2020/07/31
コラム
タチウオゲーム新時代
西日本発のテンヤタチウオが関東でも本格的な広がりを見せている今年、東京湾のタチウオゲームは、テンビン仕掛けとテンヤの同船がさらに進む「新時代」を迎えつつある。 今回はタチウオゲームのためのタックルをご紹介。
リールはフォースマスター600シリーズ
「タチウオでテンヤ、テンビン、両方こなすのなら、リールは間違いなく「フォースマスター600/601」が最適でしょう」
日本各地でタチウオを釣る富所潤さんは、フォースマスター600とタチウオ釣りの相性のよさは必然と考えている。
「タチウオ釣りのどこが一番面白いかと問われれば、アタリ、そして掛けること、と答える人が多いと思います。その『おいしいところ』を効率よく、より楽しむことに、電動リールは大きく貢献します」
であれば、電動リールは軽く、小さいほどいい。とはいえ、パワーとスピードがなくてはいけない。
「たとえば、アワせたときの衝撃や、ドラゴンが掛かったときの重量は青物に匹敵します。かといって、パワー重視で感度や操作性をスポイルする形状や重量では本末転倒。その答えが、フォースマスター600シリーズなのです」
フォースマスター600は、シマノの中ではフォースマスター300と400に次ぐ小型・軽量電動リールでありながら、MUTEKI MOTOR+によりシマノ巻上げ力は46kg、実用巻上持久力は6kgを誇る。
「しかも、パーミングしたまま親指の指圧で細かく、素早くスピードコントロールを行える『タッチドライブ』に、昨年発売されたフォースマスター601より『中間速設定』が加わり『NEWタッチドライブ』となり、今回発売されるフォースマスター600にも採用され、抜群に使いやすくなりました」
中間速設定とは、不意に強く押したときに、設定した速度以上にならない機能。釣りに夢中になり、反射的にタッチドライブを強く押してしまっても全開にならないためバラシを抑制できる。
「設定も簡単です。メニューボタンを長押しして……」
さっとやってみせる富所さん。初期設定は速度31段階中の17。
「実はこの17という中間速が、タチウオ釣りにピッタリなのです」
実釣テストで速度の単位など様ざまな設定が試される中、この「中間速17」がタチウオ釣りでのフッキングからやり取りに最適だったそうだ。
「ちなみに、マルイカやライトヤリイカなら中間速を10~12、コマセマダイやアジならさらに遅くてもいいかもしれませんし、スロージギングなら17よりやや早めなど、ターゲットに応じて設定を変えるのもおすすめです」
アタリ→アワセ→タッチドライブオン。これだけでベストな巻上げに移ることができ、その後は従来のタッチドライブと同じく31段階で細やかに速度調整できる。
「またモーターの反応、つまりレスポンスや、テンションをコントロールする巻上のモードなど、シチュエーションごとに好みに応じて設定できます」
なお、初期型フォースマスター600は、有償でNEWタッチドライブへ変更することができる。
ロッドはサーベルマスター
「すでにテンビンを経験している方で、テンヤタチウオをやってみたいという方には、ぜひこの竿をおすすめします」
そう言って富所さんが紹介するのは「サーベルマスターBB」。中でも82 MH180はエントリーに最適だと言う。
「テンヤタチウオの一番の驚きは、カンッと金属的に伝わってきたり、フワッと抜けたりする独特のアタリだと思います。初体験の人はカルチャーショックを受けるほどでしょう。その違い、その気持ちよさを味わうなら、最もタチウオロッドらしい、バランスの取れた竿がおすすめです。BBの82 MH180は、まさにテンヤタチウオの楽しさが味わえる竿です」
シマノのタチウオロッド、サーベルマスターシリーズは、フラッグシップの「サーベルマスターXTUNE テンヤ」一線級のテクノロジーを搭載する「サーベルマスターSS テンヤ」そしてこの夏、求めやすい価格帯の「サーベルマスターBB」が発売される。
この3シリーズ、素材や重量、仕様は異なるものの、基本的な設計やコンセプト、つまりバランスや調子といった「血統」は共通している。
「もちろん最初からSSテンヤ、XTUNE テンヤを使っていただいてもいいですし、BBを使ってさらに突き詰めたくなったら上位機種でもいいと思います」
素性の優れる入門用ロッドは、そのジャンルを押し上げる原動力になる。
「また、1本の竿でテンヤ、テンビン両方を楽しみたいと言う方には、BBの73 MH185が私のおすすめです」
竿先を大きく曲げながら富所さんは説明する。
「この竿は、82だとアタリを弾いてしまう、しかし、73だとクイックにテンヤを動かせずアタリが出し切れない、そんなときに最適な調子を求めて作りました。つまり柔軟で、やや長めの穂先で喰い込みがよく、同時に、胴から元には張りがあって誘いやアワセが効く。いわば、タチウオ版のゼロテンロッドのような雰囲気の竿です」
アタリを弾かない穂先と、仕掛けを動かしやすい胴~元は、テンビン仕掛けにもフィットする。
「BBにはテンヤの文字が冠されていないように、73 M190、73 MH185、82 MH180、82 HH170、91 H185と、しなやかなタイプから先調子まで5アイテムすべてがテンヤ、テンビン両方に対応することができます。つまり、船タチウオのすべてのシーンをカバーできるラインナップになっています」
まさに新時代のタチウオシーンにおいて機軸となる入門ロッドだろう。
「同じく今回、SSテンヤに73 MH185が加わりました。そしてXTUNE テンヤには、上下動の大きいミヨシでも扱いやすい競技志向ロッド、91 H173が追加されました」
進化し続ける関西のテンヤタチウオの最前線と、テンヤとテンビンが共存する新しい時代を迎える東京湾。すでに浅いタナで釣れ始まり夏タチ模様、ニューアイテムでの釣行が待ちきれない富所さんであった。
FISHING TACKLE
ROD
サーベルマスター XTUNE テンヤ 91 H173 RIGHT
全長 1.73m
継数 2本
仕舞寸法 126.2cm
自重 142g
テンヤ号数 30~60号
サーベルマスター SS テンヤ 73 MH185 RIGHT
全長 1.85m
継数 2本
仕舞寸法 96.5cm
自重 135g
テンヤ号数 30~60号
サーベルマスター BB 73 MH185
全長 1.85m
継数 2本
仕舞寸法 95.8cm
自重 110g
テンヤ号数 30~60号
サーベルマスター BB 82 MH180
全長 1.80m
継数 2本
仕舞寸法 93.9cm
自重 110g
テンヤ号数 30~60号
REEL
フォースマスター600
ギア比 5.1
最大ドラグ力 8.0kg
自重 495g
糸巻量PE[タナトル8] 2号300m
3号200m
ハンドル長 65mm
フォースマスター600DH
ギア比 5.1
最大ドラグ力 8.0kg
自重 500g
糸巻量PE[タナトル8] 2号300m
3号200m
ハンドル長 55mm
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テンヤ
サーベルマスター 船テンヤ ゲキハヤ
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