2023/01/20
コラム
インショアゲーム×村田基 in東京湾 東京湾フリースタイルゲーム~実釣編~
フィールドや魚種を問わず、幅広くルアーフィッシングを楽しむ達人、村田基さんの東京湾シーバスゲーム! ピンスポットを撃ち抜く精度の高いキャストで、ランカーサイズを狙う楽しさをお伝えしていこう。
プロフィール
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村田 基 HAJIME MURATA
ショアからのステップアップ『インショアゲーム』ならば
気軽にアクセスできるアーバンフィールドでランカーが!
『インショア』とは…正直、聞き慣れない言葉。岸から釣るショア、ボートから釣るオフショアはおなじみだが…。
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村田基
ショアとオフショアの中間に位置するのが、僕らが改めておすすめする『インショア』です。実はこのインショアゲーム、ルアーゲームが一般的になるはるか昔、70年代から日本でも始まって今に至るんです
50年近く前から!? 一体どんな釣りのことを指すのだろうか?
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村田基
例えば東京湾には昔からエサで成長過程のスズキを狙う『フッコ船』というのがありますが、僕らは頼み込んでルアーでも釣らせてもらっていました。このスタイルが発展したのが、今のシーバスガイド船です。こういう沿岸部で楽しめるガイド船や乗合船が日本全国にたくさんあり、北海道ならサクラマスやアメマス狙い、東北ならアイナメ、ソイなどのロックフィッシュ狙いなど、インショアゲームはさまざまなターゲットを楽しむことができるんです
ボートならばショアからでは狙えなかったストラクチャーにも可能な限り近付いてアプローチすることができるので、釣れる確率も高くなる。
インショアではショアで使っていたタックルやルアーがそのまま使える!
つまり、ボートで釣るゲームスタイルのことだろうか? オフショアとの違いとは?
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村田基
ショアゲームというのは釣りの登竜門であり、大半の初心者が通る道です。経験を積めばそれなりの釣果を出せるようにはなりますが、岸際だけではいかんせん魚の個体数はそれほど多くないので、特にルアーでたくさんの魚を釣り上げるのは簡単ではないでしょう。そこで、釣果を求めてオフショアへと歩を進めようとすると、釣る場所もタックルもショアとは全然違うので、敷居が高すぎると感じてしまう人も少なくないと思います
確かに、ショアからいきなりオフショアへステップアップするのは、同じ釣りとは思えないほど何もかもが違いすぎる。しかも、タックル類もオフショア用を買い直さなければならないし、そのお値段もなかなか…。
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村田基
だからこそ、ショアからのステップアップとして最適なのが『インショア』なんです。インショアでは、ショアで使っているフリースタイルのタックルがそのまま使えるし、狙うターゲットもほぼ同じなので、水深5mくらいまでのシャローエリアに入ってくれるボートならば、ルアーもショアと同じモノが使えます。でも、釣れる魚の数には大きな差があり、魚影が濃いエリアまでボートで近付くことができるので、ボートゲームビギナーでも2ケタ釣果だって夢ではないどころか、高確率で達成できるチャンスはあると思います
タックルはわざわざ買い直す必要がなく、ロッドもリールもショアで使っていたものがそのまま使えるのも嬉しい。
岸際のシャローエリアを探るならば、ショアでも使用しているミノーは必要不可欠のアイテムだ。
そういう意味で、ショアとオフショアの中間に位置するのが『インショア』ということなのか。では、インショアで釣る場所というのは、どんなところなのだろうか?
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村田基
前述の通りショアから攻めるような水深5mくらいのシャローエリアもあれば、浜名湖のように遠浅のフィールドならばもっと浅い場所を攻めることもあります。逆に深い場所なら30mくらいまでで、ショアで使っているリールのラインキャパシティでも十分に対応できるので安心です。オフショアのように100~200m、ときには300mを超えるような超深場を釣るわけではないのでルアーがボトムに着くまでの時間も短いし、巻き上げてくるときも疲れないので、お子様や女性でも気軽にチャレンジできるのも魅力ですね
インショアゲームで乗船する小~中型のボートならば、岸沿いのシャローエリアに近付いて壁際やストラクチャーも丁寧に探れる。
シーバス、クロダイ、キビレ…港湾部はインショアゲームのためのフィールドと言っても過言ではない!!
今回は横浜ベイエリアから出船。周囲の景色は高層ビルや湾岸高速道路が入り乱れる大都会で、海岸線も見渡す限りすべて整地されている。正直、魚が豊富に生息する場所には見えないだろう。
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村田基
ところが東京湾は世界でも有数の漁場で、ルアーフィッシングのターゲットもたくさんいます。中でもインショアゲームで僕がおすすめするターゲットはシーバスで、ボートゲーム初心者でも比較的イージーに釣果を出すことができます。ランカーサイズと言われる80cmオーバーも夢ではないでしょう
60cmクラスだが、ベイトフィッシュをたらふく食べているせいか丸々と太っている。それだけにトルクフルで力強い引きだ。
シーバスはどんな場所に潜んでいるのだろうか? ボートでは周囲360°がすべて海なだけに、初心者は特にどこを狙っていいのかわかりづらい…。
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村田基
ポイントに関しては、経験豊富で東京湾を知り尽くしているキャプテンに任せておけば大丈夫ですが、ここではシーバスが着きやすい典型的なスポット&攻略法を紹介しましょう。最初は港湾部や防波堤の岸壁で、壁際ギリギリまでボートで近付いてくれるので、壁沿いにルアーをキャスト&リトリーブです。水深によって使用するルアーも異なり、2m以浅を探るならばミノー、それより深ければバイブレーションが基本です。最初はただ巻きで、反応がなければトゥイッチやジャークを入れて変化を付けてみましょう
シーバスは壁際やケーソンを支える支柱に寄り添うように着いているので、ルアーを際ギリギリに通すことが求められる。
海上にある建造物の隙間にキャストする『穴撃ち』も有効だ。シーバスは奥までもぐり込んでいるので、低い弾道で最奥まで入れるつもりでキャスト。
エクスセンス ダイブアサシン125Sフラッシュブーストは水深2m前後のレンジをキープ可能。フラッシュブーストの反射アピールで集魚力も高い。
エクスセンス サルベージソリッド100ESは5m以深のディープゾーンを探るのに適していて、巻き始めてからのアクションの立ち上がりが早い。
ゲストと言うにはもったいない、まさかのワラサクラスがヒット。インショアはこんな予想外なこともたびたび起きてしまうから面白い。
そして今、東京湾シーバスでもっとも熱いのが『ビッグベイトゲーム』らしい。ビッグベイトは見た目が派手だが、簡単には釣れないイメージが…。
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村田基
シーバスのエサとなるベイトフィッシュが大きくなる秋が、ビッグベイトゲームのハイシーズンです。特にコノシロの群れが接岸するのに合わせてシーバスが荒喰いするのを『コノシロパターン』と呼び、ビッグベイトが活躍するシチュエーションになります。コノシロの群れが移動しているエリアや水深をキャプテンが指示してくれるので、そこに向かってビッグベイトの力を信じて投げ続けてください。「ビッグベイトって、こんなに釣れるのか!!」と感動するはずです
エクスセンス アーマジョイント190Fフラッシュブーストは、3連結ボディのなまめかしいリアルなアクションが特徴で、泳ぐ姿はベイトフィッシュそのものだ。
空中を飛ぶときにはボディがU字型に折れ曲がって回転するのを抑制し、正確かつ飛距離が出やすいキャストをアシストしてくれる。
ときにはエサ釣りでもチャレンジ。その柔軟さがインショアゲームの魅力!
魚種が豊富と言うことは、他にもルアーフィッシングで楽しめるターゲットがいるのだろうか?
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村田基
実は僕が今、夢中になっているのがクロダイとキビレです。しかもエサ釣りが面白い! もちろんルアーを使ったブリームゲームも楽しいですが、ボートゲーム初心者がまず1尾を釣ることを考えたら、僕だったらエサ釣りでレクチャーします。しかもエサは現地調達できるので、事前に用意する必要がないという点でも手軽に楽しめます
あと少しで年無し(50cmオーバー)に届きそうな、黒々とした魚体が勇ましい48cmのクロダイ。エサ釣りならばボートゲーム初心者でも夢じゃない!?
エサを現地調達? どんなエサを、どこで獲るのだろうか?
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村田基
ムラサキイガイと言って、パエリアやパスタに入っているムール貝と似ている二枚貝です。コレを貝殻ごとチヌ針&ガン玉というシンプルなリグに掛けて、岸壁や橋脚の際ギリギリにフォールさせるだけ。フォール時間は3秒ほどで、アタリがなければ回収して再びキャスト&フォールの繰り返しです
チヌ針のチモト部分にガン玉を噛ませ、ムラサキイガイを付けるだけでパワフル&スリリングなクロダイ&キビレ釣りが楽しめるとは!
釣り方は橋脚や岸壁沿いギリギリに仕掛けを落とすだけ。ショアの有望ポイントのようにプレッシャーは高くないので、予想以上に素直に喰ってくる。
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