2025/07/17
コラム

釣果の鍵は干潮時の浅場。黒田健史が初めての壱岐島で夏クロダイをトップで攻略。

普段は静岡県の浜名湖でクロダイ釣りを楽しんでいる、インストラクターの黒田健史が、飛行機とフェリーを乗り継いで長崎県の壱岐島を訪れた。今回はあえて事前情報なしで、普段の経験をフル活用して挑むとのこと。果たして、そこで待ち受けていたのはどのような展開だったのか。
あえて事前情報はなしで挑む。初めての壱岐島で経験を頼りにクロダイを追う。
今回の舞台となる壱岐島は、黒田さんにとって初めて訪れる場所。飛行機で福岡空港へ降り立ち、その後は博多港から出港している高速船に乗ると約1時間で到着となる。この壱岐島は釣り目的の観光客も多く、季節に応じて様々な魚種を狙って楽しめる豊かな海が魅力の島だ。
身近な場所で手軽に魚釣りが楽しめるのはもちろん。本格的な装備で、大型青物狙うもよし。さらに大型のアジやイカなど普段は中々出会えないサイズを狙って楽しめる。そんな釣人にとって魅力の多い壱岐島で、贅沢にクロダイを狙って楽しもうというのが今回のテーマである。
また黒田さんは「あえて事前情報を入れてきませんでした、自分の経験をフル活用したいですね」とのことで、現場についたらスマートフォンを取り出し、地図アプリで見られる航空写真をもとにポイントを絞り込んでいく。いくつかピックアップできた所で、まずは情報収集を兼ねて下見していくこととなった。

初めて訪れる壱岐島とあり、まずは情報収集に徹する黒田さん。今回は浅場に注目してポイントを絞っていった。
地図アプリを頼りにポイントをチェック。まずは浅場のポイントからスタート。
海の様子を確かめながら気になっていた場所をチェックしていく黒田さん。外洋に面するポイントから湾内のポイントまで様々な場所を見て回った。そんな中でも、時折この壱岐島の美しい自然に目を奪われる。水の透明度の高さや広大で豊かな田畑など。のどかな空気のなかで鳴り響くセミの鳴き声が、喧騒を忘れさせてくれるようだった。さながら大人の夏休みのような時間が流れていく。
こうして一通りポイントチェックを終えたら、内湾にある浅場のポイントにエントリー。牡蠣瀬が広がるエリアで、ルアーは「ブレニアス ライズジョイント75F」を選択し、表層を中心に狙っていくこととなった。

航空写真を見ながら地形のチェックも忘れない。流入河川の影響を受ける場所もポイントの候補に上げていく。
期待通りに反応あり。ルアーを操り狙い通りにキャッチ。
自身の経験から、夏のクロダイは浅場にいることが多いと語る黒田さん。そんな矢先、ルアーにクロダイが反応。すぐさまキャストをやり直し、連続のポッピングアクションでは喰わせきれないと判断すると、ポッピング後にポーズを長めにいれるアクションへと変更した。
すると、狙い通りにヒット。浅場を元気よく走り回って楽しませてくれた1匹であった。「途中でアクションを変えられるのもこのルアーの強みです」と黒田さん。「ブレニアス ライズジョイント75F」を自在に操っての幸先の良い1匹となった。

連続アクションでは喰わないところを見てポーズで喰わせる作戦に変更。ルアーを操り見事にヒットへ持ち込んだ。

幸先の良い1匹に出会えた黒田さん。干潮時のヒットであったことから、この情報が後ほど活かされることに。
見えてきた島の全体図。釣果の鍵が干潮と浅場のポイントに絞られた。
そして2日目。この日はラン&ガンを繰り返しながら壱岐島をぐるりと1周するかのような勢いでクロダイを探す展開となった。時には流入河川のポイントを探ったり、船着き場を探ったりと、移動してはチェックを繰り返す。しかし、クロダイの姿は見えるもののルアーへの反応が得られなかった。「昨日釣れたのが干潮のタイミングだったので、喰いが立つのはこのタイミングなのかもしれないですね」と状況を分析する黒田さん。お昼休憩を挟んだ後に、湾内の敷石が広大に広がるポイントを訪れた。
この時は干潮に絡むタイミングで、大きく潮位が下がっている。「こんなに潮位が変わるとは思っていませんでした」とその様子に驚く黒田さん。この日は大潮ともあって、潮位差が大きくて2m前後変動するような状況だった。しかし、これでポイントが露出して狙いやすくなったのもまた事実。広範囲にテンポよく探っていく展開となった。

実釣した日は大潮で干満差の影響を受けやすい状況であった。こちらは満潮時の様子。

こちらは干潮時の様子。岩場が露出して周囲を歩けるほどに。黒田さんもこの干満差には驚いていた。
クロダイのヒット率を上げるために。こだわり設計の新しいポッパーの使い方。
ルアーは引き続き「ブレニアス ライズジョイント 75F」だ。クロダイ用のルアーとしては珍しい、ジョイント機構を搭載したルアーでそこには様々な工夫が込められている。中でも最大の特徴となるのが、クロダイのついばむようなバイトに対してヒット率を高められること。これはルアーの浮き姿勢をみると分かりやすく、前側が水平に浮くのに対して、後側は下を向くように浮力が調整されている。「ルアーの前側で誘って、後側を喰わせるイメージです」と黒田さん。
また1つのルアーで2つのアクションを両立させられるのも特徴で、ロッドワークでポッパーならではのポッピングアクションと、ペンシルベイトのような首振りアクションを使い分けて誘えるルアーとなっている。「ひとつで色々な状況に対応できるのが良いところです」とこのルアーについて黒田さんが教えてくれた。

クロダイに多い、ついばむようなアタリに対応しやすい設計。浮き姿勢にこだわって設計されている。
追い喰いさせてヒットにつなげる。ルアーの強みが活きた納得の1匹と出会う。
こうして敷石のポイントから、長い距離を釣り歩いて気づけば牡蠣瀬のポイントまでやってきた。水深はとても浅いながらも、広範囲に探っているとガボッとルアーの後方で水柱が上がった。しかしこれはミスバイト。それでもさらにアクションを続けるとルアーをクロダイが追い喰いしてくる。「まだ喰ってくるよ。もう一度。よし喰った!」とエキサイティングな駆け引きを楽しませてくれた。そしてすぐさま強烈な引きで抵抗するクロダイ。水深が浅く飛び出した岩もあるのでラインブレイクしないよう慎重に寄せる黒田さん。そして興奮高まるやり取りを制してキャッチしたのは良型のクロダイだった。
「とても楽しいやり取りでした」と黒田さん。興奮冷めやらぬうちにリリースして、さらに釣果を追加した所で時間となり終了となった。このように夏の壱岐島では、スレていないクロダイを狙って大興奮のトップウォーターゲームが楽しめる。これもひとつの楽しみ方のスタイルとして、クロダイ用の本格的な装備を整えて、壱岐島に足を運んでみてはいかがだろうか。

干潮時に喰い気が立つと予想した通り、ルアーに対してアクティブな反応を見せるようになった。浅い場所で元気よく暴れまわる。

グッドサイズにも出会えて満足の釣果に。ルアーの強みを存分に活かせた釣行であった。
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