2025/06/05
コラム

春の鹿児島県錦江湾・鯛ラバゲーム 繊細に攻める3タックル×折本隆由

鯛ラバは全国各地で人気な釣りだが、九州の鯛ラバ人気フィールドといえば、北九州、そして錦江湾の名前が上がるだろう。この錦江湾の春は、マダイ狙いに最適な時期。乗っ込みマダイも他のエリアと比べると早い時期から狙え、大型も期待できる。そんなフィールドに、シマノインストラクターの折本隆由さんが訪れた。
春の錦江湾

春の乗っ込みシーズンに開催された第9回「炎月&フリースライド鯛ラバCUP」の九州予選。折本さん、大会参加者ともに、良い釣果を期待して会場へ集合した。
マダイが数多く釣れることで知られる鹿児島県の錦江湾。今回、折本さんが訪れたのは、春の乗っ込みシーズンと予想される4月中旬。そんなベストタイミングで鯛ラバファンのために開催された第9回「炎月&フリースライド鯛ラバCUP」の九州予選が開催され、そのサポートゲストして訪れたのだ。2025年の「炎月&フリースライド鯛ラバCUP」は、鹿児島、北九州、高松、明石・淡路で予選が開催される予定となっており、鹿児島大会は、その第一戦目となる。大会はマダイ3匹の総重量で競い合うもので、各予選での上位数名(予選によって人数は異なる)が広島での決勝大会へ進む。ちなみにタックルの持ち込みは、一人3セットまで。当日の状況をどう読み、どんな作戦でどんなタックルを持ち込むかも重要となる。ゲスト参加の折本さんも選手と同様に3タックル用意した。
セレクトした3タックル



大会参加者と同様、折本さんも3タックル用意。フィールドの状況にアジャストできるように、フルソリッドモデル、乗せ調子のフリソリッド、そして広く探るためのスピニングを用意。
前情報で良型が釣れていると聞き、ワクワクして鹿児島に乗り込んできた折本さん。乗船した龍神丸に持ち込んだ3つのタックルについて聞いた。
【タックル①】
エンゲツ リミテッド FS-B510ML/RIGT
エンゲツCT 150HG
「一番柔軟性がありロッド全体で曲がって魚を獲るイメージです。持ち重りを感じず、一日釣りをしていても疲れない。鯛ラバヘッドの着底が分かりやすく、前アタリも鮮明に手元に伝わります」
【タックル②】
エンゲツ XTUNE N-B510ML-FS/RIGT
エンゲツCT 150HG
「さまざまなフィールドの変化に対応できるロッドです。しなやかで軽く強いブランクスが特徴。フルオートマチックで、乗せ、曲がり、クッション性と粘りで魚を獲ることができます」
【タックル③】
エンゲツ XTUNE C-S66ML+-2
ツインパワーXD 4000PG
「潮どまりや流れが緩いときに、キャスティングして横方向を広範囲に探る時に出番となるタックルです。繊細なソリッドテップを備えており、小さなアタリも見逃さずにフッキングへと持ち込めます」
折本さんが選んだのは、軽めのタイラバをメインに繊細な釣りをやるために選んだ3本だった。鯛ラバはヒューストンバクバク TG90gをセットした。
潮がない状況

この日は、小潮ということもあり潮が動きが少ない。そして予想以上に動かない状況が続いた。折本さんは、スピニングタックルで鯛ラバをキャストして広く探るものの、マダイからの反応は得られなかった。
しかしいざ釣り始めると、魚探には魚影がしっかり移っているのに流れがない。水深71mのポイントで、潮が0.3ノットという状況だ。折本さんは、さっそくスピニングタックルのエンゲツ XTUNE C-S66ML+-2をチョイスし、潮上にキャストして広範囲を探る作戦に出た。ただ朝マズメは反応がなく時間だけが過ぎていく。ネクタイをオレンジからレッドに交換したり、フックに短く切ったワームを装着してみたりして様子をみる。ワームを短く切ったのは、ハリとネクタイの同調が狙い。フッキングが良くなる工夫だ。しかし釣り続けるものの、前アタリすらない状況だった。
潮が動かない中での高アピール系ネクタイ



結局、参加者も含め厳しい釣果。ただ、その中には規定の3本を揃えたアングラーもいた。ボリュームのあるネクタイを装着し、速めのリーリングが良かったようだ。
結局、そのままアタリがない状況が続いた。同船者たちも朝のうちにアタリを捉えた人のワンヒットのみ。終盤に0.5から0.6ノットと多少流れが出始めたが、船長の大会終了の合図。ワクワク感で挑んだこの日の錦江湾は、潮に泣かされたのだった。
港に帰って検量をすませるとオブザーバーで船に乗り込んでいたシマノ大会運営スタッフが大型のマダイを3匹キャッチ。参考記録として検量してみると、3匹で今大会最高の8kgオーバーだった。
成績発表の前にテント前で折本さんとスタッフのトークショーが始まった。「使用した鯛ラバは?」の質問に、「炎月 バクバク プラス オレンジの100gです。ネクタイはできるだけボリューム感が大きいものを選び、炎月ラクチェンスカートを追加してアピール力のアップを狙いました。ロッドは、ソフトで乗りのよいエンゲツ エクスチューン N-B510ML-FS、リールはエンゲツCTをセレクト。速巻きで15mほど巻き上げて落とすパターンで探り、朝一に2連発で釣れました」の報告に、折本さんは「俺の釣り方と変わらないのになぜ」と一言発し、会場を沸かせた。ちなみに大会では、3匹を揃えたのは2名だけ。悪条件の中、釣果へ繋がったのは、高アピール系のネクタイをセレクトし、速巻きでの誘いがキーだったようだ。
関連記事
RELATED COLUMN