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2024/08/21

コラム

渓流道具に求められる美しさとは ―25SS新製品ロッドから考える

渓流道具に求められる美しさとは

初めまして。カーディフデザイン担当の Speysideです。
今回の釣行は7月19日。 2025年発売予定の新製品、cardiff stream premiumというロッドを持参し、外観を確認してきました。

起 : 渓流道具に求められる美しさとは

早速ですが、皆さんが知りたがっている渓流道具に求められる美しさ、かっこよさはなんなのか?SNS, Youtube etc... いろいろな考え方、解釈が存在します。

実際の釣行もふまえて渓流竿の美しさとは何なのか、デザイナー視点でご紹介できたらな。と思います。

承 : 悠久の時とデザイン

基本的に私もそうですが、日常では釣りのことしか考えたくありませんし、釣りをしている時は一生この時間が続けばいいのにな。と思います。

渓流のシーンを思い浮かべてみましょう。

準備段階では、こんなん使えるかな?これ持って行ったらオモロそう!などずっと考えを巡らしますよね。今回の川はこのルアーかな?ラインシステムはこれがいいのかな?などなど。思考は尽きません。時には日々の業務が忙しく、現場で構築する時もありますが(笑)

釣行時には、水の流れ、木々のざわめき、光の変化、ストラクチャーの有無などを常時観察しながら釣りをします。川を進んでいくと岩肌や植物、魚以外の生命との触れ合いも醍醐味ですよね。特に、陽の光や水の流れは同じだといえるものは一瞬たりともなく、移り変わります。魚体もそうです。個性的な柄、捕食の仕方も千差万別。シーズンによっても変化し続けます。

つまり渓流釣りでは、思考・環境・釣り方・鱒たちが絶えず変化し続けるmovement が存在するということです。

今回はそこに着目しデザインを行いました。
多種多様な渓流釣りを取り巻くプロダクト。ズームアウトした際いかにミクロな多様性の中でも埋没しないか。その考えを可視化する一つの切り口が、最適化 と 飽きのこない変化でした。

monoな要素で統一し、偏りすぎない多様性を受け入れる器。そして細部には儚さがありつつも嗜好を駆り立てる精巧な仕立て。

変化し続ける 色彩 と 表面質感。 さらに薄らと控えめに浮かび上がるcardiff stream premium の文字は様々なシーンで存在感のあるものに仕上がっていると思います。

光量の差で変化するブランクス / WOOD部、金属パーツもシーンによって表情を変え、この先のドラマを予感させる。
光量の差で変化するブランクス / WOOD部、金属パーツもシーンによって表情を変え、この先のドラマを予感させる。

光量の差で変化するブランクス / WOOD部、金属パーツもシーンによって表情を変え、この先のドラマを予感させる。

転 : 鱒中心主義

以上を守ってもいいものは生まれません。なぜなら人視点だからです。

口癖のように言うのですが、一番の主役はやはり鱒なんです。釣行後、先ず話すことって魚との出会いだと思うんですよ。渓流釣りにおいて、人の記憶に真っ先に刻まれるのって釣り方、景色以前に美しい魚体じゃないですか?

つまり、“魚を蔑ろにしたデザイン” は違うのかなと。

時には釣り方やご時世的に派手/癖強でいくやつもあります。でも渓流ロッドは違う。そんな理想を妥協なく盛り込めたのが今回の外観です。朝も昼も夕方も。晴れでも曇りでも雨でも。常時自然体。ニュートラルに魚と寄り添う至高の存在に仕上がっています。

漆黒を纏う 気品を感じさせるピアノブラック / Premium の名にふさわしい 控えめなカーディフゴールド。 溶け込むというよりかは、調和が正しい。埋没しない、格式高い存在感が至高のバランスを生み出す。

漆黒を纏う 気品を感じさせるピアノブラック / Premium の名にふさわしい 控えめなカーディフゴールド。
溶け込むというよりかは、調和が正しい。埋没しない、格式高い存在感が至高のバランスを生み出す。

結 : 渓流美の哲学

型がない。すなわち多様性を内包できる懐の深さ、同調する美学こそが、日本の渓を渡り歩くアングラーにとって響く存在感なのではないかと。

映画鑑賞で例えるならば、サスペンス、ドラマ、ドキュメンタリー、バラエティなどなど多種多様なジャンルがあり、そこに対し広告、映像、効果音、役者達が最適配置されています。全ては、ストーリー=起承転結を最大限引き立てるためです。それにより、本来何もしなければ苦痛であろう180分近くの時間を 楽しい、ワクワクする と思うわけです。

結局道具も同じで、第一印象、面構成、色、仕立てが絶妙なバランスで絡みあい一つのものへ紡がれる。その絶妙なバランスが、皆様アングラーの釣行、冒険、そして人生をより豊かにする。と確信しています。もちろん言わずもがな2度と来ないその一瞬の魚との出会い、関わりもですが。その全てを引き立てる役割がデザインに求められる本質だと考えます。

そして使い込んでいくのはあくまでアングラーの皆様。今回の製品を現場で使っていただき、釣行時や想いを馳せる時間で、グッときたら・・・ それは、人生に寄り添う道具として、これ以上ない究極の美なのではないのでしょうか。

最後に企画、開発、インストラクターの皆様。コンセプトモデル通り作ってくださった製造の方々。いつも盛り上げてくださる宣伝企画の皆様。一緒に釣りに行ってくれるアングラーの皆様へ この場を借りて深くお礼申し上げます。ありがとうございました。

タックル&装備

ROD : 25 CARDIFF STREAM PREMIUM S54SUL
REEL : 19VANQUISH C2500SHG
LINE : PITBULL8+ IZANAS 0.8号 トレーサブルピンク

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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