2020/02/18
コラム
阪本智子の I LOVE 磯フカセ 下松沖で磯チヌに挑戦【前編】
すべて1人でやります
今回は山口県下松市沖へチヌ狙いで釣行。事前情報もなく、「風裏で足場のいい磯」というリクエストだけさせてもらいました。
初めての釣り場で、しかもわたしひとりでの釣行。情報を聞ける人もいない。釣れるも釣れないもすべて自分次第! ワクワクとドキドキのなかで磯へ向かいました。
近くから狙っていこう
この日は北東の風があったので風裏となる笠戸島の西側にある湾奥へ。「ドック裏」と呼ばれる磯に上がりました。足場がよく、左右から竿が振れるし、風もまったく当たらないので釣りやすそうです。
ローライトだったので海中の様子が見えにくかったのですが、偏光グラスをかけてじっくり観察すると足元から10m先まで磯がせり出し、キワには藻が生えていて、その先から一気に落ち込んでいるのが確認できました。ちょうど満潮前なので狙いは藻の沖だ! と狙いを絞って釣りを開始しました。
なぜ藻の近くを狙うのか?「潮位が高いときはチヌが磯際に集まっていることが多い」と教わったことを思い出したのです。近くから狙っていくほうが、仕掛けもコントロールしやすいですしね。
1投目から釣れるって?
15mほど投げると藻の沖。ウキ下は7mに設定していました。サシエはオキアミ。エサトリがマキエに集まる前に1匹チヌを釣りたいな……と思ったら、仕掛けがなじんだくらいでウキがきれいに沈み、ラインを引っ張るいいアタリ!
「えっー! 1投目なんだけど!」
思わず声が出てしまいました(笑)。上がってきたのは25cmほどのチヌでした。うれしいけれど、ふと、名人さんたちが「1投目からチヌが釣れると、その日はあんまりいいことがない」と言われていたのが脳裏をよぎりました。これって、ここから厳しくなるパターン?
そんな悪い予感は外れてくれたようで、ここからコンスタントにアタリがあります。朝マズメのチャンスがめぐってきたようで、40cmクラスにも出会えました!
釣り場に合った仕掛け
竿を出すことにしたのは唐船浜という場所にある地磯。ここにはよさそうな磯が点在しています。足場のいい磯を選んで準備開始です。
全体的に水深が浅く、けっこう沖まで底が見えます。底は砂地で藻場とシモリが点在していました。その周辺にチヌが潜んでいそうです。
今回は半遊動仕掛けを選択。底が見える深さだったのと、藻やシモリがあるので、仕掛けが引っ掛からない長さにウキ下を設定して流すほうが効率よく釣れると考えたからです。
水深は浅めなので、ウキの浮力も抑えめ。G3のウキを使うことにしました。ウキ下は3mちょっとに設定。ハリスを2ヒロとっているので、ほとんど固定仕掛けに近い形になりました。
釣り場に合った仕掛けをイメージすること、またその仕掛けを自在に変えられるのはフカセ釣りのおもしろいところですよね。様子を見ながら仕掛けに少しずつ手を加えてチヌを釣り上げる過程もおもしろい。チヌが釣れたときの仕掛けが最初と全然違う! ということも多いんです。
試練? 楽しい時間です
釣りを開始すると、思ったよりも潮が速く流れていました。正面に投げた仕掛けがあっと言う間に右へ流されます。これならチヌの活性は高いかなと期待しましたが、やる気があったのはフグ。毎回、サシエのオキアミがなくなり、ひどいときはハリごと盗っていきます。
そこでひと工夫。マキエを正面に5、6杯撒いて、仕掛けはかなり潮上へ入れてみました。エサ盗りが多いときは、マキエと仕掛けを離してみる。これはフカセの師匠・大知昭さんに学んだことです。以前は釣れないとき、エサ盗りが多いときはしんどいなぁって思っていました。それが、「どうやったら解決できるかな?」って考えながらあれこれ試すことを覚えてからは、釣れない時間も楽しくなりました。
530と500がありますが、今回は500を選択。長さもうまく使い分けられるようになるのが目標のひとつです
竿は『鱗海AX』
「藻やシモリがあるので、ちょっと強めの竿をセレクト。これが正解でした!」
「1号でチャレンジです!」
実釣で使用したアイテム
『鱗海AX』は0~1.5号まで幅広いラインナップ。タフテックα、スパイラルX、IMガイド、オリジナルスクリューシートと高機能満載のロッド
道糸は『BASIS 磯ナイロン』の2号。ちょっと強気なやり取りも可能です
ハリスは『BASIS EXフロロ』。藻とシモリキワの攻防を考えて1.7号を選択しました
プロフィール
阪本 智子 (さかもと ともこ)
ショア・オフショア・ルアーにエサ釣りとなんでも愉しむ。
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