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ウインドリップで挑む太平洋の大型サクラマス攻略

私は、結婚をきっかけに釣りを始めました。最初は道具の名前すらわからなかったけれど、今では海アメマスやサクラマスといったトラウトを狙って、季節ごとにさまざまなフィールドに立つようになりました。自然と向き合う時間、魚との駆け引き、そして一匹との出会い。釣りが教えてくれるたくさんの感動を、これからも自分の言葉で伝えていけたらと思っています。

太平洋で見つけた勝機

毎年楽しみにしている春のサクラマス釣り。
例年なら日本海のショアでの釣行がメインなのですが、今年はなかなか結果が出ず、キャッチできたのは2尾だけ。
「このまま終わりたくないな」
そんな気持ちがどこかにあり、流れを変えるつもりで太平洋側にある私が得意としている近所のポイントに向かいました。
6月に入り太平洋釣行で初日の朝、まだ薄暗い時間帯に主人の竿が大きく曲がり、サクラマスをキャッチ。
目の前で繰り広げられたそのシーンに、感動とともにちょっぴり悔しさもこみ上げてきました。

この日、釣れた主人の一匹

私の竿には…まさかのソゲ(ヒラメの幼魚)だけ。
もちろん嬉しい。でも、やっぱりあの銀色の魚体が恋しくて――。

私のソゲ。悔しさが、翌朝の原動力に

「次は私の番だ」

静かな海に跳ねた銀色の影

翌朝の海は、まるで鏡のように静かでした。
波の音も小さくて、聞こえるのは自分の足音と、時おり遠くで鳴く鳥の声。
薄明るくなって数投目のキャストを終えた直後、水面がパシャッと割れて、銀色の魚体が跳ねるのが見えました。

一瞬、息をのんで、跳ねた位置を正確に覚えておく。

選んでいたルアーは、ファットなボリュームの割に軽量で着水音が静かな「ウインドリップ95S」。警戒心が強い魚に効くルアーとして、ずっと信頼している一本です。
跳ねた位置に向け糸ふけがでないように丁寧にキャスト。キャストがきれいに決まり、ラインが直線にピンと張った状態で着水すると、その瞬間から狙ったレンジでルアーを沈むことなく動かすことができます。リールを2回転/秒のスピードで早巻きし、跳ねた位置を重点的に探るため着水後10巻きほどで見切ってルアーを回収。
というのも、この日の海の状況は水色が澄んでおり、ポイントの水深も浅め。サクラマスのレンジは表層にあると予測していたので、ルアーが沈みすぎる前に速い巻きで勝負をかける戦略をとっていました。

跳ねた位置に向けて3投目。
リールを3巻きほど早巻きしている最中、ふいに竿先がグッと引き込まれ…。その瞬間、ドラグが唸るように鳴りました。
ドラグの音が響いたあと、体が勝手に動いていたように思います。
テンションを抜かないように、でも焦らず、波のリズムを見ながら寄せてくる。

波打ち際に見えた魚体は、思わず声が出そうになるほど大きく、太陽の光を受けて、鱗1枚1枚がまるで銀色の鏡のように輝いていました。

波に乗せてなんとかランディング。
59cm2,8kgの堂々としたサクラマス。

跳ねに全集中し、ウインドリップが仕事をしてくれた

ウインドリップが繋いだ喜び

喜び以上のものが、静かに胸に広がっていきました。。ヒット直後からの一連のやり取りを思い返しながら、波打ち際に横たわるサクラマスを見つめていると、ようやく結果が出たことへの安心感と、これまでの試行錯誤が報われたような気持ちがこみ上げてきました。
釣果はもちろん大切ですが、そこに至るまでの過程があったからこそ、この瞬間の重みが何倍にも感じられたのだと思います。

後日、あの景色と感動が忘れられず、再び同じ場所へ向かいました。ルアーも同じ「ウインドリップ95S」をチョイス。跳ねを見つけて、跳ねた位置にキャストし早巻きで狙い通りのレンジとコースを丁寧にトレースしていくと、期待通りのタイミングでロッドに重みが。何度か突っ込まれながらも冷静にやり取りして足下まで寄せ、タイミングを見てランディング。無事にキャッチすることができました。

やっと報われた、その感触を噛みしめて

さらに別日には、カラーを変えてアプローチ。するとその日もサクラマスがしっかりと応えてくれました。

再び同じ場所、同じ方法で。偶然じゃない”確信”の釣果

主人もウインドリップ95Sで釣ったり、外道でグッドサイズのヒラメが釣れた

主人もその腕前をしっかり証明
予想外のゲストに思わず笑顔

ごほうびは、やっぱりラーメン

釣行後に立ち寄ったのは、北海道民のソウルフード「山岡家」。ラーメン好きの私にとって、釣りの後の楽しみの一つです。
朝から寒さとワクワクで張りつめていた体と心に、あの一杯がじんわり染みていく感覚――。

今回は、味噌専門店の白味噌ラーメン。
迷わずネギをたっぷりトッピングして注文。
席に運ばれてきたとたん、ふわっと香る白味噌の甘みとコク。
湯気に顔を近づけた瞬間、緊張していた表情が自然とゆるんでいきました。

北海道民のソウルフード

スープをひとくち。
その優しい味わいが、体の芯まで届いてくるようでした。
疲れも、悔しさも、あのヒットの興奮すらも――
一杯のラーメンの湯気の中で、静かに溶けていく。

思い返せばソゲしか釣れなくて、気持ちも沈みがちだった日でもこのラーメンの味は、変わらなかったと思います。

地元釣行では釣れたらラーメン、釣れなくてもラーメン。
それが私たち夫婦のサクラマス釣行スタイルかもしれません。(笑)

釣行後の疲れを癒やす至福の一杯

次は、道東の海で

サクラマスは、簡単には出会えない魚です。
でもだからこそ、一匹との出会いが特別になる。

今回の釣行で、あらためてサクラマス釣りが大好きだと感じました。自然の中で過ごす静かな時間や、釣れたときの感動。思い通りにいかないことも含めて、すべてがかけがえのない体験です。

太平洋の美しい夜明けとアングラーたち

次は、道東エリアへ。
まだ知らない海、まだ見ぬ一匹との出会いを楽しみに、また準備を始めようと思います。

釣りが教えてくれる小さな気づきや、大きな感動を、これからも大切にしていきたいと思います。

TACKLE & EQUIPMENT タックル&装備

使用タックル
ロッド:ディアルーナ S100M
リール:ヴァンフォード C5000XG
ルアー:ウインドリップ95S
メインライン:ハードブル8+ 1.2号
ショックリーダー:ナイロン20lb(他社品)

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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