2021/08/31
コラム
九州玄界灘の鯛ラバ。 電動鯛ラバイノベーション。
INDEX
鯛ラバの作法
再現性と確認の釣り。
電動鯛ラバが目指す究極の等速巻き。
鯛ラバは再現性と確認の釣りだと思います」
九州北西部の玄界灘、勝本沖の水深95m。富所潤さんは120gの鯛ラバを沈め、フォースマスター200DH※のハンドルを丁寧に巻き始める。ハンドル1回転あたり最大66cmの巻き上げ距離は、手巻きの鯛ラバ専用リールのPGとHGのほぼ中間。
まずは手巻きで、鯛ラバが適度に潮をかみ、海中をすり抜けてくるような感覚が伝わってくる速度を探る。 船が1ノット弱で流れるなか、富所さんが最適と感じた巻き速度はハンドルスピード表示「12」。 次に富所さんはタッチドライブで電動巻き上げを開始、速度12に合わせると、MENUボタンを長押しして、中間速を設定する。
「これでタッチドライブを押すだけで、手巻きで最適と判断した速度12で正確に等速巻きを行ってくれます」 巻き上げにおいては、スプールの糸巻き量の変化によって1回転あたりの巻き上げ距離が変わるため同じ速度表示でもやや加速する。しかし、電動等速巻き制御を備えるフォースマスター200は、海底から海面まで常に一定、正真正銘の等速巻きが可能だ。
そして中間速を設定して以降、富所さんはスピードクラッチのON、OFFのみで巻き上げ停止、フォール、巻き上げ再開を繰り返している。
これが「モーター&クラッチ連動機能」で、メニュー画面で設定しておけば、片手で簡単に巻き上げ停止&フォール、巻き上げ再開ができる。
「等速巻きと同様に、鯛ラバが海底で見切られないために素早いタッチアップも重要です。一見、簡単に思われがちな作業ですが、正確に何百回と繰り返すのは実は難しい。フォースマスター200は、それをワンタッチで正確に繰り返すことができます」
水深は約100m、ミチイトは120~150m出て着底、富所さんは40mほど巻き上げては落とす。
1枚目の真鯛は、その40m巻き上げたところでヒットした。このときの中間速は12だ。
しばらくすると2枚目、これは潮がやや緩くなったと判断し速度14に変更したとき。
続く3枚目は速度14で反応がなく、1枚目が釣れたパターンを再現すべく速度12に戻し、答え合わせをした。
1投ごとに正確な等速巻きとタッチアップを繰り返す「再現」と、過去の状況に戻すための「再現」。
この2つが富所さんが大切にしている「鯛ラバの再現性」であり、「究極の等速巻き」であると言う。
それ以外にも、電動ならではのメリットは多い。
「玄界灘だけでなく、大鯛は高い位置から長い距離をフォールさせると反応してくる傾向が見られます。このとき電動リールであれば、鯛ラバを重くしてフォールスピードを上げて、時間を短縮しつつ、効率よく探ることも容易です。ヘッドを重くする、色やネクタイを替える、フックの絡みを確認することもストレスになりません」 再現とともに富所さんが鯛ラバで重要視するのが「確認」。色であれ、形であれ、トラブルであれ、疑問に思えば巻き上げて確認、交換。躊躇してはいけないと強調する。
フォースマスター200は電動鯛ラバを一歩先のステージへ押し上げた。それは同時に、鯛ラバの可能性の広がり、新たな作法の誕生でもある
※フォースマスター200DHは、2021年8月時点において販売中止となりました。詳細は弊社Webサイトをご確認いただきますよう、お願い申し上げます。
タックルの作法
等速巻きを正確に行うだけでなく何回でも「再現」できること。
エンゲツ XR FS-B66ML/RIGHT・FS-B66M/RIGHT
XRは各ジャンルで高い評価を得ている注目のハイスペックロッドシリーズ。その鯛ラバ専用モデルエンゲツ XRはしなやかでスムーズな曲がりを突き詰めつつも、波や風でブレることなく、やり取りでは大鯛の引きに追随、軽やかに上げて見せた。当日はフルソリッドのFS-B66ML/RIGHTと、FS-B66M/RIGHTを使用。Xシートエクストリームガングリップとフォースマスター200の相性は、疲れや重さを感じさせない。
フォースマスター200
「様々な機能を備えるフォースマスター200ですが、電動鯛ラバには特に向いています。スプールの糸巻量に関わらず正確な巻き速度を維持する「電動等速巻制御」は、バーチカルはもちろん、ドテラ流しで長い距離を巻くときにより効果を発揮、加えて「モーター&クラッチ連動機能」により、クラッチのON、OFFだけで素早いタッチアップ、電動巻き上げの再開ができるため、自分のイメージする速度を繰り返し再現できます。フォースマスター200は鯛ラバ用に作ったのではないかと思うほど、鯛ラバに適したリールです」富所潤さん。
炎月 ラクチェンバクバク R・S
富所さんはこの日、一度もリーダーを切ることなく、鯛ラバを素早く交換していた。その鯛ラバは、驚くべきことに2つに割れるワンタッチヘッドの「炎月 ラクチェンバクバク」。
ワンタッチヘッドはスライドピンを引いてヘッドを開き、確実にロック。ネクタイはスルスルクリップによりワンタッチで着脱可能だ。ヘッドは丸型のRと、角形のSの2タイプ。
ロッド
エンゲツ XR
FS-B66ML/RIGHT
全長 1.98m
継数 2本
仕舞寸法 151.9cm
自重 139g
バーチカルウェイト 30〜100号
エンゲツ XR
FS-B66M/RIGHT
全長 1.98m
継数 2本
仕舞寸法 151.9cm
自重 149g
バーチカルウェイト 40〜150号
リール
フォースマスター200
ギア比 8.2
最大ドラグ力 5.0kg
自重 395g
糸巻量PE[タナトル8] 0.8号270m
1.0号220m
1.5号150m
ハンドル長 60mm
シマノ電動リールをさらに詳しく紹介する
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ルアー
炎月 ラクチェンバクバクR
炎月 ラクチェンバクバクS
探見丸
CV-FISH
食の作法
雑味のない素朴な味わい。
まるで新しい刺身のような感覚に驚く。
「真鯛のかまぼこ」
1.身をたたいたら容器に入れ水を混ぜ、浮かんだ小骨などを除いたのちガーゼに包みしっかり水を切る。
2.身に対し3%の塩を2回に分けて足しながら丹念にすり身にする。
3.板の上などに整形し冷蔵庫で一日寝かせる。 4.これを15分ほど蒸せばできあがり。
【取材協力】福岡県伊崎漁港・マリブエクスプローラー
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