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2023/08/21

コラム

鯛ラバの極意×赤澤康弘 ~激戦区明石・淡路の大会で釣るために~

鯛ラバの極意×赤澤康弘 ~激戦区の大会で釣るために~

2023年6月18日に行われた第7回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバCUP明石・淡路大会にて、選手の船に同乗した赤澤康弘に、大会で釣るための心構えやテクニックなどを解説してもらった。

大会概要

全国の鯛ラバ愛好者が集まりその実力を争う『鯛ラバCUP』(シマノとハヤブサによる共同開催)。第7回となる今回は、4月鹿児島(天候不良により中止)、5月北九州(天候不良により6月に延期)、本レポートの6月明石・淡路、そして7月広島での予選会を通過した選手が10月の明石・淡路で開催される決勝大会に進み、優勝者を決定。予選は規定時間内に釣り上げた真鯛3匹の総重量で争われる。今回、赤澤さんは海豚1号にオブザーバーとして同船し、大会の様子を解説。憧れのアングラーだけに、選手からの質問も多くあったが、当然ながら当日釣ることに関してのアドバイスは一切していない。

大会当日は曇天無風。鯛ラバにはピッタリの天候だった。

大会当日は曇天無風。鯛ラバにはピッタリの天候だった。

明石・淡路エリアでの鯛ラバのセレクト

「大会で入賞するには、大きい(重い)鯛を釣ることが必要になります。今回の地元(明石・淡路エリア)で流行っているネクタイは、厚くて大きい物。でも大きいネクタイは良い時と悪い時がはっきりするんです。魚は寄せるけど喰い切れないとか、近くで小さいネクタイが動いていればそっちを喰うとかもある」。超激戦区と赤澤さんが表現する明石・淡路エリアだけに、王道の喰わせか、一撃の大物狙いかの選択は重要になる。「ただ釣ることだけじゃない戦略が必要なんです」

海豚1号では、多くの選手が赤系の大型ネクタイを使用していた。
海豚1号では、多くの選手が赤系の大型ネクタイを使用していた。
釣れたサイズによってウエイトやネクタイをローテーションしていくことも重要だ。
釣れたサイズによってウエイトやネクタイをローテーションしていくことも重要だ。

明石・淡路エリアの特徴

「潮が速いエリアはアグレッシブな魚が多いので、巻きスピードはそこまで気にしなくても喰うときは喰いますね」。明石・淡路エリアの特徴のひとつは潮の速さ。「数を釣るにはとにかく手返しよく撃つこと。ただ気を付けないといけないのは、ボトムのタッチ&ゴー。着底したらすぐに巻く。特に橋があるようなエリアは潮が速いから底の砂が流されて岩がむき出しになる」。アウェイで地形は知らなくても周囲を観察することで想像はできる。「橋脚のような建造物があると船がどちらに流されているか把握しやすい。それで攻めの組み立てができる。釣り座が許される限り釣りやすい位置に移動するとか、対人の戦略も必要になるのが大会です」
大会のキーとなる明石海峡大橋周辺エリア。自分がどこにいるのかからも判断できる要素は多い。
大会のキーとなる明石海峡大橋周辺エリア。自分がどこにいるのかからも判断できる要素は多い。

タックルの役割

大会当日は、アフタースポーンのタイミングだった。「水中っていくつもの層に分かれてるんです。潮の流れが速いとか遅いとか。いまはアフターのパターンなので、体力のない鯛は速い流れを嫌っている。今回釣れてるのは、潮が速い層の下の遅い層。潮が速くなって巻き抵抗が重くなることを潮噛みと言いますが、その潮噛みを感知してその下のレンジを釣る人が釣ってますね」。そのためには感度のいいリールが絶対に有利になる。「スムーズに巻き続けることで変化を感じられるタックルが重要になります」
レンジだけではなく、面での潮の変化も釣果に繋がる。「水面のゴミや泡にも注目です」と赤澤さん。

レンジだけではなく、面での潮の変化も釣果に繋がる。「水面のゴミや泡にも注目です」と赤澤さん。

今回は選手のサポートに徹した赤澤さんだが、なぜ釣れたのかを常に考えていた。
今回は選手のサポートに徹した赤澤さんだが、なぜ釣れたのかを常に考えていた。

ベイトかスピニングか

「スピニングは投げなくてはならないし、底を取れる回数も少ない。釣りとしては奇をてらってるんです」。奇をてらうとは、大きい鯛が釣れる確率もあるが、数は釣りにくいということ。「でも角が潮上で角の人がバーチカルにやってたら、胴の人は投げないといけないとか、釣り座によっても変わってきます。どっちに船が流れているか、どっちの人にアタリがあるのかは見て分かる情報なので、それは常に考えるべきです」。そのためにはどちらもできることが最低条件。「ベイトが釣りにくくてもあえてベイトでやり続けた方が良いかもしれないので、どっちがいいかは一概には決められませんね」

水深が深ければスピニングでキャストしてもあまり意味がない。タックルの特性を理解して使い分けよう。
水深が深ければスピニングでキャストしてもあまり意味がない。タックルの特性を理解して使い分けよう。

大会総評

「明石、淡路の激戦区で、アフターパターンという喰い渋る時期にも関わらず、やっぱりこのエリアの人たちは、タックルであったり、ヘッドやネクタイと、厳選した物を使って結果を出しているなと思いました。特に朝イチで大きい魚を釣った人たちは相当考えていて、釣るべくして釣ったかなと。非常にレベルの高い大会でしたね。決勝はまた季節が変わります。低水温でコンディションのあまりよくない魚を相手にすることになるので、そこを考えて組み立てて、それがきっちりできる人が大会で勝てるんじゃないかなと思います」
釣果はヒントではあるが、すべてではない。今回の釣果にとらわれず、状況と照らし合わせて考えることが勝つためには必要とされる。

釣果はヒントではあるが、すべてではない。今回の釣果にとらわれず、状況と照らし合わせて考えることが勝つためには必要とされる。

プロフィール

赤澤 康弘

赤澤 康弘 (あかざわ やすひろ)

インストラクター

全国のオフショアをメインフィールドに活躍。釣りの腕や理論もさることながら、気さくな人柄で多くのアングラーや船長から慕われる。瀬戸内を中心に活動する鯛ラバクラブ『鯛ラバーズ』の会長を努め、全国の鯛ラバファンが集う『鯛ラバカップ』も主催している。

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※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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