2025/11/25
コラム
広島沖の鯛ラバを赤澤康弘が解説! 秋のタフコンディションを打破する戦略
広島沖の特徴
広島沖には魅力的なポイントが点在している。
大会の舞台となった広島沖は鯛ラバの好フィールドであり、赤澤さんもロケやプライベートで訪れる機会が多いという。具体的にはどのような特徴があるのだろうか。
「広島沖は高松沖など瀬戸内東部と比較すると水深があり、宇和海側から魚が流入する影響でアベレージサイズが大きいです。80cmクラスがまれに釣れ、70cmクラスが混じる感じです。数釣りは難しいですが、大物が期待できる夢のあるフィールドです。今回の周防大島の南側をはじめ、大水無瀬、小水無瀬、由利島、平郡島などが、広島エリアの遊漁船がよく向かうポイントです。近場では広島湾の出入り口付近や、宮島周辺でもマダイは狙えますが、潮が入りにくい場所では絶対数が少ない傾向があります。
また、イワシが大量に回遊してきた場合は岩国沖の水深35〜50mほどの浅場が有力になることもあり、イワシ着きのマダイを狙えるパターンが生まれます。ただし、この状況はイワシの有無に大きく左右されますので、常に釣果が見込めるわけではありません。イワシの回遊パターンが多いのは、瀬戸内西部の大きな特徴と言えます」
秋シーズンのマダイの特徴
2025年の夏は猛暑で9月に入ってからも気温の高い日が続いたが、季節は確実に移り変わっていく。初夏のスポーニングからの回復期と言える夏場を過ごしたマダイは、秋になるとどのようなエサを捕食するのだろうか。
「秋のシーズンのマダイは基本的に底モノを捕食することが多いです。イワシ回遊エリアではパターンが変化しますが、基本的には底モノに依存する傾向が強いです。朝に入ったポイントもそうですが、赤い体色のマダイは海底にいるエビやカニなどの甲殻類を捕食していることが多いです。実はこの時期は、同船者のサポートをするために鯛ラバを海中に入れたまま置き竿にしていて、鯛ラバが海底をズル引き状態になっていてヒットしてしまうことも多く、いいサイズが釣れることもあります。海底の荒いエリアや釣り座によってはできませんが、底からスパッと鯛ラバを離さずに、ズルズルと引いてから上げると効果的な場合があります」
広島沖で使用するタックル
広島沖での鯛ラバ、ロッドセレクトについて赤澤さんに教えてもらった。
「広島沖でも、岩国沖や湾に近い比較的水深が浅い水深15~60mの場所では、鯛ラバのウェイトが60~70gまでならML(ミディアムライト)クラスのロッドを使用します。沖の水深90~100mラインやドテラ流しで流す場合などは、使用する鯛ラバのウェイトが90~120gとなり、ロッドはM(ミディアム)クラスが適しています。沖のポイントではオオニベや青物が釣れることもあり、柔軟な調子のロッドではなかなか魚を寄せられないことから、パワーのあるMクラスのロッドを選択するのが良いでしょう」
巻き上げスピードの重要性
今大会が開催された9月末の広島エリアは、好釣果に恵まれる日もあるものの、マダイはさまざまなエリアに散らばっており底付近のエサを捕食していることが多いとのこと。なかなか渋い状況のうえ、当日は競技時間の関係から上げ潮のみの片潮しか釣りができず、シビアな展開が予想されていた。スタート直後は潮止まりの時間帯のため本命の反応が出るまでは時間がかかるかと思われたが、比較的早い段階で散発的ながらマダイが釣れる展開となった。ここで赤澤さんが注目したのが、各選手が鯛ラバを巻き上げるスピードだった。
「潮があまり流れていない状況です。そのような中でもマダイを釣り上げた2名の選手は、巻きが速めでした。速い巻きは小型が反応しやすい傾向がありますが、この状況で確実に釣果を出していくのであれば速巻きは有効と判断できます。大型狙いならアタリは減りますが、ゆっくり巻いて小型を避ける戦略も成立します」
水深から潮の状況を読み解く
比較的早い時間帯からマダイが釣れたものの、全体的には喰いは渋く、サイズも上がらない展開となった。開始1時間ほどで船長はポイント移動を決断。深い場所を流すことになったが、ポイントの移動や船を流す水深から、潮の状況や船長の意図を知り、釣り方に活かすことができるという。
「ポイントが変わって岩礁帯になりました。魚が通る場所で、先ほどまでのドテラ流しではなく船を立てて探っていきます。船の両舷を使って垂直にラインを垂らし、海底に掛からないように探っていきます。瀬戸内特有とも言える操船と釣り方です。水深は93m、94mで、朝よりも深場です。船長は魚を釣ってもらうために状況を見極めながらポイントを移動しますが、深い場所を攻める場合は潮が緩いときが多いです。潮が緩いので深い場所にいる魚のほうが警戒心が弱いこともあり、魚が口を使ってくれることがあります。釣りをする水深からも潮が本調子でないということを読み解くことができます。おそらくこれからいい潮が入ってくるタイミングは訪れると思いますが、どの水深に魚が濃いかも船長は確認していると思います」
釣れる魚から海中の状況を推察する
鯛ラバではマダイ以外に、根魚のアコウ(キジハタ)やマゴチ、青物などさまざまなフィッシュイーターがヒットする。広島沖は魚種が豊富で、この日もオオニベやタチウオなどもヒットするシーンが見受けられた。こういった他魚からも、海中の状況、潮の状態を把握することができると赤澤さんは言う。
「釣れた魚から潮の状況を知ることができます。先ほど釣れたワニゴチや、外洋だったらマトウダイなどが釣れるときは、あまりいい潮ではないと判断できます。根魚も潮が緩くてマダイが釣れるには流速が足りないような状況で釣れる傾向があります。ただ、アコウに関してはいい潮が流れているとき、マダイと同じようなタイミングで喰ってくることがあります。潮の流れが鈍いと判断できれば、攻め方も変わります。巻きスピードを上げる、少し上のレンジまで誘い幅を広げるなどで反応を見ていくのが良いでしょう。ドテラ流しなら、ラインをより斜めにするなどの戦略を立てることができます」
タフな状況下でのネクタイ選び
今大会は潮の動きが鈍くマダイの反応が渋い時間が多かったが、そのようなときに重要になるのが、できるだけ斜めにリトリーブしてヒットレンジを長く引くこと。マダイの反応を得るには、鯛ラバのウェイトやネクタイの選択も重要になると赤澤さんは言う。
「潮の動きが緩く魚のコンディションが悪いときは、水深にもよりますがキャスティングで狙うのも有効です。底が取れる範囲でできるだけ軽いウェイトの鯛ラバを使用し、ラインを斜めにしてリトリーブしたほうがヒットゾーンを長く引くことができます。このような状況のときに注意したいのがネクタイで、潮が緩いときは厚いネクタイは動きにくくなります。動かすために速く巻くのは、潮が緩い時の魚のコンディションには合っていないです。そのため緩い流れでも動くネクタイをチョイスするのがベストです。ネクタイなどのカラーについては、光量の少ない曇天では赤や黒が強いです。実際、赤、黒、金などに反応が出ています。選手の皆さんのカラー選択は合っていると思います」
渋い状況のときこそ工夫が必要で、流速などの状況を的確に読み取り、アプローチに活かすことで、さらなる釣果を手にすることができる。
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