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2025/04/22

コラム

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チヌフカセロッド鱗海in広島湾 百合野崇、内海通人、山口美咲が鱗海調子を味わう

チヌフカセロッド鱗海in広島湾 百合野崇、内海通人、山口美咲が鱗海調子を味わう

百合野崇さん、内海通人さん、山口美咲さんが、新しくなった『鱗海』を持って広島湾へ釣行。軽くしっかりしていながら柔軟に曲がるチヌフカセロッド、鱗海調子を存分に味わった。百合野さんは根ズレしながらも50cmクラスを0号53で引き出す。内海さんは0.6号53のブレを抑えた軟らかな曲がりで獲る。山口さんは0.6号50で5mのさばきやすさを再確認。同時に、3人によるチヌ釣りの魅力、様々なノウハウも語られた。

三人のアングラー

状況に応じて組み立てて釣ったチヌは思い出に残ると語る百合野崇さん。

状況に応じて組み立てて釣ったチヌは思い出に残ると語る百合野崇さん。

色々な釣法がある中でもフカセ釣りが最も楽しいという内海通人さん。

色々な釣法がある中でもフカセ釣りが最も楽しいという内海通人さん。

チヌ釣りは難しいからこそ喜びや達成感があるという山口美咲さん。

チヌ釣りは難しいからこそ喜びや達成感があるという山口美咲さん。

2024年11月3人のアングラーがチヌフカセロッドのスタンダードモデル『鱗海』を手に広島湾を訪れた。3人はチヌに魅せられたアングラーだ。
百合野崇さん:チヌの魅力はいろいろなフィールドで一年中狙えるところです。長年やっていてもわからない部分が多く、まだ学んでいる状態です。釣りを組み立てて釣ったチヌは思い出深いものです。魚体がカッコいいのも魅力ですね。
内海通人さん:マキエを投げて仕掛けを投入する一連の動作や、細く軟らかい竿が強烈な引きで曲がるのにハマって、これまで楽しんできました。いろいろな釣り方の中でも、フカセ釣りはどこでもできるのが魅力。今はフカセ一本です。
山口美咲さん:フカセ釣りは、仕掛けを組む、マキエを撒く、そこに仕掛けを合せるといった、いろいろな動作がある。そしてそれぞれに精度が求められる難しい釣りです。だからこそ、一匹に出会えた時の喜びや達成感がすごく感じられます。竿をめいっぱい曲げて引きを楽しむのも魅力です。

3人の語る鱗海

きれいなカーブでしっかり曲がってタメがきく。

きれいなカーブでしっかり曲がってタメがきく。

山口:新しい鱗海はよく曲がる竿ですね。
百合野:曲がりがきれいですよね。
内海:きれいに曲がってどこにも負担が掛かっていない感じで、細いハリスも使えるし、ショックを吸収して糸が切れにくい。硬い竿だと反発で魚が逃げよう逃げようとしますが、そのままスーッと上がってきます。上げてみたら大きかったということもあります。
百合野:しっかり曲げて怒らせず、ゆっくり時間をかければ50cmクラスも余裕をもって獲れる。
山口:竿の柔軟さで誘導できる。パワーも備えてますね。しっかり曲がってタメていると、チヌが勝手に浮いて、寄せてこられる竿だなと感じました。余裕でやり取りできる感じです。
内海:スタンダードモデルですけど、高級機種に引けを取らない仕上がりになってますね。

百合野崇①0号53に全遊動で

実釣は2024年11月の広島湾。チヌの魚影は濃い。

実釣は2024年11月の広島湾。チヌの魚影は濃い。

百合野さんの仕掛け。

百合野さんの仕掛け。

2024年11月上旬、広島湾へ。広島湾は手前が浅く、駆け上がりが遠いため、遠投がメイン。チヌの魚影は日本トップクラスだが、冬に向けて水温が下がっていく時期のため、エサ取りの活性に対しチヌの活性は低い状況だ。
百合野さんは、鱗海0号の53をセレクト。仕掛けはイラストのとおりで、ガン玉オモリ無しでスタートした。0号のロッドをセレクトしたのは、しっかり曲げて引きを楽しむためだ。
マキエを投入し、仕掛けを振り込む。ウキ止めを使わない全遊動で狙う。全遊動はすべてのタナが狙えるのがメリット。マキエの帯の中に練り餌を沈めていき、アタリがなければ底に這わせて探っていく。

百合野崇②軟らかい竿でかわす

チヌを怒らせない柔軟な曲がり。

チヌを怒らせない柔軟な曲がり。

アタリをとらえてアワせると、鱗海がきれいな弧を描いた。満月になったロッドでタメつつ寄せてくる。ネットに収まったのは、瀬戸内エリアのレギュラーサイズ、35cmほどのチヌだった。「ありがとう」とリリース。
「朝イチ浅いほうを攻めましたが、活性が高くなかったので、反対側の水深がある所へ移動してみたら活性が高かったです。全遊動で上から探っていって、付け餌が着底したくらいのタイミングでアタりました。瀬の入っている一見難しいところでも、こういう軟らかい竿で怒らせずに誘導すれば獲れます」

百合野崇③全遊動の組立

メンディングや穂先の位置で風の影響を避け、少し持ち上げた道糸でアタリや流れを捉える。

メンディングや穂先の位置で風の影響を避け、少し持ち上げた道糸でアタリや流れを捉える。

投入位置を一定にするには、投げる方向にある山や建物を目印にラインを引く。一投あたりマキエは4~5杯。風が強いときは、着水後にメンディングし、穂先を水面に付けてリールを巻いて道糸を水面下にすれば風の影響を抑えることができる。糸を水面から20~30cm持ち上げると、アタリや潮の流れる方向、道糸の膨らみが分かる。
釣っているのは離れ瀬で、両側を通った流れが下流側でぶつかる所へ仕掛けを流している。上潮は流れているが下潮は動いていない。サシエとマキエがきれいに合うとアタリが出る。ライン操作でマキエの帯に常に仕掛けがあるようにする。

百合野崇④根ズレに耐えて大型をランディング

50cmクラスの大チヌ。根ズレしながらも取り込むことができた。

50cmクラスの大チヌ。根ズレしながらも取り込むことができた。

そしてヒット。先ほどより大きい。根が出ている場所だったため、強引に巻かずコントロール。浮いてきたのは50cmクラスのチヌ。
「0号ですけどまだまだいけます。パワーは全然問題ありません」
場所を移って30分ほど経ち、マキエが効いてきたが、喰い自体はあまり良くなかった。サシエが着底するとすぐアタるが、喰いは浅い。それでも喰わせることができたのは、チヌがサシエを吸い込んだときに鱗海の柔軟な穂先が同調したからと推測。
釣り上げた後のハリスには、根ズレの痕が残っていた。硬い竿だった切られていただろう。

内海通人①瀬戸内の標準0.6号をチョイス

内海さんの仕掛け。

内海さんの仕掛け。

中型のチヌがヒット。「タメたらすっと上がってくる」

中型のチヌがヒット。「タメたらすっと上がってくる」

内野さんは、動き出した潮に対してオモリを足したり、付けエサをネリエにしたりして対応。ただ潮が動き出したにもかかわらず反応が良くならないため、少し深く流す。
竿は鱗海0.6号の5.3m、リールはBB-Xデスピナ2500DXGに、イラストのような仕掛け。0.6号は瀬戸内では最も標準的なクラス。マダイがヒットしても獲れるパワーだという。
中型のチヌが潮の変わり目で釣れた。
「弾くことなく、気持ちよくアタリが取れてやり取りができました。魚を怒らせず、タメたらすっと上がってくる感じでした」

内海②滑る上潮にウキチェンジで対応

竿の曲がりに任せ、ゆっくり寄せる。

竿の曲がりに任せ、ゆっくり寄せる。

ウキを替え、強制的にサシエをタナに入れてヒット。

ウキを替え、強制的にサシエをタナに入れてヒット。

この日はチヌ用としては軽めの11.3gのウキ(ゼロビットDVCのタイプBのM、サイズB)を使用。軟らかい鱗海は軽めのウキでも胴に乗せて投げやすい。胴はしっかりしているので、重いウキもいけるのだ。
良型がヒットした。
「すごいねこの竿、全然暴れんわ」
ゆっくりとしたポンピングで、じわっと寄せる。上がったのは40cmクラスのチヌ。
「すごいね、この時期もっと暴れるんやけど」
上潮が滑るため、ウキを1号(鱗海ゼロピット遠投スペシャル)にかえて、上潮を突破する感じで強制的にサシエをタナに入れて喰わせた。

内海③ウキを浮かせてサシエサを止める

ウキを浮かせて活性の低い魚にエサを見せる。ネリエサに喰ってきた45cmクラス。

ウキを浮かせて活性の低い魚にエサを見せる。ネリエサに喰ってきた45cmクラス。

この日はウキ止めを付けて、ウキを浮かせて釣った。マキエにチヌが付いていても喰ってこないときは、活性が上がっていない。こういうときはウキを沈めて、サシエを沈めていって探るよりも、ウキを浮かせてサシエを止め、魚に見せるのが良いと考えている。
ウキ下は、エサ取りにエサを取られるなら浅く、取られなければ深くしていってエサが取られるタナを探していく。手前でエサ取りにエサを取られるなら、少し沖目に投げてタナを替えて探っていく。
そしてヒット。
「これちょちょっとサイズがいいぞ……まったくブレんね……ぜんぜん弾かん……元気だけど、ぜんぜん普通に寄ってくる」
ネリエのエサに喰ってきたのは45cmクラスのチヌだった。

号数と長さの選び方

号数は0、0.6、1、1.2、1.5号。5.3mは全号数にあり、0.6号と1号は5mが用意される。

号数は0、0.6、1、1.2、1.5号。5.3mは全号数にあり、0.6号と1号は5mが用意される。

山口:今回の鱗海はどういう風に選んだらいいですか?
百合野:おすすめは0.6号です。張りも号数もスタンダードです。これで慣れて、もっと竿の曲がりを楽しみたいなら0号、競技に興味をもったら1号。
内海:基本として0.6号を一本持っていれば、広島湾も流れの速い所もオールマイティに対応できます。1号もあれば、サイズの大きい魚も扱えるでしょう。
山口:0号は使いますか?
内海:広島湾のように遠投するときは0.6号に加えて0号を使うことがあります。沖の魚をゆっくり浮かせて寄せてきます。
百合野:春の藻が多い所は0号でないと獲れないことがありますね。
内海:そういうときは軟らかい竿のほうが獲りやすいですね。
山口:場所による使い分けはありますか?
百合野:藻場や磯は0号0.6号になりますし、大型やマダイの出る所は1号1.2号がいいと思います。記録を狙うような場所なら1.5号もいいでしょう。あとは好みですね。
山口:5mと5.3mの使い分けは?
内海:チヌは深いタナを釣るので、5.3のほうがハリスが長く取れて有利です。ただ、初心者の方や女性の方は、5mのほうが軽くて穂先絡みも少なく扱いやすいでしょうね。

搭載される先進技術①

『タフテックα』を曲げてみせる百合野さん。

『タフテックα』を曲げてみせる百合野さん。

軽く絡みにくく、絡んでも解けやすい『Xガイド』を穂先に採用。

軽く絡みにくく、絡んでも解けやすい『Xガイド』を穂先に採用。

山口:チヌ釣りを始めたばかりの頃は、穂先絡みで折ってしまうこともありますね。
百合野:鱗海は『タフテックα』を採用してます。非常にしなやかで、この状態(上写真)でも曲がりますので大丈夫。
山口:チヌ釣りは穂先でアタリを取りますよね。
百合野:アタリが小さいときでも穂先がついていってくれますね。
山口:弾いたり、チヌに違和感を与えることもありませんね。『Xガイド』の特徴は?
百合野:エッジが滑らかで、糸絡みしにくくなっています。絡んでもスムーズにほどけます。
山口:ちょっと振ったら取れますもんね。Xガイドって軽いですよね。
内海:軽いので穂先がダレません。感度も良くなります。これなしでは使えませんね。

搭載される先進技術②

濡れたラインのべたつきを防止する。『ハイパーノンコンタクトⅡ』。

濡れたラインのべたつきを防止する。『ハイパーノンコンタクトⅡ』。

『パームフィットシートCI4+』は手が小さくても使いやすいと山口さん。

『パームフィットシートCI4+』は手が小さくても使いやすいと山口さん。

山口:4番には『ハイパーノンコンタクトⅡ』が搭載されています。
内海:べたつき防止ですね。雨が降ったときなど、キャスト時に糸が巻き付いて飛ばなくなったりしますが、これが付いていることでラインの離れがいい。仕掛けが失速せず遠投できます。
山口:また『パームフィットシートCI4+』が搭載されていてすごく手に馴染みますね。私は手が小さいのですが、安定して操作することができます。あと、今回の鱗海から『ガイド合わせライン』が付きました。これはやっぱり便利ですよね。
百合野:フィールドを前にすると、なるべく早く竿を伸ばしたいですからね。そういうときでもスムーズにガイド位置を合わせることができます。きれいにガイドが並べば、竿本来のパワーを生かすことができます。

山口美咲①半遊動のメリット

山口さんの仕掛け。

山口さんの仕掛け。

「叩きすぎ」と思ったら、上がってきたのはマダイだった。

「叩きすぎ」と思ったら、上がってきたのはマダイだった。

山口さんが当日選んだのは、鱗海0.6号の5mに、『BB-XハイパーフォースC3000DXXG』だ。イラストの棒ウキを使った遊動仕掛けでスタート。
0.6号は瀬戸内全体で一番使いやすい号数で、小型のチヌから不意に掛かる大チヌまで対応できる。小柄な体格から、取り回しの良い5mを選択した。
百合野さんの隣でヒット。「ちょっと叩きすぎじゃないですか?」と言って上がってきたのはマダイ。
半遊動をよく使い、ウキを浮かべる半遊動とウキを沈める半遊動を使い分ける。目でアタリを取りたいので、まずは浮かべて釣ることが多い。思い通りのタナを狙えるのも利点。実際の海中と自分のイメージの違いも小さくできる。喰いの悪いときのウキ下の調整も細かくできる。ウキを沈めるときも、しっかり仕掛けがなじんでからウキを沈める釣り方をする。仕掛けがイメージ通りの状態にあるのが半遊動のメリットだという。

山口美咲②「あっという間」にランディング

「あっという間」に上がってきた大型チヌ。撮影後はリリースした。

「あっという間」に上がってきた大型チヌ。撮影後はリリースした。

首振りも吸収して魚をスムーズに寄せてくる。

首振りも吸収して魚をスムーズに寄せてくる。

チヌがヒットした。「あっという間」と言いながら難なくランディング。かなりの良型だ。
エサ取りのアタリが早く出ることが多かったため、タナを2ヒロ半ほどに浅くしてみると、アタリが無くなりエサも取られなくなった。そこでウキ下を3ヒロに深くすると、ヒットした。
「本当に難なく取り込むことができました。きれいに曲がって、チヌの引きを吸収してくれます。チヌは首を振る魚ですが、そういう首振りも全部吸収してくれます。すごく気持ちのいい曲がりでやり取りができました」

山口美咲④円錐ウキで仕掛けを安定させる

「余計なリスクがなくて、安心して取り込むことができます」

「余計なリスクがなくて、安心して取り込むことができます」

次にウキを棒ウキから円錐ウキに変更した。日が上がってウキが見やすくなったためと、風で上潮が滑り潮の流れが複雑になったため、棒ウキのように斜めにならない円錐ウキにしたのだ。円錐ウキのほうが仕掛けが安定する。
「チヌ竿って53のイメージありますけど、5mもいいですよ。シャキシャキ動けます」
そしてヒット。
「アベレージサイズですけど、ぐいぐい寄ってきます。本当にチヌが暴れないんですよね。安心して取り込むことができます」

実釣を終えて:ビギナーにもステップアップしたアングラーにも

鱗海はシャキッとしていて、操作性が良く、余裕の曲がりで大型を獲れるというのが3人の共通した感想だった。

鱗海はシャキッとしていて、操作性が良く、余裕の曲がりで大型を獲れるというのが3人の共通した感想だった。

山口:鱗海を使ってどうでしたか?
百合野:風がずっとありましたが、横風でも正面からの風でも、コントロール、操作性は抜群ですね。
山口:シャキッとしてますね。
百合野:投入もピシッと決まるし、使い勝手は全く問題ない。驚くくらいです。
山口:横から見ていて、0号でかなり曲がってましたね。
百合野:50cmを釣りましたが余裕でしたね。曲がってますけど、持ってる私のほうはもっと引けるくらいの感じでした。
内海:僕は0.6号の5.3m。風が強くても穂先もブレず、アワセもきっちり決まる。トーナメントでも間違いなく使えますね。
山口:私は今回ちょっと短めの5mを使って、やっぱり5mもいいなって感じました。軽くて、操作性も良くて、とても扱いやすかったですね。
百合野:ビギナーの方はもちろん、ステップアップした方にもぜひ使ってみてもらいたいと思います。

プロフィール

百合野 崇 (ゆりの たかし)

[フィールドテスター]

広島から長崎県北部までをフィールドとするチヌ釣り師。大知昭さんを師匠とし、日々釣技を磨き続ける。

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プロフィール

山口 美咲 (やまぐち みさき)

[フィールドテスター]

幼少期から磯フカセ釣りを始め、小学生から毎週欠かさず磯に通う。今では年間釣行回数100日を超える。女性の少ない磯釣りのイメージを変えるべく、楽しさを伝えるため活動中。トーナメントにも積極的に参加し、全国制覇を目標に日々鍛練している。

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