2025/08/19
コラム
ハリス3.5号がブチ切られる!圧巻!和歌山のジャンボイサキ〜和歌山県日高町阿尾港〜

イサキの成長は1歳で尾叉長(びさちょう)13、2歳で20、3歳で24cmと言われることもあれば、1歳で17、2歳で24、3歳で28cm、4歳で30cmと言われることもある。
これはどちらが間違いというわけではなく、地域による成長の違い。イサキは定着性が強く、放流タグによる調査では15kmほどの範囲で生活しているという結果もある。
INDEX
ちなみに三浦半島から豊後水道の8地域におけるイサキの年齢ごとの成長を比較した場合、豊後水道、紀伊半島、徳島の順でイサキの成長が早いというデータもある。
つまりイサキは地域ごと、それもかなりローカルな個性があっても不思議ではない釣り物といえる。
では、和歌山のイサキはどうか。
一言でその特徴を表すなら「大きくてよく釣れる」だろう。
大阪、兵庫を筆頭に関西圏でもイサキは人気が高いものの、釣り場と専門船は意外に少なく、和歌山県の日ノ御埼(ひのみさき)周辺が中心。その中でも真夏を除いてイサキ乗合を出している日高町阿尾漁港の共栄丸は人気の船宿で、平日でも満船2隻出しと盛況。
釣り場は港から20分ほど、日ノ御埼沖の水深50mほどの根周り。そこにアンカーを下ろして釣る。
これも和歌山イサキの特徴。カカリ釣りのためオモリは120号と水深に比して重く、それにともない道糸も3号と太くなる。
当然、竿も、リールも一回り強いものが求められるのだが、イサキの大きさに合わせて仕掛けも3.5号と太い。
外房や三浦半島では今や1.5号が当たり前だが、和歌山は3.5号で十分に喰ってくる。それどころか、30cm以上のイサキが2尾以上喰うと3.5号でも切れてしまう。
話を聞いただけでは疑いたくなるが、それを目の当たりにすると納得する。
取材日は船長いわく「今日は型が良いほうです」とのことながら、1投目から35cm以上が掛かり、あっさりと40cmのジャンボが顔を出してしまった。

関西でイサキといえば和歌山。平日でも満船の人気も頷ける

これが特別大きいのではなくて平均なんです
吉田昇平さんと樋口輝さんは1尾掛かるたびに連掛け(追い喰い)を狙うのだが、しばしば枝スを切られている。
3.5号といえば、うまくやり取りすればワラサだって獲れる太さだ。それがジャンボイサキを連掛けするとパツン!なのである。
船をアンカリングしているから潮の抵抗を大きく受けて魚の引きが倍増されるのかもしれないが、それを差し引いても突っ込みが強烈だ。
タナは海底から6~12mを海面からのタナ取りで各自が探る。1mで喰いが変わったりするシビアさもあるそうだが、取材日は指示ダナの範囲でまんべんなく喰い続けた。
ややアタリが遠のいてアンカーを打ち直す場面があったが、それがほどよい休憩時間になったぐらい。
そう。カカリ釣りだから、潮回りなく釣りっぱなし。だから型と数だけでなく釣りの密度も極めて濃い。それが和歌山のイサキ釣りなのである。
アベレージは35cm以上!?

船長によると「今日は型が良いです」とのことながら、樋口さんの魚を計測したらなんと35~38cm。船全体で測れば30~40cmとなるだろうが、平均35cmは大げさではない

指幅6本。タチウオならドラゴン級?
【釣り方】
① コマセ振りは小さく

アミコマセが出過ぎないようシャクリはコンパクトに!
② ラインジャークも効く!

古くから行われている道糸を引いてコマセを出したり誘う方法。これが思いのほか効いて、竿でシャクらなくても釣れるほど
③ 強烈な引きには竿と

ドラグと

慎重に緩める
ヒザでかわす!


竿をブチ曲げて楽しむ和歌山イサキは関東とは別物のパワフルさ
【効きます】
上へ誘い続けるプラスアルファで多点掛け

1尾目を誘い上げながら喰わせる

タナ上限からさらに2~3m上までゆっくり巻き続ける

ジャンボは全長40cm!


全長40cm。驚くべきは見た目でそれ以上のイサキが船中いたるところで釣れていたことだ

【タックル】

【和歌山のイサキロッド】
アンカリング、オモリ120号、ハリス3.5号が切れる引き、そしてコマセワーク。対応するにはパワー、柔軟性、手持ちでの操作性と快適性が必須。その最適解が「ミッドゲームXR64 M230」。船長も「これが一番!」と太鼓判を押す

ミッドゲームXRはオモリ負荷40~200号をカバーする9アイテムのラインナップ


沿岸の釣りを幅広くこなすフォースマスター600。探見丸スクリーン(※)で水深、反応、仕掛けの位置を把握できる。イサキ釣りでは中間速10がおすすめ
※探見丸搭載船で使用できます


パーミングした際のフォースマスター600との相性は秀逸





全長2m、ハリス3.5号のウイリー3本バリ。まるで小型版シマアジ仕掛け


タナは海底から6~12m。濃密な反応が出ていた(探見丸子機の画像)

【取材協力】
和歌山県日高町阿尾港・つり船「共栄丸」
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