2025/10/07
コラム
弓角で挑む夏の沼津エリア。新保明弘が「コルトスナイパーSS LONG」でゴロタサーフから沖磯まで釣り歩く。
夏の沼津エリアは、青物の回遊が盛んになる季節を迎える。各地の漁港やサーフ、地磯は多くの釣人で賑わい、活気づく時期だ。今回はそんな沼津エリアで、伝統漁具のひとつである弓角を使った釣りを紹介する。
ときにはカジキやマグロも。黒潮の影響を強く受ける魅力あふれる沼津の釣り場。
弓角の釣りを案内してくれるのは、シマノインストラクターの新保明弘。沼津エリアに精通しており、「子供の頃から慣れ親しんだ場所です。今回は弓角を使って5種目釣れたらいいですね」と意気込みを語ってくれた。このエリアは黒潮の分流が当たる場所で、年間を通して水温が安定しているのが特徴だ。さらに水深の深いポイントが多く、足元付近に大型回遊魚が来ることも珍しくない、一発大物が狙える魅力的な釣り場でもある。「8〜9月頃はベイトが特に小さい時期です。弓角は効果的になるはずです」と、新保さんはこの時期と弓角との相性についても教えてくれた。
黒潮の影響を受ける沼津エリアは年間を通して魚影の濃いエリア。実釣した8月はベイトが小さい傾向にあり弓角が効果的となる。
表層から低層まで豊富な魚種が潜む。弓角は仕掛けを使い分けて攻略するのがコツ。
釣行したのは8月中旬、夏真っ盛りのタイミング。主に狙えるターゲットは、ソウダカツオや小型のシイラ、ブリやカンパチの幼魚など、実に豊富だ。「フロートとジェット天秤を使い分けながら狙います」とのことで、沈めて狙えばオオモンハタなどの根魚にも期待できるという。今回使用する弓角は、もともと漁具として使われていた仕掛けで、小型の湾曲した形状が特徴だ。引くとクルクルと回転し、同時にフラッシングを発生させてターゲットを誘う。この弓角は釣果につながりやすいものの、一般的なルアーとは少し異なる扱いが必要となる。次に具体的な仕掛けについて見ていこう。
弓角は専用のフロートやジェット天秤を仕掛けにセットして使う。状況に応じて表層から低層まで探れるようにしておくとよい。
使用した弓角。フラッシングを伴ってクルクルと周りターゲットを誘う。
長い仕掛けも快適に扱える。青物用ロングロッドならではのメリット。
小さく軽い弓角をキャストするには、先端に弓角用フロートかジェット天秤を使うのがおすすめだ。その下にハリスを取り付けて弓角をセットする。ハリスの長さは、腕を広げた1ヒロより少し短めが扱いやすい。また、仕掛けの特性上糸ヨレが発生しやすいため、ハリスは硬めの素材を選んだり、先端にローリングスイベルを装着すると快適に釣りができると新保さんは教えてくれた。この長い仕掛けを快適に扱うためには、長さと軽さを両立したロッドが必要だ。新保さんが使用したのは「コルトスナイパーSS LONG」の13フィートモデル。「長さから重そうに見えるかもしれませんが、とても軽いロッドです」とのこと。キャストを続けられるのでチャンスロスが減り、釣りに集中できる点が魅力だと語ってくれた。
軽さと強さを兼ね備えた「コルトスナイパーSS LONG」。今回はS130のモデルをメインに使用した。
弓角はシンプルな仕掛けで操作も巻くだけ。手軽な釣りでありながらメタルジグにはないアピールで誘えるのが魅力。
ゴロタ浜やサーフで多彩な魚がヒット。メタルジグには出せない弓角ならではのアピール力。
1日目はゴロタ浜からスタート。上げ潮がチャンスになることが多いため、潮が満ちるタイミングでポイントにエントリーした。するとさっそくソウダカツオをキャッチ。表層に反応がなかったため、ジェット天秤で沈めて狙った結果のヒットだ。さらにキャストを繰り返すとサイズアップにも成功し、力強い引きで楽しませてくれた。「2匹目のソウダカツオは、かなり強烈な引きで楽しませてくれました。竿のクッション性を活かしてファイトすることで、落ち着いて対処できました」と語った。
2日目は地磯でワカシ(ブリの幼魚)を追加。足元がカケアガリになっており、ラインブレイクの危険もあったが、ロッドの長さを活かしたファイトで無事に釣り上げた。そして夕マズメにはゴロタサーフでグッドサイズのショゴ(カンパチの幼魚)をキャッチ。波打ち際で激しく走る魚を、ロッドのパワーで制して落ち着いて取り込めた。「周囲はジグで狙っていましたが、弓角に反応してくれてよかったです。やはりベイトが小さい時は効果的ですね」と満足の1尾となった。
ロングロッドは後方が侵食して急勾配になったサーフでも活躍する。長さを活かせば仕掛けが地面に当たらず快適なキャストが可能。
今回の釣行で特に強烈な引きで楽しませてくれたショゴ。多くのアングラーがメタルジグで狙っている中で弓角に反応してくれた。
弓角は沖磯でも威力を発揮。足場の高いポイントでもロングロッドの特性が活きる。
最終日となる3日目は、10分ほど渡船に乗り沖磯へ渡って実釣。「実は沖磯で弓角を使うのは初めてです」と新保さん。どんな魚に出会えるか楽しみな様子だった。足元には小型のキビナゴが群れており、時折その群れにフィッシュイーターが突っ込む様子も確認できた。しかし喰いが渋い時間帯が続く。「このロッドは軽いのでキャストを続けられます」と新保さん。辛抱強く投げ続けていると、潮が上げ止まりになるタイミングで待望のヒット。足場の高いポイントだったが、ロッドの長さを活かして魚を抜き上げると、釣れたのは30cmほどのワカシ(ブリの幼魚)。パワフルなファイトで楽しませてくれた。
こうして3日間の実釣は無事に終了。「短時間でしたが沖磯でも無事に釣果を出せてよかったです」と新保さん。弓角の釣りは大きな爆発力を秘めており、ヒットが連発することも珍しくない。これまでメタルジグをメインに青物を狙っていた方も「コルトスナイパーSS LONG」を使って弓角釣りを楽しんでみてはいかがだろうか。
ロングロッドは沖磯でも活躍。足場の高いポイントでも足元まで丁寧に探れる。
上げ潮の潮止まり前にヒットしたワカシ。新保さんも沖磯で初めて弓角を使用するとのことであったが、狙い通りにヒットさせることができた
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