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2023/07/25

コラム

製品情報

赤澤康弘と企画開発担当者が明かす エンゲツリミテッド 開発ストーリー

鯛ラバシーンを牽引する赤澤康弘さん。マダイがより釣れる、鯛ラバがより楽しめるように、エンゲツシリーズの開発に携わってきた。今回、紹介するエンゲツ リミテッドもそのひとつだ。
鯛ラバシーンを牽引する赤澤康弘さん。マダイがより釣れる、鯛ラバがより楽しめるように、エンゲツシリーズの開発に携わってきた。今回、紹介するエンゲツ リミテッドもそのひとつだ。

手に取りやすい価格のものからハイスペックモデルまで、これまで数々のモデルをラインナップしてきたエンゲツシリーズ。この中で最高峰の位置付けであり、シマノの先進テクノロジーを惜しみなく採用しているのがエンゲツリミテッドモデルだ。そのファーストモデルは2018年に発売され、多くのアングラーから高評価を得たが、2023年、最新テクノロジーを備え更に性能を飛躍させて登場。今回のモデルでは、何をどう突き詰め、そしてどんな高性能を搭載しているのか? 赤澤康弘さんと企画開発担当者が語る。

5年前、鯛ラバシーンで大きな話題となったシマノ最高峰の鯛ラバロッドであるエンゲツ リミテッド。2023年、更なる進化を遂げて登場。エンゲツ リミテッドでしか味わえない究極の性能を装備したモデルだ。
5年前、鯛ラバシーンで大きな話題となったシマノ最高峰の鯛ラバロッドであるエンゲツ リミテッド。2023年、更なる進化を遂げて登場。エンゲツ リミテッドでしか味わえない究極の性能を装備したモデルだ。
シマノ先進テクノロジーを装備したロッド、エンゲツ リミテッドの開発は、どのように進められたのか? 赤澤さん、企画開発担当者に最終モデル完成までのやり取りについて対談してもらった。

シマノ先進テクノロジーを装備したロッド、エンゲツ リミテッドの開発は、どのように進められたのか? 赤澤さん、企画開発担当者に最終モデル完成までのやり取りについて対談してもらった。

最高峰モデルだからこその難題。

エンゲツシリーズは、これまでロッド、リール、ヘッドやネクタイといった様々な先進的なアイデアを形にし、鯛ラバシーンをリードしてきた。そしてその中で発売されたロッド、エンゲツ リミテッドは、シマノ鯛ラバロッドの最高峰の位置付けとして発売された。そんなモデルであるがゆえ、他のモデルよりも圧倒的な高性能が備わっていることが求められ、それこそ完成までに困難を極める製品と言える。

ロッド開発は、まずどのようなロッドにするのか、その案を企画担当者や担当アングラー(インストラクター)と出し合い、そしてその理想を実現するために開発者の知識と経験からサンプルが作られ、強度、感度、しなり具合、扱いやすさなど、様々な要素をチェックしながらテストを繰り返して完成を目指す。この開発で、「最新の性能」「最高峰の性能」を目指し、妥協せずに突き詰めれば、より多くのテストが繰り返されることとなる。今回のエンゲツ リミテッドもまさにそのような数々の難題をクリアしたモデル。究極を目指し、これ以上はできないというレベルまで、突き詰めたと開発担当者、赤澤さんは口を揃えた。

今や様々なモデルが市場に溢れている鯛ラバロッド。その中で最高峰と呼ばれるモデルには、何が必要なのか? シマノが一切妥協せずに作り上げたのが今回のモデルとなる。

今や様々なモデルが市場に溢れている鯛ラバロッド。その中で最高峰と呼ばれるモデルには、何が必要なのか? シマノが一切妥協せずに作り上げたのが今回のモデルとなる。

今回のモデルで、何を究極まで求めたか?

では今回のモデルではどんな性能を目指したのか?
「初代から進化させるには、何を進化させるか?という部分が、やはり最初に悩みました。初代のエンゲツ リミテッドでは、Xシートエクストリームガングリップを搭載することで、究極の快適性に加え、鯛ラバゲームで重要となる巻きの安定性という部分をとことん追求しました。その他の鯛ラバゲームで重要となる要素のひとつに、掛けてからのマダイのバラしの軽減があります。それをより実現するにはクッション性能が大切です。そこで、今回の2代目エンゲツ リミテッドでは、巻きの安定性は維持しつつ、『掛かりの浅いマダイも逃さない究極のクッション性』を製品コンセプトの1つ目に設定しました」(企画担当者)

現状の鯛ラバ市場は、優れたクッション性を活かしたフルオートマチックなフルソリッドのアイテムと、オートマチックに乗せつつ追いアワセが可能なマニュアル的な要素を備えた「乗せ」のロッドが主流となっている。この2つのロッドは、構造的には大きく違うものの、性能が似たものが市場には多く、シマノとして商品ラインナップの中で、どのように明確な違いをつけるのかというのが課題になったという。「ユーザーがより好みのものをセレクトできるように、それぞれに明確なコンセプトが必要だ」と、赤澤さん、企画開発陣との話し合いでまとまった。そこでリミテッドモデルでは、初搭載かつより先進的なフルソリッドモデルと、実釣性能をさらに進化させたチューブラーモデルという企画が立てられた。

「フルソリッドは、ブランクスの中身が詰まった素材。一方、チューブラーというのは中空素材。この2つのブランクス素材の、それぞれの特徴を活かしつつ、究極のモデルを作り上げようと開発がスタートしました。まず、驚異的なクッション性と粘り強さを持ったシマノ史上最も柔軟なフルソリッドブランクスを追求。一方、チューブラータイプは、フルソリッドと大きく差がつく『真の軽さ』を徹底的に突き詰め、高感度で快適性に優れた究極の『乗せ調子』を追求。赤澤さんと相談しつつ、この2つのコンセプトを立てました」(企画担当者)

マダイのバイトをオートマチックにフッキングまで持ち込み、ファイト中はバラしに繋がらないようにするための柔軟性。そこからさらに曲がりと粘りを突き詰めたフルソリッドと、しっかりと乗せられる性能を備えた乗せ調子のチューブラーといった、それぞれに明確に違うコンセプトを掲げて開発がスタートした。
マダイのバイトをオートマチックにフッキングまで持ち込み、ファイト中はバラしに繋がらないようにするための柔軟性。そこからさらに曲がりと粘りを突き詰めたフルソリッドと、しっかりと乗せられる性能を備えた乗せ調子のチューブラーといった、それぞれに明確に違うコンセプトを掲げて開発がスタートした。

シマノ史上、最も高い究極の柔軟性を追求したフルソリッドモデル

フルソリッドのロッドは、柔軟性というのが最大の特徴になる。マダイがヒットした際、フルソリッドのロッドは、マダイの首を振りながらの突っ込みに追従し、ロッド全体の柔軟性でマダイのあらゆる動きを吸収して寄せてくることができるロッドだ。

「ある程度のパワーを保ちながら、スムースな曲がりを追求していくことになるのですが、これが簡単ではない。エンゲツシリーズでも、これまでフルソリッドのモデルを作ってきました。その中で、あまり柔軟性を求めると魚を寄せにくいという経験がありました。またシリーズの中で、MLとMのモデルがラインナップされていた場合、求められる性能も異なってきます。MLは、瀬戸内海のような浅い水深の場所で、小型を含めて狙っていくのに適した番手です。小型のマダイのほうが、口が柔らかく、ファイト中にバレてしまうことが多い。一方、大きいマダイは、重さがあり、引きの強さでしっかりとフッキングすることでバレにくいですが、スムースに寄せられる性能が求められます。そんなことから、今回のMLは小型、中型のマダイの引きを吸収し、バレずにランディングまで持ち込める性能。Mモデルは大型のヒットの際に、綺麗な曲がりを維持しながら、魚の動きに合わせて追従し、かつしっかりと寄せられるパワーを追求していきました。どんなシチュエーションで、どんなサイズのマダイ狙いに使うのかを意識して調子を出していきました」(赤澤さん)

このフルソリッドモデルには、6’6と5’10という長さの違うモデルがある。6’6モデルは、その長さからロッドの柔軟性が高く、バレがより少なく、波による上下がある時にも対応してくれる。一方、5’10モデルは、取り回しが良く、フルソリッドで手元まで曲がるため、より楽しいロッドと言える。波の上下による影響を受けやすいが、それをテクニックでカバーする楽しさもある。水深が浅いエリアや小柄な女性にもおすすめという。

今回のフルソリッドロッドの最大の特徴となる柔軟性。シマノ史上、最も柔軟性のあるブランクスを突き詰め、スムースに綺麗に曲がる性能。粘り強さとともにクッション性を備え、バイト、そしてマダイの引きとともに追従して曲がり、さらに掛かりの浅いマダイのバラしも軽減する。
今回のフルソリッドロッドの最大の特徴となる柔軟性。シマノ史上、最も柔軟性のあるブランクスを突き詰め、スムースに綺麗に曲がる性能。粘り強さとともにクッション性を備え、バイト、そしてマダイの引きとともに追従して曲がり、さらに掛かりの浅いマダイのバラしも軽減する。

最も苦労した、細さの限界への挑戦。

今回のエンゲツ リミテッドにおいて、フルソリッド、チューブラーモデルの乗せ調子ともに追求したのが「究極の細さ」である。それぞれの曲がり、パワーを維持しつつ、納得のいく細さになるまでテストを繰り返した。

「僕が開発担当者にお願いしたのが、機能として最高峰というのはもちろんですが、それ以外に『かっこいいもの』ということです。ロッドは、細いほうがシャープに精悍に見えてかっこいいと思うからです」
ただ、ロッドは細くすると破損しやすい。シマノでは品質管理がかなり厳しく、数値内で破損しないことが証明されないと商品化できないため、製品化までに何度も強度テストを繰り返していくことになる。細さを保ちつつも、安心の強度を備えていることが絶対条件となる。

「開発担当者が今回のリミテッドで最も苦労した部分だと思います。もっと細くしてほしいと何度もお願いしましたから。『これ以上は無理です』と開発担当者に何度も言われ、それでも『挑戦してほしい』とお願いました。それぞれ4~5回ほど試作を繰り返してシマノとして商品化できる限界ギリギリまでやってもらいました」(赤澤さん)

今回のロッド作りは、もちろんただ細く、そして安心の強度を求めただけではない。ロッドは強さを求めると太くなり、細さを求めると強度が低下、さらに魚の乗りやすい柔軟性を求めると感度が低下し、感度を追求すると柔軟性が無くなるという性質がある。その中で、それぞれが良いバランスで備わるように、開発担当者の経験とチャレンジ精神が必要となる。

「特に、チューブラーの乗せ調子のMLモデルは、苦労しました。強いアイテムは、ある程度はブランクスを肉厚にして強度を確保できるのですが、柔軟性能を意識したアイテムは、肉厚も薄くなるので、細いブランクスの中でどのように強度を確保していくのかというのが難しかったです。また、フルソリッドモデルでは、芯材から見直し、そのブランクスに柔軟性、パワー等がしっかり備わるように突き詰めていくのが大変な作業でした。細さを保ちながら、ティップ・ベリー・バットにそれぞれ求められる性能を残し、さらに綺麗に曲がり強さも必要。さらにMとMLがそれぞれ求められる性能が違う。MLは、その細さをキープしつつ、魚が掛かった時に頼りなさを無くし、柔軟性、クッション性を持たせた性能を備えた調子設計で苦労しました。またMモデルは、細身だがマダイの走りを止めるパワーが求められるため、赤澤さんからもう少し強く、もう少し張りを小さくなどの意見を聞きつつ、幾度となくサンプルを作っていった感じです」(開発担当者)

赤澤さんからは4~5回作り直してテストを繰り返した話があったが、それ以上にサンプルを作り、その中から選んでもらって使用してもらい、さらに意見を聞いてサンプルをまた数本作るということを繰り返していったと開発担当者は語った。試作品は相当の数になった。
「かなり細いブランクスが出来たと思います。ほんまに、ここまでよくやってくれたなぁと思います。チューブラーモデルでも、ロッドを見た多くの人が『これ、フルソリッドですか』と言ってきます。フルソリッドのほうが、中身が詰まっていることで細くても作れるのですが、今回のチューブラーの乗せ調子モデルは、それに迫るくらい細いということです」(赤澤)

ブランクスは細いほうがかっこいい。そんな赤澤さんの要望に対して、開発担当者は挑戦を続けた。そして「これ以上は無理」というレベルまで細くしつつ、しっかりと各モデルの特性を備えたブランクスを完成させた。
ブランクスは細いほうがかっこいい。そんな赤澤さんの要望に対して、開発担当者は挑戦を続けた。そして「これ以上は無理」というレベルまで細くしつつ、しっかりと各モデルの特性を備えたブランクスを完成させた。

真の細さと感度、軽さを追求した、乗せ調子のチューブラーモデル

乗せ調子のチューブラーモデルでは、細さに加え感度、軽さを追求した。
「乗せ調子は、『とにかく細く軽くしたい』『感度を良くしたい』という要望を投げかけました」(赤澤さん) シマノの鯛ラバロッドのフルソリッドモデルとチューブラーモデルの明確な違いとして、フルソリッドは全体が曲がる調子に対して、乗せ調子のチューブラーロッドはバット部に粘り強さがある調子としている。ティップのソリッド部でマダイのバイトや周りの状況を感じ取り、同時にそのアタリが手元に瞬時に伝わり感じ取ることができる。マダイが鯛ラバを喰い込んだ後は、ベリー部分でマダイの口にフックをしっかりと貫き、マダイの引きに合わせてロッドが追従して曲がることでバラしの軽減につながる。さらにバッドにパワーと粘りを残すことで大鯛の突っ込みも耐えてバラすことなく貴重な1匹を釣り上げることができる。

「この差を付けないと、何もかもが同じになってしまう。ただ、チューブラーはバット、グリップが残るといっても、柔軟性は重要です。ただ柔軟性を持たせすぎると、感度が死んでしまう。この両立が難しい部分です。」(赤澤さん)

そんな要望に対して、開発担当者は従来のモデルと比べて材料から見直してトライした。。
「これまでは低弾性材料を使った粘りのあるロッドでしたが、今回は粘りを残しつつも細身軽量化を実現し、感度を上げるためには従来よりも弾性率の高い材料を採用しています。そのため細身ながらも強度と柔軟性のバランスの取れた調子を実現しています。従来製品と比べてもかなり細く、そして感度も上がっています。」(開発担当者)
また重さに関しては、自重を軽くしたのではなく自重バランスによって、持ち重り感を低減させた。その差は、64%低減という驚くべき数字だ。

「面白いことに、ロッドはバランスによって持った時の重さ、軽さが変わってきます。重心をどこにもってくるかで、全く違います。片手で持っただけでは分からないのですが、リールを装着し、ロッドエンドを脇挟みして構えた時に、バランスの取れたロッドは物凄く軽く感じます。今回のロッドは、数値ではなく、フィールといった部分で軽さを実感できるモデルになっています」(赤澤さん)
ちなみに重量は、前回のモデルと比べると、今回のモデルは1g重い。ただ持った時の軽さが大きく違うのだ。

「リミテッドモデルだから究極の細さ、軽さを追求していけました。最終プロトではロッドがマダイの動きをしっかりと吸収し、バラしを気にせずに安心してやり取りできる性能が、しっかりと備わったと感じています。鯛ラバロッドは、マダイのサイズによっても、ロッドの使う部分が違ってきます。小さいサイズなら、ロッドティップ寄りで魚の動きを受け、大きいサイズは胴寄りで受けて対応します。大きいサイズから小さいサイズまで、バラさず、しっかりと寄せてこられるロッド全体のバランスを追求したモデルとなっています」(企画担当者)

「ちなみに僕は、少しドラグを強めに設定しています。柔らかいロッドで弱めのドラグは、フックが奥まで刺さりにくいことがあります。ドラグを強めにしていれば、フックの掛かりが早いと僕は感じています。色々な船長さんから、最近の人はドラグが緩すぎて、やり取り中にフックが奥まで刺さっていないことでバラしてしまうという話をよく聞きます。そんなことから、最近では弱めのドラグ設定から少し強めのドラグへと進化していっているようにも感じます。今回のエンゲツ リミテッドの乗せ調子モデルは、そのような釣りにも適しているロッドです」(赤澤さん)

乗せ調子は、しなやかに曲がりつつもベリーでしっかりとフッキングさせる性能を持っている。加えてチューブラーならではの感度は、高い基準で備えられているように設計。
乗せ調子は、しなやかに曲がりつつもベリーでしっかりとフッキングさせる性能を持っている。加えてチューブラーならではの感度は、高い基準で備えられているように設計。
細さとともに「真の軽さ」にもこだわった。ただ、重さは単純にロッド全体の重量ではなく、持ち重りしないバランスを追求。重心位置を変えることで、持ち重り感を64%も減少させている。これにより、安定した等速巻きを可能にし、着底や触るようなアタリ感度も、より明確に伝わるようになる。
細さとともに「真の軽さ」にもこだわった。ただ、重さは単純にロッド全体の重量ではなく、持ち重りしないバランスを追求。重心位置を変えることで、持ち重り感を64%も減少させている。これにより、安定した等速巻きを可能にし、着底や触るようなアタリ感度も、より明確に伝わるようになる。
細さとともに「真の軽さ」にもこだわった。ただ、重さは単純にロッド全体の重量ではなく、持ち重りしないバランスを追求。重心位置を変えることで、持ち重り感を64%も減少させている。これにより、安定した等速巻きを可能にし、着底や触るようなアタリ感度も、より明確に伝わるようになる。

さらに進化したカーボンモノコックグリップ

今回のエンゲツ リミテッドでは、グリップ部も一新している。前作のエンゲツ リミテッドで採用され、多くの鯛ラバファンから注目されたのがカーボンモノコックグリップ。今回のグリップは、さらに進化し、高感度、柔軟性、脇挟みの安定性を向上させている。

「前回は丸型でしたが、今回は扁平した形状を採用しました。これは脇に挟んだ時に、より安定させるためです。大鯛とのやり取りでは、ロッドがロールしてしまう、左右にブレてしまいます。リールを巻く時に、左右に動くことで、そのパワーが左右に逃げてしまう。そこでロッドエンドのグリップを、脇にしっかりと挟み込める扁平形状にしたのです。そしてこの部分にも、柔軟性を持たせています」(赤澤さん)

前作のカーボンモノコックグリップは、硬くて軽いがコンセプトであり、グリップ部、リールシートからエンドグリップまでも肉厚に設計していた。だが今回のモデルは、更なる高感度、軽量化を追求して肉厚を落とし、細身、そしてロッド全体の柔軟性に合わせて、この部分も若干柔軟に設計している。ロッド全体を最大限に使って、綺麗な曲がりとともに、そのクッション性を活かすというのが、バラしの軽減、やり取り中の安心感に繋がるからだ。

「少しでも曲がるほうが良いのです。開発担当者には『前の硬さなら、使用しない方向もあるのでは?』と言ったほどです。強さを保ちながら多少でもクッション性、たわむ性能がほしいと頼みました。ティップからバッド(リールシートまで)までは柔軟性のある良いブランクスが出来上がっていたので、その柔軟性に合ったグリップ(リールシートからロッドエンド方向)が無ければ、せっかく完成したブランクスを殺してしまいます。そんなことから、新しいカーボンモノコックグリップを懇願しました。最終的には良いものを作ってくれたと思います。ホッとしましたね」(赤澤さん)

また形状においては、船釣り(エサ釣り)の脇挟みグリップのような扁平形状が左右のブレ、ローリングしにくいということで、それを参考に開発。細すぎても脇挟みしにくいため、これまでのエンゲツのグリップ径を意識しつつ、ホールドしやすい形状のデザインを採用している。

新たな形状が採用されたカーボンモノコックグリップ。扁平形状採用により、脇に挟んだ時の安定性が向上。この部分の柔軟性にもこだわった。
新たな形状が採用されたカーボンモノコックグリップ。扁平形状採用により、脇に挟んだ時の安定性が向上。この部分の柔軟性にもこだわった。
新たな形状が採用されたカーボンモノコックグリップ。扁平形状採用により、脇に挟んだ時の安定性が向上。この部分の柔軟性にもこだわった。
全モデル共通のXシート エクストリームガングリップ。手のひらに乗せるように握り、隙間なく手になじむ左右専用設計。手元が安定することで、等速巻きが正確に楽に行える。
全モデル共通のXシート エクストリームガングリップ。手のひらに乗せるように握り、隙間なく手になじむ左右専用設計。手元が安定することで、等速巻きが正確に楽に行える。
全モデル共通のXシート エクストリームガングリップ。手のひらに乗せるように握り、隙間なく手になじむ左右専用設計。手元が安定することで、等速巻きが正確に楽に行える。
ティップ部は、軽さ、トラブルレス、ちょい投げを行いやすい、高性能ガイド「Xガイド」を搭載。クラゲ絡みによるガイド詰まりを防止する大口径ガイドを採用。

ティップ部は、軽さ、トラブルレス、ちょい投げを行いやすい、高性能ガイド「Xガイド」を搭載。クラゲ絡みによるガイド詰まりを防止する大口径ガイドを採用。

最新の鯛ラバロッドだと、最終モデルを使用して実感! 

赤澤さんは、プロトロッドが来るたびに、フィールドに実際に持っていき、水深が浅い場所から、深い場所まで、それぞれのモデルでテストを繰り返し完成に近づけていった。そして最終テストでは、バラしにくいロッドが出来上がったという印象が強かったという。さらに最終モデル完成後から何度も使用してきたが、赤澤さんの鯛ラバスタイルに合っており、非常に使いやすいロッドだと感じているとのこと。

「僕みたいにドラグを少し強めに入れて、早い段階でハリ掛けさせるといった近未来的な鯛ラバとも言える釣りでも、アタリを弾かずに対応してくれます。スムースに曲がらないロッドは、ドラグが強めだと、魚に違和感を抱かせてしまいます。ロッドが柔軟に曲がることで違和感を抱かせずにバイトに持ち込め、強めのドラグで素早いフッキングというのが成立します。もちろんバイトと同時に自然に曲がっていくロッドというのは、喰い込みも良く、掛かってからのバレも少なく、初心者でも使いやすい。今回のエンゲツ リミテッドは、最新の鯛ラバロッドと言えると思います」(赤澤)

今回は、開発担当者に難題をぶつけた赤澤さん。こだわって作り上げたロッドのため、使っていて満足度も大きいという。
「見た目もカッコよく、持っていることでステイタスも高いと感じています。前作のエンゲツリミテッドもカッコいいと思っていましたが、今回のモデルは深みのあるカッコ良さがあります。このロッドで、いろんな場所でチャレンジしていきたいですね」(赤澤さん)

深みのあるかっこ良さがあると赤澤さんが言う細身ブランクス。新しい鯛ラバゲームを可能にするというモデルでもある。他のアングラーと差を付けたいアングラーには、おすすめのモデルと言えるだろう。

深みのあるかっこ良さがあると赤澤さんが言う細身ブランクス。新しい鯛ラバゲームを可能にするというモデルでもある。他のアングラーと差を付けたいアングラーには、おすすめのモデルと言えるだろう。

プロフィール

赤澤 康弘

赤澤 康弘 (あかざわ やすひろ)

インストラクター

全国のオフショアをメインフィールドに活躍。釣りの腕や理論もさることながら、気さくな人柄で多くのアングラーや船長から慕われる。瀬戸内を中心に活動する鯛ラバクラブ『鯛ラバーズ』の会長を努め、全国の鯛ラバファンが集う『鯛ラバカップ』も主催している。

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※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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エンゲツ リミテッド

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