2024/11/29
コラム
OCEA JIGGER INFINITY "MOTIVE"を携え、スローピッチでアメリカの海に挑む 山本啓人&Benny Ortiz
日本を発祥として、今や世界中に広がっているジギングの1つのスタイル「スローピッチジギング」。シマノ・ノースアメリカに所属するエキスパートアングラーBenny Ortizさんも、この釣りに魅了され極めんとするアングラーのひとり。そんな彼のもとをスローピッチジギングの名手・山本啓人さんが訪ね、チャールストン沖で大型魚に挑んだ。
それぞれの釣りを変えたスローピッチジギング
日本で徹底的にテストを繰り返し磨き上げたスロージギングロッドの「オシアジガー インフィニティ モーティブ」。そのロッドをスロージギングのエキスパートである山本啓人さん、Benny Ortiz(ベニー)さんが携え、アメリカの地で大型魚を狙う。
「今までの釣りの中で、特別な思い出となった釣りがあります。それはスローピッチジギングで釣ったブラックグルーパーです。水面に55lbの魚体が上がって来た時、本当に泣きそうになりました。スローピッチジャークは私の人生です。」(ベニー)
「僕の中で一番思い出に残っているジギングは、スローピッチを覚えた日かもしれないですね。トカラ釣行の時に、スローをやっている同船者の釣りを見て、圧倒的に釣り負けた。その時、この釣りを絶対にマスターしないといけないと思いました。その時の釣行が、僕の釣り人生の、ひとつの起点になっています。今の僕を作り上げたきっかけの一つです。」(山本)
2人のエキスパートがチャールストン沖から出船。
最高の釣りができる町、サウスカロライナ・チャールストンから出船する。ベニーさんも山本さんもこの海で釣りをするのは初めてだ。
「スローピッチジギングをはじめた頃、その情報を見つけることが難しかった。その中で、ヒロト(山本啓人)の映像で勉強しました。彼は多くの動画に出ていた。言葉が分からなくても、とても参考になる内容でした。アメリカでもっと日本発祥の釣りを取り入れたいと思っています。今日は楽しみです。」(ベニー)
「今回の新しいインフィニティ モーティブは、アメリカでも使ってほしいという思いもあり、そのためには強くしないといけないというのがありました。ロッドが長いのに、手元では軽く感じて操作性が良い、体の負担が少ない、そのようなことを考え仕上げました。アメリカで通用するのか? ベニーとの釣りも含め楽しみたいと思います。」(山本)
豊かな海、チャールストン沖
水深30mからスタートした。
今回、山本さんが使用するロッドは、オシアジガー インフィニティ モーティブB610-3、リールはオシアジガーLD 2500MG。ラインはMX4の3号、リーダーがマスターフロロ14号だ。
「水深が浅いので、低いギア比のMGを使い、巻き上げ過ぎずにボトム周辺でしっかとり魚にジグを見せて喰わせる作戦でいきたいと思います。」
ファーストヒットはベニーさんだった。早速上がったのは、良型のカンパチ。
一方、山本は丁寧にジグをアクションさせて誘っていく。そして「喰うよ!」と一言発し、その直後にロッドを曲げた。ロッドパワー、リールパワーで寄せたのは見事なスギ。後ろにはカンパチが付いていた。いきなりダブルでのヒットとなった。
NEWオシアジガー インフィニティ モーティブ
「今回持ち込んでいるインフィニティ モーティブは、ロングロッドで先調子の感じです。ソフトティップで、シャクリを入れた後のジグの動きをしっかりとつかんで、竿先を戻す性能になっています。」(山本)
シャクリ上げた後のジグのフォールを崩さずに、綺麗に演出できる性能となっているという。またロングロッドであるが長さ、ダルさを感じさせない曲がり方をするのが特徴だ。
「スパイラルXコアとハイパワーXを備えています。潰れに強くなり、破断強度を上げてくれるテクノロジーです。力が逃げることに繋がるロッドのネジれを制御します。強くシャープに、粘っこいロッドを作るのに欠かせないテクノロジーです。」(山本)
「新しいモーティブは、その長さで長いフォールアクションを演出できます。根魚に最適です。そして、とてもテクニカルな操作が可能です。バーサタイルに使えるロッドだと思います。また、スピードアップ、スロー、小さい動き、長くスイープな動きなど、さまざまなアクションを繰り出せます。アングラーをサポートしてくれます。」(ベニー)
狙い通りのグルーパーのヒット
ボトム付近に反応が出ている状況。ベニーさんは長めのフォールを入れて探っていく。長いロッドは、ジグのフォールアクションを最大限に出すことができるとベニーさんは言う。しばらくそんな誘いを繰り出し、そしてヒットさせた。
「今、ちょうど太陽が真上にある時間で、魚の活性が落ちています。そんな魚たちは、ゆっくりとした動きを好むと思い、ボトム付近をスローに誘い喰わせました。ジグはシマーフォール(イージーぺブルの米名)210g。ロッドはモーティブのB610-4。この組み合わせだと、非常にゆっくりのプレゼンテーションができます」
上がって来たのは、スキャンプグルーパー。狙い通りのグルーパーのヒットだ。ロッドティップを使い、ボトム付近でジグを少しだけ動かして喰わせた。
そして、次にヒットさせたのは山本さん。「これ喰うんじゃない」と言いつつ、速めのジャークを入れてヒット。インフィニティ モーティブは、しなりながらもバット部分はしっかり耐える性能を見せた。
「ロングロッドでしっかりとしたしなりがある。アクションさせるティップ部分は、しっかりとジグの跳ね上げができ、ヒット後にはバット部分、グリップ部分で耐えてくれる。このあたりが、スパイラルXコアとハイパワーXの底力といった感じです。」
上がって来たのはヒレナガカンパチだった。
ベニーに強烈なアタリ
ベニーがボトム付近で強烈なアタリを捉えた。ロッドのパワー、リールの巻き取りパワーでボトムから離す。
「オシアジガーLDは、強力なハンドルを備え、巻き上げ力もあります。またロッド構造のスパイラルXコアによって、力強く魚を引き上げることが可能です。」(ベニー)
水深76mで、ボトムから8mのところの反応に気付いたベニー。そこで素早くジグを巻き上げヒットさせたという。正体は良型のカンパチだった。
次に入ったポイントは90m。
「これ、すぐに喰うんじゃない」と山本さんがつぶやいたすぐ後に、しっかりと掛けた。素早くボトムから魚を離し、リールのドラグ性能を利用しつつプレッシャーを与えていなし、巻き上げていく。
「ハタ系じゃないかな。落ちる前からアタっていて、底を切って少しシャクリを入れたところで喰いました。ポイントに入るたびにアタリが出るから楽しいですね。新しいインフィニティ モーティブは、パワーがあるので、ヒットしたら思いっきりボトムから離すことができます。」
上がって来たのは、山本さんのアメリカで初となるグルーパーだった。
巻き上げトルクがアングラーをサポート! オシアジガーLD
「ベニー、新しいオシアジガーLDはどう?」(山本さん)
「このリールは本当に素晴らしい。パワーが信じられないほど強い。トルクもあり、胸や肩の大きな筋肉を使って、このハンドルを巻くことで簡単に魚を寄せます。アングラー仲間たちも、このレバードラグリールを気に入っていますよ。精密なマシンで、ギアはとても優れています。今、私はジグを速く動かすためにハイギアを使っていますが、巨大なハタを狙う時や、さらに巻き上げトルクが必要な時にはMGをセレクトしています。シマノのリールラインナップに、素晴らしい製品が追加されたと思います。」(ベニー)
「開発に関わって一生懸命作ってきたので、めちゃくちゃ嬉しいですね。このような想いを共有できるのは、釣り人同士の良いところだと思います。」(山本)
その後、ボトムからスローピッチで誘いつつ、途中からハイピッチ気味にジグを動かした山本さんにヒット! フッキングを決め、ロッドパワー、リールパワーを利用して巻いていく。上がって来たのは良型のカンパチだった。
「ナイスサイズ。引ったくっていくようなバイトでしたね。喰い気が凄い。タックルも問題なく、オシアジガーLDもドラグが良いので、出すときは出す、止める時は止める、そしてストレート気味のファイトで寄せるということがスムーズに行えます。魚にプレッシャーを与え続けて上げてくる感じです。次は20㎏を超えた魚を狙いたいですね。」
握りやすいリールシート・フルホールディングシート
新しいオシアジガー インフィニティ モーティブは、細部までこだわりが詰まっている。
「今回のモーティブは、グリップにフルホールディングシートを採用しています。これはシマノのCl4+という素材で作られていて、軽く強く、ラバー塗装がしてあるため凄く滑りにくいです。スローピッチジギングはいろいろな持ち方をします。脇にロッドエンドを挟んだり、肘にロッドエンドを当てたり、リールの持つ場所を変えたり。そんな持ち方の変化に対して、いつでもフィットするリールシートになっています。またエンドグリップがカーボン仕様になっています。中空構造になっているため、振動が伝わりやすい。糸から伝わってきた振動をロッドティップで捉え、脇や肘まで伝えます。魚からのアタリ、魚の寄り、潮の変化を感じやすくなっています。」(山本)
「このロッドのリールシートは、人間工学に基づいてCl4+で作られた美しいシートです。パーミングするときに手にフィットし、握っていても不快感が無く、親指と人差し指でスプールを操作できます。また取り付けられているXガイドは、アクション時にラインが絡むのを防いでくれます。とても素晴らしいガイドです。」(ベニー)
最後に最高の1匹を手に。2人とも満足の釣行
「いい反応が出ているね」(ベニー)
そう言ってしゃくり続けていたベニーに、今まで以上の大きなアタリが来た。慎重かつ巻くところはしっかり巻いて寄せてきた魚は、狙いの良型のハタ、レッドグルーパーだった。最高の一匹となった。
「新しいインフィニティ モーティブを使うのは初めてでしたが、素晴らしいロッドでした。ロングフォールアクションが出しやすく、操作しやすく、そしてなによりティップが非常に敏感。これによりテクニカルなアクションを演出できました。また、一日中快適に釣りをすることができます。」(ベニー)
「ロッドはアメリカでも、十分通用したと思います。竿先で細かく動かすアクションなどもやりやすく、このロッドでしか出せないアクションもある。今回のモデルは、触ってもらったら、その進化がすぐに分かると思いますよ。」(山本)
また、2人のエキスパートは、今回一緒に釣りをしたことで、それぞれ刺激を得られたようだ。
「動画でヒロトを何度も見ていましたが、テクニック、魚とのファイト、全てが完璧でした。彼と釣りができて、本当に良かったです。次は日本で一緒にやりたいですね。」(ベニー)
「初めてのアメリカでの釣りでしたが、アメリカの人たちの海への考え方、リリーサーを使用したリリースなど、魚をすごく大事に扱うということが知れて凄く勉強になりました。だからこそ魚が多い海が保たれている。日本も今以上に、資源の維持を考えなくてはならないと考えさせられる釣行でしたね。またベニーとも一緒に釣りをしたいですね。この地に、いつか戻ってきたいと思います。」(山本)
日米の2人のエキスパートが、新しいロッドの良さを実感しつつ、とにかく釣りまくった今回の釣行。アメリカ、または日本で、2人はまた一緒にスローピッチジギングを楽しむことだろう。
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