2023/05/23
コラム
まさに今から開幕。浜名湖沖のタチウオ。
浜名湖沖のタチウオ釣りは初夏の5〜6月に開幕、翌年冬の2月一杯で終了するのが通例ながら今年は3月も釣れた。さすがに4月は群れが見つかるか……という状況ながら、釣華丸・北川典弘船長に無理を承知で出船していただいた。
メイン釣り場は天竜川河口の沖にあたる天竜堀と、静岡・愛知県境の沖にあたる鮫堀(さめぼり)の2カ所。ともに海溝が深海から大陸棚にせり上がる場所で、水深は主に150mかそれ以深。
4月上旬、浜名湖奥より出船し、弁天流しのマゴチ釣りを横目に今切口(いまぎれぐち)を抜け、遠州灘を40分ほど西に走って到着したのは鮫堀。
当地のテンヤは80号が基準、富所さんはサーベルマスター船テンヤ60号にスナップでオモリを足して調整、フォースマスター600とサーベルマスターエクスチューンテンヤ82MH180のタックルでスタンバイする。
「水深160m、反応は140~150m付近に出ています。30mくらいは探ってみてください」
船長のアナウンスで開始。
苦戦を覚悟しての1投目、予想に反して明確なアタリが出て1本目のタチウオが上がる。
「初めての場所で釣れた最初の魚は、何ごとにも代え難い感動があります」
全国を釣り歩く富所さんをして、初の浜名湖沖タチウオである。
魚の活性は高いようで続けて喰ってくる。アタリは素直で、掛け損じてもアタってくるため空振りが少なく、深くても効率良く釣りができる。
「こうなるといろいろ試したくなります」
富所さんは竿をサーベルマスターエクスチューンテンヤ91H173に交換し、東京湾のドラゴンメソッド・省エネバイブレーション釣法を試す。
すると、反応の中ならどこでもアタって掛かってくる。
「次はジャーク・アンド・ステイです」
深い分しっかりシャクって長めに止めると、教科書通りの跳ね上げアタリと飛び込むアタリが出る。
「では、ストップ・アンド・ゴー」
竿を止めたままフォースマスター600のハンドルを2〜3回転(約1.5〜2m)回し、タチウオの体長分誘い上げて止めると、次にハンドルを巻いた瞬間ドン!とフッキング。
「常連さんがやっている微速巻きは〝さそい速〟5でいきましょう」
深場で幅広く出ている反応を効率良く探ることができる微速巻きは浜名湖沖のメイン釣法。そのままでも釣れるが、小さなアタリが出たらハンドルで1回、2回と巻きを加えて追わせてやると、面白いように掛かる。
船長や常連さんによると、テンヤの釣り方とタチウオの喰いは当日とシーズン中でそれほど変わりがないそうだ。
「浜名湖沖のタチウオはタナが深い反面、素直で釣りやすいですね。これで5〜6月にはドラゴン級が中心で、指幅7本を超えるスーパードラゴンも出るというのですから驚きです。東京湾や大阪湾で悩んだ釣り人は、ぜひ浜名湖沖で本来の楽しさを思い出し、癒されてほしいですね」
船長に再訪を約束して船を降りる富所さん。東京湾と大阪湾の中間に新たなドラゴンスポットを見出した、実り多い釣行であった。
【テンヤタチウオ四大釣法】
全てで素直に釣れる浜名湖沖
その一
【微速巻き】
その二
【ストップ&ゴー】
その三
【ジャーク&ステイ】
その四
【バイブレーション】
FISHING TACKLE
【取材協力】浜名湖寸座マリーナ・SEEKERS 釣華丸
関連記事
RELATED COLUMN