トップページ >  CONTENT >  感覚と経験が繋いだ春の一尾。喰い渋る五島灘のヒラマサを引き寄せるまで。

2025/10/01

コラム

感覚と経験が繋いだ春の一尾。喰い渋る五島灘のヒラマサを引き寄せるまで。

感覚と経験が繋いだ春の一尾。喰い渋る五島灘のヒラマサを引き寄せるまで。

春のヒラマサといえば、大型が狙える時期であり、釣果情報も賑わいを見せるタイミング。同時期、そんな情報を横目に、上津原さんはあえて情報のない沖磯へと足を運んだ。自分の経験と感覚を頼りに、いかにしてヒラマサへと辿り着いたのだろうか。

舞台は五島灘エリア。情報なき沖磯へあえて挑む。

今回、上津原さんが足を運んだのは、長崎県の五島灘エリア。春という季節柄、各地ではヒラマサの釣果情報が相次いで上がり、にぎわいを見せていた。しかし、上津原さんが選んだのは、ほとんど釣果情報がない沖磯。「情報がないからこそ、自分の目で確かめに行きたいんですよね」と語る。さらに、船での釣果情報と沖磯での釣果情報には明確な違いがあると感じているそうだ。実際に、船では不調でも沖磯では爆釣することもあり、予想に反して群れが沖磯周辺に回遊してくるケースも少なくないという。そんな思いを胸に、自身の経験と勘を頼りに情報のない磯でヒラマサを狙っていく。

春の五島灘エリアで実釣。あえて情報ゼロの沖磯へ足を運んだ上津原さん。

春の五島灘エリアで実釣。あえて情報ゼロの沖磯へ足を運んだ上津原さん。

大潮の満潮だからできたこと。気になっていた磯に、ついに立つ。

1日目。この日は正午に渡船に乗り、1時間ほどかけて目的の沖磯へと向かった。上がったのは、春に訪れるのは初めてという沖磯で、以前から気になっていた場所。五島列島や男女群島へ向かう渡船が行き交う通り道にあるその磯は、上津原さんもよく目にしていたポイントだったという。干潮に向かうタイミングで、手早く準備を整えると、潮が止まる前に状況をチェック。2〜3投ごとにルアーを変え、時に大きく移動しながらテンポよく魚の反応を探っていく。そして、潮が最大限に引いたタイミングで、大きな動きを見せた。

この日は大潮で干潮時は大きく潮位が下がる日。普段は立てないポイントでのキャストに期待が高まった。

この日は大潮で干潮時は大きく潮位が下がる日。普段は立てないポイントでのキャストに期待が高まった。

そこは川のように流れる激流ポイント。立てた経験だけでも価値がある。

この日は大潮で、干満差が特に大きい日。普段は水没している岩場が露出し、歩いて行けない場所まで進める状況だった。「前からこの場所に立ってみたかったんです。楽しみですね」と語り、なかなか立てないポイントに立つ上津原さん。目の前には川のように速い流れが広がっていた。トップウォーターからメタルジグまで、さまざまなレンジを探るも魚からの反応は得られず。しかし、「このポイントに立てただけでも十分に価値があります」と笑顔を見せる。こうした小さな経験の積み重ねが、いざという時に生きてくると実感しているようだった。

貴重な時間とチャンスを大切に、状況を丁寧にチェックする上津原さん。こうした地道な積み重ねが、やがて価値ある一尾につながっていく。

貴重な時間とチャンスを大切に、状況を丁寧にチェックする上津原さん。こうした地道な積み重ねが、やがて価値ある一尾につながっていく。

朝マズメが勝負。喰い渋るナブラ攻略へ再挑戦。

2日目は朝マズメを狙って、前日と同じ磯へ。前日、船の回収間際に青物がナブラを起こしていたが、ルアーには見向きもしなかった。今回はそのナブラを攻略することが目標だ。「おそらく朝マズメが勝負になると思います。できれば30投以内で決めたいですね」と語ると、すぐに準備を整えキャストを開始。かすかな変化も見逃さぬよう目を光らせて周囲を観察しつつ、神経を手元に集中させる。そして、磯と平行にキャストした「オシア ヘッドディップ175F ジェットブースト」に激しい水柱が上がった。「よし喰った!」。掛け声とともに、激しいファイトが始まった。

この日は風が強く、海面は波立っていた。少し荒れている方がヒラマサの活性が高まる傾向が強いという。

この日は風が強く、海面は波立っていた。少し荒れている方がヒラマサの活性が高まる傾向が強いという。

ステラSWのインフィニティループ、オシア17+、Xガイドタッチフリーチタンの3つが揃って体感できるインフィニティコネクトのテクノロジー。他にはない特別なキャストフィールを実現する。

ステラSWのインフィニティループ、オシア17+、Xガイドタッチフリーチタンの3つが揃って体感できるインフィニティコネクトのテクノロジー。他にはない特別なキャストフィールを実現する。

1日目の情報がこの瞬間に活きる。納得の一尾と出会う喜び。

掛かったのは、間違いなくヒラマサ。下へ突っ込む強い引きに「コルトスナイパー エクスチューン 98XXH」が大きく曲がるも、ロッドの粘り強さで魚を浮かせる。さらに足元では激しく左右へと走り回るが、冷静にロッドでコントロールし対応した。このロッドは軽快さも兼ね備えており、高い操作性も魅力。体力を消耗したヒラマサを無事にランディング。春らしく肥えた、コンディションの良い9kgクラスだった。「狙い通りに喰ってくれてよかったです」と満足げに振り返る。実は1日目の実釣で、ルアーローテーションを繰り返しながら、魚の反応するルアーを絞り込んでいたそうだ。さらに、当日は強めのジャークで潮に馴染ませ、良いアクションが出ていると感じた直後のヒットだったという。

足元で激しく左右へと走り回るヒラマサ。ロッドのパワーとコントロール性能の高さで主導権を渡さない。

足元で激しく左右へと走り回るヒラマサ。ロッドのパワーとコントロール性能の高さで主導権を渡さない。

キャッチしたのはコンディションのよい9kgクラスだった。狙い通り喰わせた納得の一尾であった。

キャッチしたのはコンディションのよい9kgクラスだった。狙い通り喰わせた納得の一尾であった。

ダイビングペンシルでサラシを狙う。さらに良型ヒラスズキも登場。

この日は風の影響で足元にサラシが広がっていた。そこで反応を探ると、80cmクラスの良型ヒラスズキがヒット。ルアーは新しく登場した小型のダイビングペンシル「グラノダイブ150F」だった。「このサラシなので、魚が隠れているだろうとは思っていましたが、予想以上のサイズでしたね」と語る上津原さん。新たなルアーのポテンシャルも感じられる、春らしい釣行となった。日が高くなり魚の反応が遠のいたところで、正午に納竿し帰港。釣れたヒラマサを振り返ってもらうと「磯際に着くヒラマサは、小さなくぼみにいることが多いので、そこを意識できていたのもよかったですね」とのこと。あえて情報のない沖磯へ渡り、自身の経験を信じて釣果を導き出した今回の釣行。ロックショアアングラーにとって、大いに刺激となる内容だったに違いない。日々の試行錯誤が、大きな一尾を手繰り寄せる。これを機に、まだ見ぬ沖磯へ足を運んでみてはいかがだろうか。

この日は風の影響を強く受ける状況であった。サラシを狙っているとロッドが足元で強烈に絞り込まれた。

この日は風の影響を強く受ける状況であった。サラシを狙っているとロッドが足元で強烈に絞り込まれた。

「グラノダイブ150F」に反応したのはヒラスズキ。80cmクラスのグッドサイズであった。

「グラノダイブ150F」に反応したのはヒラスズキ。80cmクラスのグッドサイズであった。

プロフィール

上津原 勉 (うえつばら つとむ)

[フィールドテスター]

幼少期より磯泊り釣行を繰り返し、九州の離島や伊豆諸島で経験を積み、ルアーをはじめとして磯の釣り全般をこなすロックショアアングラー。「安全第一」と「タックルの進化に甘えない」を心に刻み、磯に通い続ける。

SNS:

youtube

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

この記事をシェアする:

この記事で使用している製品

コルトスナイパー エクスチューン 98XXH

ロッド

コルトスナイパー エクスチューン 98XXH

ステラSW10000+14000スプール

リール

ステラSW10000+14000スプール

オシア17+ 6号 +ナイロンリーダー40号+フロロカーボンリーダー 40号

ライン

オシア17+ 6号 +ナイロンリーダー40号+フロロカーボンリーダー 40号

オシア カバードノット 6号

ライン

オシア カバードノット 6号

グラノダイブ 150F

ルアー

グラノダイブ 150F
オシア ヘッドディップ175F ジェットブースト

ルアー

オシア ヘッドディップ175F ジェットブースト

関連記事

RELATED COLUMN