2025/08/20
コラム
新風を巻き起こすオフショアキャスティングルアー オシア アーマジョイント220F&スクリュードライブ180Fの誕生
日本を代表するキャプテンアングラーである福井健三郎さん、田代誠一郎さん。両名がホームとするフィールドで、新しいタイプのルアーをインプレッション。ペンシル、ポッパーといった定番ルアーではなく「新しい風が吹く」と福井さんが語るほどの集魚力を発揮したオシア アーマジョイント220Fとオシア スクリュードライブ180F。その実力とは。
GTと向き合ってきた男が「飛んだね!」と唸った
スクリュードライブ180FでキャッチしたGTは、福井さんにとって901匹目となる魚だった。
GTボートキャプテンであり、GTフィッシングのトップアングラーである福井健三郎さん。舞台はホームグラウンドのトカラ列島。手にしていたのは、シマノから登場した新型ルアー「オシア スクリュードライブ180F」だ。
「このルアー、ずっと楽しみにしてたんだよね」
そう語る福井さんは、実は2000年頃、似たタイプのルアーを使ったことがあるという。しかしそのときは飛行姿勢が安定せず、満足に飛ばなかったために使用を断念。
シマノの開発陣が3年前にプロトのスクリュードライブを福井さんの船に持ち込んできた。当時、開発スタッフがこのルアーでGTをキャッチするも、福井さんの中では“飛行性への不安”が拭えなかった。そしてその後も改良と検証を重ね、ついに実釣テストの舞台が整った。テスト場所は、もちろん福井さんのホーム・トカラ海域。乗船した斗南号がポイントに到着し、福井さんがルアーをキャスト。その直後、思わずこう口にした。
「あれだけ飛べば十分だな!!」
長年抱えていた“飛ばない”という先入観を打ち破る、納得の飛距離だった。この日は潮波が強く、福井さんはアピール力の高いラージサイズのプロップフィンを装着。
そしてキャストからほどなくして、叉長約130cm/ウエイト41kgのGTをキャッチ。福井さんにとって901本目となるGTだった。
荒れた海面で水噛みをよくしてアピール力を高めるため、プロップフィンをノーマル(写真下)からラージフィン(写真上)へ交換して対応した。
「おっ、飛ぶ飛ぶ!! 上等上等!! これだけ飛べば」(福井)
ジョイントビッグベイトの常識を覆す。「オシア アーマジョイント220F」のトカラ実戦投入
スクリュードライブ180FでGTをキャッチした福井さんが、次に手に取ったのは、「オシア アーマジョイント220F」。
アーマジョイントについても、問題は飛行性と語る福井さん。ジョイントタイプのビッグベイトは、飛距離に難がある。ただ、このタイプのルアーは”これから流行る”という次元ではなく、すでに多くのアングラーが使って釣果をあげている。
福井さんがこのルアーに初めて触れたのは約1年前。クリスマス島での実釣テスト。その際、多くの魚の好反応を確認している。だが、彼のホームであるトカラ列島ではまだ釣果を得ていない。今回のテストで、いよいよ本格投入となった。
「あれ? 飛んだね。しかも一投目で喰ったよ! すごい! 良いんじゃない」
長年抱いていた“ジョイント=飛ばない”という印象を、初投で覆した。
ルアーを投入したのは、水深30mほどのエリアが続くポイント。するとアーマジョイントに、いきなりGTが襲いかかった。ファイト中、一度は口に掛かったフックが外れ、スレ掛かりに変化。しかし福井さんはその状況を即座に把握し、慎重かつ丁寧なやりとりで、見事にGTをランディング。
フィールドでの使用感を終えて、こう語る。
「どうなるかと思ったけど、飛んだね。本当に驚いたよ。しかも一発目でバイト。これは凄いルアーだと思う」
オフショアキャスティングにおける“ジョイントルアーの新境地”を、福井さんが自ら実証する形となった。
福井さんにとって懸案だった飛距離の問題は、今回の実釣で完全に払拭された。
ライブベイトのように泳ぐアーマジョイントに、水面を激しく割って出てきたGT。
「スクリュードライブ180F。実はものすごいルアーなんじゃないですか」(田代)
スクリュードライブ180Fでヒラマサをキャッチ。戸惑うぐらい、頻繁に魚が出てきたと語った。
田代誠一郎さんのフィールドは、日本屈指のキャスティングゲームエリア玄界灘。ターゲットはもちろん、パワーファイターのヒラマサ。今回、田代さんも実釣テストとしてシマノの新型ルアー「オシア スクリュードライブ180F(プロトタイプ)」を持ち込んだ。
「ポッパーでもペンシルでもない、新しいタイプのルアーです。潮が速い時、潮波がある時、荒れてる時、凪の時、どんな状況でも水をしっかり噛んでアクションエラーが起きにくい。それがこのルアーです。今回、ヒラマサがどういう反応をするのか見てみたいですね」
今回は海がやや荒れ気味。そうしたコンディションこそ、このルアーの真価が問われる舞台だと、田代さんは考えていた。
そして、キャストを開始してすぐ「よく飛びますね!」と一言。その飛距離に、まずは高評価。さらに、数回のチェイスの後にヒットした。
「実は、ものすごいルアーなんじゃないですか」と田代さんは語る。
「投げるたびに魚が出てました。反応が良すぎて、逆に戸惑うくらい(笑)。毎投出てきて、5投で釣れてしまいました」
スクリュードライブ180Fは、その形状からは想像できない安定した飛行性能とアピール力を両立していた。
田代さんは、このルアーをこう分析する。
「基本的にはポッパーに近いと思います。ただ、一般的なポッパーは頭に水を受けて泡を引くので、波の角度次第でアクションエラーを起こしやすい。でもスクリュードライブは常に水に浸かっているテールで泡を引く設計なので、エラーが出にくい。これが高い集魚力の理由だと思いますね」
どんな状況下でも水をしっかり噛み、しっかり泳ぎ、しっかりアピールする。スクリュードライブ180Fは、一流アングラー・田代誠一郎に「反応が良すぎる」と言わしめたルアーだ。
プロップフィンがしっかりと海面を捉え、泡を引き、飛沫を上げ、サウンドを奏でながらアクションする。
スクリュードライブは、どんな海面の状況でもエラーアクションが起こりにくいと力説する田代さん。
アーマジョイントの喰わせのアクションとは
喰わせのアクションを実践してキャッチ。水面近くのバイトが見えるルアーである。
スクリュードライブで驚きの反応を得た田代さんが、次に試したのはオシア アーマジョイント220F(プロトタイプ)。
この日はどんよりと曇った空模様だったが、田代さんは好きな天候。ヒラマサ狙いには理想的なコンディションだ。選んだルアーカラーはオレンジバック。「見やすくて好きなカラーなんです」
ポイントは大型ヒラマサが出るシャローエリア。根ズレのリスクが高いため、田代さんはPE10号の強めのタックルを選択した。
「風があれば、10号タックルでも十分飛びます」
ルアーが水面を泳ぐ様子を確認すると、思わず「魚ですよ、コレ」とひと言。
しばらくして水深が深くなったため、タックルをPE8号タックルに変更。すると推定15kgオーバーのヒラマサが横から襲ってきた。しかし惜しくもフックアウト。ただ、このバイトから得た“ヒント”が次の一尾へとつながる。”喰わせの動き”を見極めたのだ。そしてその”喰わせの動き”を次のポイントへ実践すると、結果はすぐに出た。
そのルアーのアクションとは、水噛みをあまりしないようにグリップエンドをギンバルに挿し、ロッドを立て、ティップをあおってルアーが上方向に動くように操るというもの。この動きを田代さんは、寄せるアクションではなく、喰わせるアクションだという。この動きでバイトがあると、フッキングに至る確率が高いと発見した。
「確信が持てたアクションのひとつです」
視認性の高さから、田代さんが好んで使うオレンジバックのサンプルカラー(ルアーはプロトモデル)。
ロッドを立ててルアーが水面方向へ移動するように誘うと喰わせ切ることができる、と語る田代さん。
アーマジョイントとスクリュードライブを使っての印象
「また新しいルアーが入り、新風が吹く気がする。懸念していた飛距離については完全にクリアになった。そして一番印象に残っているのは、バイト数。それはまるでスレていないフィールドで釣りをしているかのようだった」(福井さん)
「アーマジョイントについては、使うレンジを水面に近いところに設定したほうが魚の反応がよかった。スクリュードライブについては、アクションエラーが起こりにくいという印象。エラーはほぼなかった」(田代さん)
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