2025/10/20
コラム

ドラゴンフィールド伊良湖水道を攻略せよ!〜愛知県片名漁港出船〜

指幅6本以上、全長120cmを超える「ドラゴン」出現率が高い。
伊良湖水道のタチウオ釣りの魅力は型の大きさにある。
シーズンは遠州灘から伊勢湾にタチウオが入ってくる7月に始まり夏~秋がピーク。
ただし型がいい反面、数はそれほど望めない。年にもよるが1人10本で納得、20本を超えれば好日。それだけに1回のアタリが貴重になるし、いかにアタリを見逃さないかが大切になる。
ここでは2日間にわたる取材で吉田昇平、樋口輝両氏が挙げた「伊良湖水道の攻略のカギ」の中で、核心といえる事柄を紹介しよう。
底ダチとタナと複雑な潮
東京湾や大阪湾ではほとんどの場合タナは海面から取るが、伊良湖水道は上層の潮が速いことが多く、海面からのタナ取りでは道糸とテンヤがフケ上がって正確にタナに合わせることが困難になるため、テンヤをいったん着底させてからタナを取ることが多い。
そこで重要になるのが正確に底ダチを把握すること。船釣りの基本中の基本だが、二枚潮での着底のシグナルは実はタチウオのサワリ並みに微妙だったりする。
道糸号数の厳守(忠栄丸はPE1.5号)はもちろん、スプールの回転が良いリールを使い、テンヤもスムーズに沈降するタイプを選ぶことが正確な底ダチ、つまりタナのリサーチ=アタリを出させることに繋がるわけだ。

伊良湖水道は夏~秋にピークを迎える中京のドラゴンスポット。釣れればでかい!

伊良湖水道は写真の伊良湖岬(愛知県)と神島(三重県)の間、伊勢湾と遠州灘をつなぐ水道。深い所で水深100mほど

表層近くの潮は常に速く、航路のブイが傾いている

伊良湖水道の西のランドマークが神島

数より型を狙った吉田昇平であった

エサは冷凍イワシが中心。テンヤはサーベルマスターバレットテンヤ50号

サンマエサも有効。テンヤのカラーはグローなどアピール系に実績あり
油断せず臨機応変に掛ける
当日は釣り開始直後が最もタチウオの活性が高く、その後は徐々に低下した。
高活性時は微速巻きでの置き竿でも、早めの巻きでも、比較的容易にアタリが出て掛かった。
これが低活性になると微速巻き、ワンピッチ、ロングステイと、そのつどアタリが出る誘いが異なり、しかもアタリが単発になった。
ここでカギとなったのがアタリを選ばずに掛けること。
例えば、深追い、即掛けなど、個人のスタイルや好みがあるはずだが、伊良湖水道では強いアタリなら即掛け、弱ければ追わせるといったように、アタリごとに臨機応変に対応する必要がある。
これは複雑な潮も影響しているのか想像以上にシビアで、油断してチャンスを逃すと名手でもゼロに終わることになる。
吉田昇平さんは伊良湖水道を「東京湾の誘いも、大阪湾のメソッドも効く。関東と関西のミックス、中間的なフィールド」と言う。まさに“中京”だ。
タチウオマニアであればぜひ、伊良湖ドラゴンを攻略してほしい。

伊良湖水道のブイ周辺にタチウオ船団が形成される

伊良湖水道で大型中心に釣れた後は、伊勢湾内での数釣りに移行する

東京湾風に大きな生イワシを投入して伊良湖ドラゴンを狙う!

船内で1~2人しかアタらない状況でも釣り上げる樋口輝

朝のチャンスを逃すと苦労します。と吉田昇平
【釣り方】
【伊良湖水道攻略①】
アタリを選ばず掛けにいく!

①最初の小さな変化を見逃さないこと!

②即掛けが効かない場合は少し追わせる

③しっかり巻き上げながらアワせる!
【伊良湖水道攻略②】
テンヤを安定させ微細なアタリを捉える!

しなやか&繊細微妙な魚信を表現するロッドで
ドラゴンの貴重なチャンスを捉える
【伊良湖水道攻略③】
着底を迅速&正確に!

木曽三川が注ぐ伊勢湾口は上潮が速いことが多くラインが流されるため、底ダチが分かりにくい

フォースマスター300は電動とは思えないほどスプールの回転がスムーズで着底の瞬間がよく分かる

巻き速度早めのリサーチ、大きめのシャクリなど、周りとは異なる方法でドラゴンを狙った吉田昇平

たびたび訪れる微妙なモタレの正体はケンサキイカ
【タックル】

【サーベルマスターエクスチューン 攻 テンヤ82MH170】
軽さと感度を突き詰めた自重77gの超軽量テンヤタチウオロッド

【サーベルマスターエクスチューンテンヤ64MH195】
より多くの情報を伝えるカーボンモノコックグリップ

細かな操作と高負荷に耐える安定性を併せ持つXシートテクニカルガングリップ

視認性の良いカラーリングを施したソフチューブトップはソリッド並みのしなやかさと追従性を実現

しなやかさとパワーを兼ね備えるサーベルマスターエクスチューン テンヤ64MH195

【フォースマスター300】
手に収まるコンパクトボディにPE1.5号200mのラインキャパシティと十分なスピードとパワーに加え、探見丸スクリーン(探見丸搭載船にて使用できます)など先進テクノロジーを満載したシマノ最小電動リール

樋口輝のフォースマスター300の設定はファイト速15、さそい速OFF、タッチドライブON

反応は底中心だが中層に浮くこともあった


【取材協力】
愛知県知多半島片名漁港・忠栄丸
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