春の低活性な状況を切り開く。戦略を駆使して楽しむ「ダイナダートXR」のフリーゲーム。

ワインド釣法を主体としたフリーゲームが楽しめる「ダイナダートXR」。こだわりのラインナップとハイクラスのテクノロジーを搭載して高められたブランクス性能がワインドゲームの可能性をさらに拡げる。今回は、そんな「ダイナダートXR」でモニターの黒田寛亮が三重県のイカダとゴロタサーフで実釣。多魚種を狙ったフリーゲームで、なんとも春らしいターゲットに出会えた。

黒潮の影響を色濃く受ける三重県の海は、年間を通して水温が高いことが特徴のひとつ。多くの魚たちにとって快適な環境となるこの周辺の海は、魚種も豊富でとても豊かな海が育まれている。また、周辺の地形がリアス式海岸になっている影響で足元から急激に深くなっているのが他の海とは大きく違うところだ。そのため豊かな黒潮で育った大型の回遊魚が身近な釣り場に入ってきやすいという、釣り人には嬉しい環境が自然と整っているとも言えるだろう。そんな理由を背景に、周囲には釣り人用のイカダが多く、近場の漁港から船で渡してもらうスタイルで釣りをする方が多い。乗船時間も10分〜15分程度と短いため、少しの移動で大型の回遊魚に出会える確率を大きく高められるのだ。

そんな黒潮とリアス式海岸が織りなす三重県の海では、もちろんオカッパリでも大型の回遊魚を狙って楽しめる。しかし、その急激に深くなっている地形であるが故に、独特の難しさがあると黒田さんは教えてくれた。「ポイントにもよりますが、干潮のタイミングが釣りをしやすいです」と黒田さん。これはラインブレイクを防ぐのが大きな理由のひとつで、地形の深く落ち込んだ部分が足元の少し先にあることをイメージするとわかりやすい。ルアーを投げた先の水深が深いほど釣り人とラインの角度が急になるのだが、その先で魚がヒットして走り回ると、ラインがこの落ち込んだ部分に擦れてしまうのだ。すると相手が大物であるほどラインブレイクの確率も高くなり、貴重なチャンスを逃すことにつながってしまう。そんな悔しい思いを避けるためにも、オカッパリで深場を狙う時はできるだけ干潮のタイミングで釣りをするのがよいと黒田さんが教えてくれた。

そしてまずは干潮の時間帯でオカッパリの釣りを展開する黒田さん。ウェーディングで少しでも前に立ち、ラインブレイクを防ぐという大型魚へ強いこだわりを持ったスタイルで挑む。ターゲットとしてマダイや青物、根魚といったパワフルなターゲットたちを想定しており「ダイナダートXR」は、ブランクスに「ハイパワーX」と「スパイラルXコア」を採用しているため、ワインド釣法を主軸に置きながら、パワフルな魚とのやり取りにおいて必要十分なパワーを発揮してくれる。そしてこのワインド釣法の利点は様々であるが、そのひとつがサーチの速さだ。その操作方法から、任意のレンジをスピーディーかつ広範囲に探りやすいため、深場のポイントでも魚の反応を効率よく確かめることができる。黒田さんは、まずはルアーをボトムに沈めた後、フォール時間やアクションのテンポをその都度変えながら操作し、低層、中層、表層の順で探っていった。こうして反応が得られないので、すぐさまルアーをメタルジグにチェンジ。この汎用性の高さも「ダイナダートXR」のメリットと言えるだろう。「ワインド釣法の操作を想定しているため、ジグをシャクる動作も快適です」と黒田さん。そんな話をしていた矢先に、オカッパリでは珍しいイトヨリダイがヒットして楽しませてくれた。

そして迎えた実釣2日目。今度はイカダで大型魚を狙って釣行する。ここでも青物や根魚の期待はもちろんだが、さらに期待できるのがマダイだ。春のマダイは産卵に備えた、いわゆる乗っ込みと言われる季節で、必要なエネルギーを確保するために荒喰いをする季節である。普段は船で狙うイメージが強いかもしれないが、より多くのエサを求めて沿岸部に接岸してくるため、イカダでも狙える確率も高いとのことだった。こうして黒田さんは、朝マズメに出船してイカダでの実釣をスタート。そしてワインド釣法でボトムから探り始めてすぐの出来事だった。「ジジーッ！」という大きなドラグ音と共に、黒田さんの「きましたよ！」という声が響いた。フッキングを決めたと同時に大きな弧を描く「ダイナダートXR」。瞬時に相手が良型であることがわかった。イカダでは、オカッパリの時ほどラインブレイクに気をつける必要はないが、この釣り場は水深が約30mと深いので、ロッドには魚の引きをいなしつつ、しっかりと浮かせるパワーが必要だ。真下に向かってグングンと突っ込むような引きを見せる魚。「この手応えはマダイかもしれないですね」と黒田さん。落ち着いてやり取りをしながら、着実に魚の体力を奪って魚が浮いてくる。「見えてきましたね」こうして安心のやり取りの末にネットインしたのは、期待どおり良型のマダイだった。

黒田さんいわく「ボトムを叩くように丁寧に探っていたら、抑え込むようなアタリが襲ってきました」とのこと。「おそらくエビを食べていたんでしょうね」とヒットの瞬間を振り返ってくれた。さらに使っていたタックルは「ダイナダートXR」のラインナップで唯一のベイトモデルとなる「B70L-S」というモデル。リールは「アルデバランBFS」にPEラインが0.4号とフロロカーボンリーダーが7lbというライトゲーム用の組み合わせであったが、なんとそのタックルでマダイを釣り上げることに成功した。「安心してやり取りができました」とロッドの信頼感がこれまで以上に高まった様子の黒田さん。こうして次第に日が高くなると、魚の反応も途絶えたところで納竿。春らしいマダイとのやり取りに満足してイカダを後にすることができた。さらに港に戻ってわかったことだが、この日は全体的に魚の活性が低く、多くの釣り人が反応が得られず釣りあぐねていたという。そんな低活性の状況を切り開いたのが「ダイナダートXR」を使ったワインド釣法だ。まだまだエサ釣りでの利用客が多いことから、ルアーでマダイを釣り上げた出来ごとに周囲の方たちも驚いていた。このように、ワインドを主軸にしたフリーゲームは未知の可能性を秘めている。釣り慣れた場所はもちろん、より戦略的なゲーム展開を楽しむ手段のひとつとして「ダイナダートXR」を手にいろいろな釣り場へ出かけてみてはいかがだろうか。