はニジマス。湖ではワカサギ漁が行われているが、これが始まるとニジマスたちが良く釣れるようになる。それ以外の時期でもワカサギは頻繁に捕食されるベイトでパターンとして重要。10月に入ると朝晩は一桁台に気温は下がり、「毛嵐」と呼ばれる湯気のような霧が発生する日も。この時期は早朝にワカサギ漁が行われ、その網からこぼれる弱ったワカサギがマス類に捕食される。よく肥えたニジマスの強烈なファイトは一度経験したら忘れられない。

釣りビジョンロケで良型ニジマスも
再生産されたヒレピンのニジマス
シマノロッド開発メンバーとの釣行にて

今年の秋シーズンは・・・

そんな阿寒湖だが、今年は10月の最終週の土日に釣行した。事前に調べた情報によると、水温は14℃から12℃ほどと高く、あまり調子がよくない模様。ニジマスは活発に餌を追う水温のため、ニジマスに期待か。

初日の朝イチ、気温はマイナス2度。湖畔には霜が降っている。8人ほどのアングラーが並ぶ人気ポイントに立つが、誰も釣れていない様子。スプーンやシンペンに反応はなく、午前8時頃21gのフルピンクジグに変えリフトアンドフォールで広く探っていたところ、駆け上がり付近の水草帯で力強いバイト。すぐにキツめのドラグが鳴り、良型ニジマスのヒットを確信。しかし、1発目のジャンプでバラしてしまった。目測50㎝ちょっとというところか。周囲を何度も盛大にジャンプして去っていった。

その後9時頃まで反応がなく、このポイントに見切りをつけ、宿泊先の宿から歩いていけるポイントへ。足下は岩盤で岸から20mほど駆け上がり直前までウェーディングできる。大きなワンドになっており、ワンドの左端へ入った。ちょうど風速3mほどの横風で、ワンドの右端(風上側)にはフライフィッシャーが7、8人。チャミング(ワカサギの撒き餌)をしているようで、魚の流れがこちらまで来ないかと淡い期待をする。11時頃から竿を振り始め、すぐに妻に小型のアメマスがヒット。21gのフルピンクジグを表層のリフトアンドフォールで、沖めのヒットだった模様。阿寒湖での今シーズン1匹の魚に喜びもひとしお。

今季の1本目

今日は目立ったカラーが良さそうとのことで、私もフルピンクのジグで表層をリフトアンドフォールで扇状に探るが反応がない。中層をリフトアンドフォールで手前の駆け上がりまで丁寧に探っていると、20mほど先でヒット。グネグネと魚体を捻るファイトはアメマスの特徴だ。あまり手応えはないが慎重にファイトしランディング。50㎝弱の産卵明け間もない細い魚体だった。

阿寒湖は景観が素敵

その後、反応が無くなり表層の早巻きでニジマスかサクラマスがヒットしないかと探っていると、14時半頃にサクラマスが釣れてくれた。小さいながらも精悍で体高のある立派なフォルム。シルエットは海サクラにも劣らない。紅葉の中に咲くサクラマスを記録できた。これに気分を良くし、夕食前に宿の温泉に入りつつお酒も飲みたかったため、この日は納竿とした。

体高のあるサクラマス

宿から徒歩で釣り場へ

阿寒湖の特徴として、ホテル街から釣り場や渡船乗り場まで歩いてアクセス出来るというメリットがある。特に、今回宿泊した御前水は宿の至近に車を駐車でき大変便利だ。

レイクビューで広い室内
この景観を歩いて釣り場へ向かう

2日目は午前5時半に宿を出発し、遊歩道を15分ほど歩く。どうやら、薄暗い早朝から気合いを入れて釣り場へ行くアングラーは阿寒湖では少ないらしく、一番乗りで昨日と同じワンドの左端に20mほどウェーディングして立つ。前日同様、ジグで広範囲を探る。6時半頃、妻がピンクパールのジグを回収直前(竿先30㎝)でアメマスがヒット。目下でのヒットによりランディングに苦労しそうだったので、すぐ横にいた私がすぐにネットイン。前日に釣れた細い魚体ではなく、大きくはないが産卵に参加していないと思われる太い魚体だ。

スポーニングに参加していない個体だろう

そして、突如ウェーディングしているポイントより10mほど陸側で激しいボイルが。浅いシャローでワカサギを追っているニジマスのようだ。水深はとても浅く太ももくらいか。これはヒットさせられる活性だ。20gのジグから急いで9gの赤金スプーンにルアーチェンジ。射程内に確実にいる高活性なニジマスには、水中を巻いた時に「より水押しが強く強波動」のスプーンで魚にルアーの存在を認知させていくアプローチが吉と考えた。まだ近辺にいるだろう。跳ねを基点にちょい投げで扇形に探った3投目で力強いアタリが。ニジマス特有の力強く俊敏なラン。良型だろう。立ち位置からヒット箇所は15mほどと近く、ニジマスもすぐにこちらの存在に気付き、右へ左へと逃げ回るが15秒ほどの短いファイトでランディングした。50㎝には満たないが、太いニジマスだった。ランディングと同時にスプーンが口から外れ、しっかりと写真を撮ろうとした矢先、逃げてしまった。

この1枚を残して逃走

時刻は7時半頃となり、宿の朝食を8時に設定していたので午前の部は終了し、宿に戻る。午後も竿を振ったがその後はランカーニジマスをバラし、小さなアメマスやウグイがポツポツ釣れる程度で、若干不完全燃焼の思いもありながら阿寒釣行は終了した。大物はまた次回来る時に釣ればよい。

コンパクトフィッシュプールで観察

秋冬の防寒について(レイヤリング編)

最後に、レイヤリングについて触れたい。北海道では10月以降、昼夜の寒暖差が激しく、特に高い標高に位置する湖では最低気温がマイナスになる日も珍しくないため、しっかりとした対策が必要。今季から下記のレイヤリングを着用したが、とても良かった。

ベースレイヤー(肌着)
・メリノウール アクティブウォーム インナーシャツ
・メリノウール アクティブウォーム インナータイツ
ミッドレイヤー(中間着)
・アクティブインサレーション ジャケット
・アクティブインサレーション パンツ

秋冬はレイヤリングを意識してほしい

防寒の基本はレイヤリング(重ね着)のシステムが肝。まず、肌着として選ぶべきものは保温性の高いメリノウールのシャツ。冷えの原因となる汗を吸収して肌から水分を離し、ドライに保つ目的で着る。肌がチクチクする感じが苦手な方は薄手のドライシャツなどを1枚挟んでもよい。そして、アウターの下にミッドレイヤーとして着用する中間着は、熱を溜める保温性の高さと動きやすさが肝心だ。今回着用した上記レイヤーは、釣具メーカーが作っただけあり、一般アウトドアメーカーでは開発時の材料とならない釣りに関する諸動作(投げる、巻く、たまに一部濡れる)が配慮された設計思想。

特に、アクティブインサレーションジャケットは「袖口」にとても嬉しい工夫がある。「極寒の釣りは袖口を守る」ことが基本。猛暑時に体温を効率的に下げるため、首筋や手首を冷やしたりはしないだろうか。末端で太い血管がある手首を冷やすと全身へ冷えた血液が巡り急速に体温が下がる。袖口の冷風侵入や濡れを防ぐことは、ずばり全身の体温維持に繋がる。アクティブインサレーションジャケットの袖口は伸縮性と撥水性を兼ね備えた特殊なニット素材であり、外気が入りにくく、水が中綿に染み込みにくい設計。魚のリリース時や風雨にも心強い寒冷地仕様のミッドレイヤーで、とてもおすすめできる。

2年前のグッドショット

TACKLE & EQUIPMENT タックル&装備

使用タックル
<私のタックル>
ロッド:カーディフモンスターリミテッドDP93ML
カーディフネイティブスペシャルS83ML
リール:ステラC3000XG
ヴァンキッシュC3000XG
ルアー:ウインドリップ95S 各色
ルアー:スプーン9g、ジグ21g
ライン:ハードブル+ 0,8号
リーダー:ナイロン 8ポンド

<妻のタックル>
ロッド:カーディフモンスターリミテッドDP93ML
カーディフネイティブスペシャルS83ML
リール:ステラC3000XG
ルアー:ウインドリップ95S
ライン:ハードブル+ 0,8号
リーダー:ナイロン8 ポンド

<着用アイテム>
ウェーダー:DSストレッチウェーダーPRO Z ソックス
シューズ:ジオロック ウェーディングシューズPRO
ベースレイヤー(肌着):
・メリノウール アクティブウォーム インナーシャツ
・メリノウール アクティブウォーム インナータイツ
ミッドレイヤー(中間着):
・アクティブインサレーション ジャケット
・アクティブインサレーション パンツ
グローブ:ゴアテックスウインドストッパーフリースグローブ

<私のタックル>

<妻のタックル>

<着用アイテム>

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