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2023/03/28

コラム

釣果のヒントは前日の天候にあり。 和歌山南紀エリアで真冬の青物を追う。

釣果のヒントは前日の天候にあり。 和歌山南紀エリアで真冬の青物を追う。
赤木さんが釣行したのは1月で、2023年を迎えてすぐのこと。新年最初はどこへ行こうかと考えるこのタイミングに、赤木さんも同じ思いを抱いていた。この赤木さんと言えば、和歌山県の南紀エリアを得意とするアングラーのひとり。毎年の傾向からこの時期は青物が狙えるとのことで、おおよそのエリアは目星をつけることができた。あとは具体的なポイントをどうするかであるが、この具体的なポイントを絞っていく過程で興味深いことがいくつもあったので、ここではその点に触れながら釣果につなげていく様子をご紹介したい。

重要なファクターは風。この時期特有の北西風に注目する。

まず赤木さんの頭で常に意識していたのが、当日にこの時期の季節風である北西風が吹くかどうかであった。この風にこだわる一番の理由は、海面が適度に荒れたほうが青物の活性が上がり反応が得られやすくなるからだ。これが無風になると魚の反応が大きく変わってくるという。さらに、風はベイトの動きにも影響を与える。海が少し荒れて海中のプランクトンが巻き上げられると、それを小魚たちも捕食しようと活発になる。すると同時にフィッシュイーターの活性も上がるということで、アングラーにとって狙いやすい状況になるのだ。また小魚はさほど遊泳力がないため、ほどよく波風をしのげる岸際に集まりやすくなる。すると青物は遊泳力のある魚なので、その小魚を捕食しようと岸際に寄ってきやすくなると教えてくれた。釣果はこの条件の揃うタイミングをいかに掴めるかがカギを握っている。

ポイントは風がどの程度吹くかが重要となる。少し荒れるくらいが魚の活性も上がると赤木さん。

ポイントは風がどの程度吹くかが重要となる。少し荒れるくらいが魚の活性も上がると赤木さん。

天気予報を何度も確認する。1日目の勝負は午前中に絞られた。

そして天気予報では、風は午前中に吹く予報であるとのこと。まず勝負はこのタイミングに絞られることになり、迎えた当日。期待通りに風で海面が荒れている状況であった。赤木さんの感触では「風はもう少し強くてもいいんですけどね。悪くはないと思いますのでやってみましょう」とのこと。こうして朝マズメにポイント入りし、キャストを繰り返していく。使用するルアーは「コルトスナイパー グラノダイブ175F フラッシュブースト」。垂直姿勢で操作のやりやすさにこだわった設計が、荒れた海面でも安定したアクションを実現してくれる。「小さいですがベイトも泳いでいますね」と赤木さん。この時期はシラスも多く青物はとても小さな小魚を捕食していると予想された。そして朝日も昇って期待が高まる状況であったが、時間とともに肝心な風が弱まっていく。こうしてお昼を迎えるころにはすっかりと落ち着いてしまったので、やむを得ずポイントを変えることとなった。

周辺を広範囲にサーチする赤木さん。残念ながら朝マズメは反応がなかった。
周辺を広範囲にサーチする赤木さん。残念ながら朝マズメは反応がなかった。
気づけば時間帯は夕方に。ポイントを移動しながら1日キャストを繰り返した。
気づけば時間帯は夕方に。ポイントを移動しながら1日キャストを繰り返した。

期待に反して風は吹かない予報。2日目のポイントをどうするか。

残念ながらポイントを移動した後も、期待に反して魚の反応が得られなかった。1日目を終えて、残された時間はあと1日。カギとなるのはやはり風である。しかし天気予報を見るとほぼ無風と言えるような予報。これでは釣果も難しいと考えあぐねていた所、赤木さんの中であるアイデアが頭をよぎった。「目星をつけていたポイントの中に、風が強すぎると行けないポイントがあります。明日はほぼ無風ですがそこで狙ってみましょう」とのことだ。さらに干潮のタイミングでないと入れないので、アングラーによるプレッシャーも少ないと予想した。さらに赤木さんが言うにはヒラスズキのポイントにもなるような所であるとのこと。1日目の風の影響がまだ残っていることに期待して、そのポイントで狙うことになった。

天気予報では風がどんどん弱くなっていく状況。2日目のポイントは前日の影響が少しでも多く残っていることに期待した。

天気予報では風がどんどん弱くなっていく状況。2日目のポイントは前日の影響が少しでも多く残っていることに期待した。

風の影響が残っていることに期待。ついに捉えた青物の影。

実釣2日目。干潮のタイミングに合わせてポイントに入る。夜が明ける直前でまだ辺りは薄暗いが、赤木さんはさっそくキャストを開始した。ルアーは引き続き「コルトスナイパー グラノダイブ175F フラッシュブースト」だ。赤木さんは、ルアーを見切られないようノンストップジャークのようなイメージで止める間隔をほぼ入れないようなテンポでアクションさせていた。そしてしだいに夜が明け始めた時間帯でのこと。アクションするルアーの後方でガボっと魚がバイトする。「あー、うまく喰いきれませんでしたね」と悔しさをにじませる赤木さん。するとここですかさずカラーを変えて、もう一度同じコースを狙うことにした。その数投後の出来事。バイトの光景に興奮したのもつかの間、ガツンッとロッドが弧を描いた。「よっしゃ!喰いましたよ」。浅いポイントなので「コルトスナイパー リミテッド」で一気に勝負をかける赤木さん。「ステラSW」の巻き上げパワーも相まって、浅いポイントで強烈に走り回る魚だったが、安心して取り込めた。

垂直浮きで安定したアクションが特徴のルアー。赤木さんはノンストップジャークのようにテンポよく動かして使った。

垂直浮きで安定したアクションが特徴のルアー。赤木さんはノンストップジャークのようにテンポよく動かして使った。

カラーを変えた直後のヒット。浅いポイントを激しく魚が走り回る緊張のやり取り。

カラーを変えた直後のヒット。浅いポイントを激しく魚が走り回る緊張のやり取り。

即座のカラー変更でヒットにつなげる。ついにたどり着いた心にしみる1匹。

釣り上げたのは60cmクラスのハマチだ。ポイント選びに苦心したのもあって、この1匹の嬉しさは特別なものであった。赤木さんは「すぐにカラーを変えたことがよかったですね」とヒットした状況を振り返る。ヒットカラーはSTピンクバックでお腹にグローが入っているものに即座に変更した。まだ朝日が出始めたタイミングで、少し光量が少ないように感じたためシルエットが出やすいものを意識して選んだとのことだ。こうしてこの実釣は、日が高くなるにつれて魚の反応も途絶えたところで釣行は終了。貴重な1匹の釣果から、どうにか釣果へたどり着くためには、根気よく集めた情報をいかにして整理するかが大切であるかを物語る釣行であった。今回、重要だったのは風という要素。しかし時間とともにその風がなくなる中でも、風の影響を強く受けたポイントで反応が得られたという結果と言えるだろう。当日の天候はもちろん重要であるが、ヒントは数日前にも隠れている。そんな視点を意識して自身のポイント選びにも活かしてみてはいかがだろうか。

待望のヒットで喜びを噛みしめる赤木さん。細かな選択がひとつに繋がった瞬間だった。

待望のヒットで喜びを噛みしめる赤木さん。細かな選択がひとつに繋がった瞬間だった。

STピンクバックのカラーにヒット。シルエットをはっきりさせる意図で選択した。
STピンクバックのカラーにヒット。シルエットをはっきりさせる意図で選択した。

プロフィール

赤木 光広

赤木 光広 (あかぎ みつひろ)

[フィールドテスター]

紀伊半島をベースに全国各地で活躍する磯ルアー師。豊富な経験に基づく知力・体力を武器に大型回遊魚と渡り合い、ダイナミックな実釣スタイルと軽妙なトークでロックショアゲームの魅力を伝えている。

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この記事で使用している製品

ロッド

コルトスナイパー リミテッド S100MH
リール
ステラSW 6000HG
ルアー
コルトスナイパー グラノダイブ175F フラッシュブースト
ライン
オシア 8 PE 3号
リーダー

オシア EX フロロ リーダー 50lb
(PRノットで結束)

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