2023/06/23
コラム
釣れるスーパーライトジギングの組み立て方 山本啓人
インストラクター山本啓人による、福岡県姪浜港から出船する玄界灘でのスーパーライトジギングゲーム。深い知識と経験から、マルチにジギングと向き合うスタイルはなんら変わらず。ライトとはいえ、知的で奥深いゲーム性と、それを組み立てるアイテムについて語る。
タックルセレクト
「今年はイワシがすごく少ないみたいで、ちょっと釣果の方はどうなるのか分かんないんですけど」。山本さんにとっては慣れたフィールドの玄界灘だが、ベイトが例年とは違っているという。産卵後の体力回復傾向にあるイサキをメインのターゲットとしつつも、「まぁ釣れる魚を釣りながら楽しんでいこうかなと思ってます」。タックルは、ゲームタイプLJ S65-00/FSとツインパワーXD4000PGの組み合わせに、ルアーがぺブルライト。それでもやはり、イワシを意識したゼブラグローのシルバー系カラーで開始する。
ゲームを組み立てる
「魚に聞いて、答えを聞いてから、今日食べたいルアーに合わせて(ジグの)形状、動き、スピードというのを合わせていって喰わせられたらいいなと思っているところです」。山本さんのジギングに対する不変のスタンスでゲームが展開されていく。朝イチはイサキ狙い、超パイロットルアーのペブルライト40gをスピニングで広域にキャスト、ワンピッチでキャストごとにピッチや巻きスピードを変えて誘う。反応がなければ要素をテンポよく変えていく。「スイミング系のジャークとワンピッチのジャークとフォールジャーク、この三つを可変というか、バランスを変えながら飽きられないように狙っていく」。
メインターゲット捕獲
ファーストフィッシュは今回のメインターゲットにしていたイサキだった。「速巻きで喰ってくれなくて、投げて、速巻きで誘って、次、落とし直して少しゆっくりシャクったんですよ。ワンピッチでゆっくりジグをちょっと落とすイメージでやったら引ったくってきましたね」。ゲーム性の高さからスーパーライトジギングのターゲットに最適な魚種だ。「絶対めちゃめちゃ下にいるのに喰わないっていうところがね、面白味ですね」。タックルをベイト、ルアーをフラットライト50gにチェンジ。フォールを軸に水押しを変え、さらに別のイサキを誘っていく。
根魚とジグローテーション
「底から15mを早く通過させるのか、そこでフォールさせるのか、そこで止めるのかでも全然反応が変わってくるので、その辺をいろいろと変えていきながら」。やること、やれることが多いスーパーライトジギングでは、考え続けることが確実に釣果に繋がる。ペブルライトに戻して、久しぶりの魚信はオオモンハタ。海底に見える岩の隙間に落としてすぐのことだった。そして連続でのヒットはアカハタと、いずれもサイズが小型だったので、ルアーを再びフラットライトにチェンジ。カラーもゴールドからシルバー、ケイムラ系にローテーションをしてみる。
青物(ヒラマサ)捕獲
「これいいヤツ。フォールでひったくっていった」。ルアーチェンジが功を奏し、サイズアップに成功。底物を狙う、軽くリフトしてフォールさせるシンプルなアクションでさらに追加。ナブラやベイトフィッシュ、ボトムの様子など、山本さんが大事にしているのはその瞬間の情報で、タックルの感度がその収集をサポートしてくれる。そして情報を精査し、次に繋げることで、釣れ続けるベクトルを向き、展開していく。多くの魚種が釣れる釣りだからこそ、ターゲットを絞ることも大事だが、それにより思わぬターゲットに喜びを得ることもできる。「怒る」と山本さんが表現する強烈な引きを制して手にしたのは、ナイスサイズのヒラマサだった。
タックルコンビネーション
「ワンピッチでは喰わずで、ゆっくりめのフォールでいったら下から喰い上げた感じですね」。イサキ狙いのフックだったため、ロッドパワーには余裕があっても無理はせず、ツインパワーXDの高いドラグの追従性によって獲ることができたという解説中、強烈な引きで再びドラグ音が鳴り響く。青物の連続キャッチ。モデル00のゲームタイプLJでは最もライトなロッドだが、ハイパワーXフルソリッドによるブランクでパワーは十分、大型を楽しんで釣るためのリールとのコンビネーションを文字通り体現した。「無駄に走らせないドラグね。これがスーパーライトでは必須なんですよ」。引きを味わいながらも主導権を握らせないタックルが、ゲームをもっと熱くする。
多彩な魚種
ソリッドロッドの引き味を堪能しつつ、上がってきたのはスマガツオだった。「底を取ってからがジギングだったんですけど、フォールレバーができてから、水に入れた瞬間からジギングが成立するので2倍狙えると言うことですね」。そんなベイトタックルで締めとなる鯛を釣りあげ、バラエティに富んだタックルと魚種で魅せてくれた釣行は終了した。「もっと上のハイエンドクラス(のタックル)もあるんですけど、使ってて遜色ない、パワーも申し分ない、軽さも申し分ない、感度も申し分ない、すごい使いやすいタックルなので、今回も楽しみながら使って魚を手にすることができました」。
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