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2025/06/20

コラム

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テンヤの「ザ・スタンダード」。 バレットテンヤ 富所潤と吉田昇平の実釣&解説 in東京湾

テンヤの「ザ・スタンダード」。 バレットテンヤ 富所潤と吉田昇平の実釣&解説 in東京湾

シマノ タチウオテンヤに加わった『サーベルマスター バレットテンヤ』は、トータルバランスに優れた「ザ・スタンダード」。大阪湾を中心に活躍する技巧派の吉田昇平さんと、東京湾で省エネバイブレーション釣法を確立し、全国を釣る富所潤さんが、冬の喰い渋り時期の東京湾で実釣。バレットテンヤの機能、エサ付け方、東京湾と大阪湾のみならず全国でのカラーローテーション・使い分けを解説。

エサが巻きやすく潮の抵抗がわかるヘッド

断面がフラットでエサを巻きやすく、砲弾型で潮の抵抗をつかみやすいヘッド

断面がフラットでエサを巻きやすく、砲弾型で潮の抵抗をつかみやすいヘッド

『サーベルマスター バレットテンヤ』の特徴は、砲弾型のヘッド。富所さんは、フォールとエサの付けやすさが優れているという。
「ヘッドが平たい『サーベルマスター船テンヤ』が速く沈みヒラを打ちやすいのに対し、バレットテンヤは、ゆっくりでかつクセのないフォールをしてくれます。ヘッドの後ろがまっすぐなので、イワシもまっすぐに切ってそのまま当てればよく、誰でもきれいにヘッドと一体化して巻くことができます。付け餌のはみ出した部分が水を受けて開いてしまうことがありますが、このバレットテンヤはそのようなことが起きにくく、余計な抵抗も発生しません」
吉田さんは海中の様子が把握しやすいという。
「砲弾型は引き抵抗があるため、潮の境を感じやすい。ここはちょっと重たいかなという場所を通過して、ふっと軽くなった所でタチウオのバイトが多く出ます。そうした変化を感じやすくなっています」

実釣インプレッション① 「潮境」をとらえる

タチウオのサワリを感じ、追わせて乗せた。
タチウオのサワリを感じ、追わせて乗せた。

タチウオのサワリを感じ、追わせて乗せた。

いままで富所さんは「潮境がわからない」という人には、硬めのロッドでしっかり弾くようにアドバイスしていた。ただ抵抗を感じやすいバレットテンヤにより潮境がわかりやすくなった。
このときの水深は69.5m。56mほどでテンヤをシャクるロッドが、ふっと軽くなる。これが「潮境」。狙い通り、その潮境で吉田さんにファーストヒット。タチウオが突っ込み、ロッドが引き込まれる。
「来るぞ!がわかるって楽しいですね」
富所さんはタチウオがテンヤに触ったのを感じ、追わせてヒットさせた。
「追わせて、追わせての釣りにも向いている感じですね」
ロケは東京湾。生息域が広がり定着した東北タチウオから沖縄の大型タチウオまで対応できる30~80号の設定で、全国どこでも使えるテンヤだという。

エサの付け方

エサに巻くワイヤーを最後に止めるアイを装備。ヘッド下のアイはワイヤーを巻きやすい形状で、簡単に素早くエサ付けができる。

エサに巻くワイヤーを最後に止めるアイを装備。ヘッド下のアイはワイヤーを巻きやすい形状で、簡単に素早くエサ付けができる。

富所さんによるエサ付けの実演。
エサを巻くワイヤーは、フック後部に固定。3つのアイのうち、中央にスナップ、一番後ろの小さいアイにエサのズレを防止するためのフック「イワシキーパー」をセットする。エサのイワシは適当な長さでストレートにカット。腹側を尻に向かってカットしたら、テンヤの固定ピンに背骨が当たるように押し込み、最初に付けたイワシキーパーを上から刺し、ワイヤーを後ろから前にぐるぐると巻いていく。最後はヘッド下のアイに3回巻いて完成。ヘッド下のアイが長めに露出しているため、大きめのイワシでも巻きやすく、確実に引っ掛けられ、手返しがいいのが気に入っているという。
吉田さんは、ヘッド後部のスパッと切ったような形状でいろいろなエサが巻きやすくなったという。いままで巻きにくかったサンマの切り身も巻きやすい。

実釣インプレッション② エサの付けやすさ

エサの付けやすさはトーナメントでも有利と吉田さん。「スパッと切るだけでOK!」と説明。

エサの付けやすさはトーナメントでも有利と吉田さん。「スパッと切るだけでOK!」と説明。

船上でエサ付けと手返しについて2人が語る。
富所:トーナメントのときは(テンヤにエサを)全部巻いているの?
吉田:(巻き置きできる)個数は決まってるんです。予選は全部巻いてもOKなのですが、セミファイナルからは3つまでです。使う分とスペアが2つまで。
富所:それ以上巻いておくことはできないんだ。
吉田:できないんです。だから手返しが重要となります。今回のテンヤはエサがすごく巻きやすい。
富所:巻くのは誰でもできるけど、普通のテンヤは最後止めるところで時間がかかりますよね。
吉田:巻き終わり部分がわかりやすくて、手返しに役立ちますね。
富所:こっち(東京湾)はドラゴン級が多くて、テンヤが結構ぐちゃぐちゃにされる。そのような時、アイのところでしっかり巻いてあると、巻き終わり部分がよくわかる。
吉田:イワシもスパッと真ん中で切るだけでいい。
富所:スタンダードなテンヤのようで、使うとすごく使いやすいですね。

ふたつのアイの使い方

前のアイなら後ろ下がり、後ろ(中央)のアイなら水平姿勢。
前のアイなら後ろ下がり、後ろ(中央)のアイなら水平姿勢。
前のアイなら後ろ下がり、後ろ(中央)のアイなら水平姿勢。

サーベルマスター バレットテンヤには、ハリスのスナップを付けるアイが2つある。前側のアイを使用すると、尻下がりの姿勢になる。活性が高く積極的に追ってくるときは、フックポイントがタチウオに近くなり、掛かりやすい。
一方、後ろ側(中央)のアイを使うと、テンヤが水平姿勢になる。タチウオから見たとき、バイトのストライクゾーンが広くなることから、アタリが少ないときに使うとよいと言う。
抵抗や比重が違う色々なエサを使うときにも、テンヤを思った通りの姿勢にしやすい。

カラーローテーション・東京湾

「フラッシュゴールド」と「ケイムライワシ」が東京湾の2大鉄板カラー。

「フラッシュゴールド」と「ケイムライワシ」が東京湾の2大鉄板カラー。

東京湾における富所さんのカラーローテーションは、どのような感じなのか?
「最初大阪湾でテンヤタチウオを覚えたため、始めたころはオールグロー(スーパー夜光)だった。何となくすっきりしなかったので、ゼブラ(スーパー夜光ゼブラパープル)にしたらアタるようになりましたね」
そのうち、いま東京で代名詞になっている『フラッシュゴールド』がよくアタり、それがファーストチョイスのテンヤになったと言う。
ただ、やっていく中で「東京湾はちょっと違うのかな?」と考えることもあり、イワシ系(ケイムラリアルイワシ)もセレクトするようになった。「フラッシュゴールド」と「ケイムライワシ」が鉄板の2色だ。
現在は、そこにゼブラ系(スーパー夜光ゼブラパープル、同イエロー、同ピンク)を絡めて使っていると言う。
「朝一の暗いときでも、グローではなくゴールド系で入ることがほとんどで、オールブラック(マットブラック)がハマることもある。東京湾でオールグローはほとんど使わなくなりましたね」

カラーローテーション・大阪湾

大阪湾ではグロー系がメイン。オールグローとゼブラを使い分ける。

大阪湾ではグロー系がメイン。オールグローとゼブラを使い分ける。

吉田さんは大阪湾のカラーローテーションを解説。
「ゼブラ系(スーパー夜光ゼブラパープル、同イエロー、同ピンク)で始めることも多いですが、それでも大阪の鉄板はオールグローの『スーパー夜光』。ゼブラ系でスタートして、周りの人がオールグローで釣れていれば『スーパー夜光』にする感じです。スタートが薄暗いときはオールグローから入ります。そして、夜光の入っていないものが釣れているようなら、『フラッシュゴールド』などに変えていく。水温の下がる時期は、グロー系を嫌う傾向があり、ゴールド系にアタリが増えます」

カラーローテーション・全国

各地の釣り場では「スーパー夜光」「スーパー夜光ゼブラパープル」からスタート。

各地の釣り場では「スーパー夜光」「スーパー夜光ゼブラパープル」からスタート。

各地への釣行が多い富所さんが感じる全国的な傾向では、大阪湾のようなチョイスがメイン。フラッシュゴールドが先発で出ることはまずないという。富所さんも、『スーパー夜光』からスタートすること多く、ここに『スーパー夜光ゼブラパープル』などのあまり光らないものを使ってみたりして、傾向をみるとのこと。
「特に錦江湾や豊後水道など、水深のある場所ではグローでスタートします」
カラーは全色持参する。船釣りでは、自分が釣れないとき、周りが釣れている色が無くて悔しい思いをすることがある。タチウオはセレクティブで、カラー、エサ、誘い方、で釣果が大きく変わる。
「夜光の有無は重要と感じています。東京湾でフラッシュゴールドが当たっているからと、大阪湾で使ってみたら、自分だけアタリがなかった経験もあります」
そんなことから、幅広いカラーを用意する必要性があるのだ。

サーベルマスター テンヤ・セレクト法

開発担当者に「直球ど真ん中のテンヤ」と伝えてできたスタンダードモデルと富所さん。

開発担当者に「直球ど真ん中のテンヤ」と伝えてできたスタンダードモデルと富所さん。

シマノのテンヤは『サーベルマスター 船テンヤ』、『サーベルマスター 船テンヤβ』に『サーベルマスター バレットテンヤ』が加わって3種類になった。
2人はこれらの使い分けも解説してくれた。
まず吉田さん。「『船テンヤ』は水平姿勢でシャンクが長いので大型狙い。引き抵抗が少ないので、潮が速いときやヒラを打たせたいときにも使う。『バレットテンヤ』は中間的な存在で、ヒラを打たせることもフワフワをした誘いもでき、小型も大型も狙える。2つのアイで姿勢も変えられる。『船テンヤβ』は活性が高いときにフックポイントが魚に近くフッキングしやすい。小型が多いときにも使う」とのこと。
一方、富所さんの使い分けは「『船テンヤ』を東京の「省エネバイブレーション」釣法に使う。シャンクの長さからドラゴン狙いにも。『船テンヤβ』はアタリが小さいときに。『バレットテンヤ』をパイロット的に使って、魚が大きければ『船テンヤ』、魚が小さいもしくはエサをかじられて掛からないときは『船テンヤβ』に変更する。『バレットテンヤ』はスタンダードな特性だから、これだけで全国のエリアを釣ることも可能。3種類で迷ったとき、最初の一本としておすすめです」

実釣インプレッション③ アタリがあるタイミングがわかる!

富所さんの良型タチウオ。「どこへ行くにもボックスに入れておきたい」

富所さんの良型タチウオ。「どこへ行くにもボックスに入れておきたい」

富所さんは掛からなかったアタリの後、ふたたびシャクリを入れて止めた瞬間にフッキングに持ち込んだ。
吉田さんもヒット。
「軽くなって、ここっていうところでアタリがある。ここでアタリがあるよ!がわかるテンヤ。楽しい!」(吉田さん)
「喰わせの間がわかるから、準備もできる」と富所さん。
「タチウオさんざんやってますけど、再びハマりそうです」(吉田さん)
現在タチウオの生息範囲は広がっている。そんななか最初に手にするテンヤとしてスタンダードな『バレットテンヤ』は2人ともおすすめだという。
「最初に使いたい」(吉田さん)
「どこに行くにしてもボックスに入れておきたいテンヤです」(富所さん)

プロフィール

富所 潤 (とみどころ じゅん)

[インストラクター]

アオリイカをはじめ、その他のツツイカ系を含めたライトタックルゲームに没頭。アングラーが楽しい・面白いと思えるような釣り情報を発信し続けている。整形外科医の顔を持つため"イカ先生"と呼ばれる。

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プロフィール

吉田 昇平 (よしだ しょうへい)

[フィールドテスター]

兵庫県在住。幼少の頃から釣りを始め、やがてタチウオ釣りに傾倒。
魚の状況を見極めてアジャストするアプローチは定評があり、2018年の大阪湾タチウオKINGバトルでは念願の優勝を果たした。
また、マダコをはじめとする関西近海の船釣り全般にも精通する。

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