2023/03/16
コラム
東京湾のテンヤタチウオ。直感的に巻いて掛ける冬の大型タチウオ。

ここ数年、2月から3月の「冬タチ」と呼ばれる東京湾のタチウオ釣りは、アタリを出すこと、掛けることが一筋縄ではいかない、けれど釣れれば大きい、難しくも面白いシーズンとなっている。
電動フッキングとファイトの作法
跳ね上げアタリと大型の突っ込み、喰い上げに対処する。
富所潤さんが三浦半島走水港を訪れたのは年明けの数釣りが終息、大型主体になってきた2月の初め、まさに「冬タチ」模様の真っ只中。
釣り場は走水沖の水深60m台。船長のアナウンスするタナは55~50m前後。富所さんは指示ダナの下限までテンヤを沈め、電動微速巻きを入れながら省エネバイブレーションで探っていく。するとテンヤの抵抗が軽くなる場所に差し掛かり、不意に穂先が跳ね上げられる。
「アタった!」
同時に素早く竿を上げてアワせに行く。しかしまだフッキングしていない。ここで富所さんは瞬時にタッチドライブを強く押し込む。
MAXスピードに加速するモーター音とともに竿が曲がり込み、フッキングに成功。その直後、大型特有の強烈なバックスライドで竿が引き込まれる。
富所さんは反射的にタッチドライブから指を離し巻き上げ速度を緩め、動く根掛かりのような引きに対応する。すると今度は一転して大型タチウオは激しく上に泳ぐ。「つ」の字を描いていた竿が突然テンションを失うと再度タッチドライブを押し、瞬時の早巻きでタチウオの動きに追従する。
「大きいですよ!これは面白い!」
50mに及ぶスリリングなファイトを堪能して上げてきたのは、指幅5本を優に超える身の分厚い大型。そして次投も、同じパターンでヒットさせた。
「今は潮が素直で喰いダナが見つけやすく、タチウオの活性も高く誘いも決まっています。穂先を跳ね上げられる強烈なアタリは、まさにその証拠です。跳ね上げアタリはアワセ損ねることも多いのですが、フォースマスター600のフッキングモードによる電動アワセはフッキングの確率が非常に高いです。というか、これ、ほぼパーフェクトですよ!」
付け加えるなら、タッチドライブスピードロックを活用したファイトはハリ外れによるバラシもない。
「できすぎではないか、と思えるほどですが、フォースマスター600の機能はテンヤタチウオに非常に有効です。今、時合ですから、楽しんでいいですか?」
平均で指幅5~6本、全長120cm級も交じる冬タチの強烈なアタリと引きを夢中になって楽しむ富所さん。
見ていて驚いたのは、アワセからファイト中、ほとんどリールを見ていないこと。つまり親指の感覚で、全て直感的に操作しているのだ。
「より直感的に操作できる電動リール」
フォースマスター600はタチウオ釣りのあらたな魅力と可能性を引き出す。その進化は、次世代タックルへの布石と言えるかもしれないs



【さそい速】
タッチドライブをワンタッチ。あらかじめ設定した速度に。

① 電動微速巻きを入れながら省エネバイブレーションで誘う。

② 跳ね上げアタリにアワせるものの魚も上に泳ぐためフッキングしない。

【フッキングモード】
静止、またはさそい速で巻き上げている時、1回強く押し込むとMAXスピードまで増速する。

③ 瞬時にハイスピート巻き上げ。フッキングへと持ち込む。

④ ガッチリとフッキングする。

【タッチドライブスピードロック①】
ファイト速を設定しスピードロックをONにしておくと、フッキングの後、タッチドライブから指を離すとファイト速へ減速して激しい引きに対応できる。

⑤ フッキング直後に大型は強烈に引き込む。

【タッチドライブスピードロック②】
タッチドライブを押すとMAXまで増速、離すとファイト速に戻る。目線は竿の動きとミチイトの方向に集中したまま、直感的な加減速が可能。

⑥ 一転、大型ほど急激に上に泳ぐ。竿の動作だけでは対処が間に合わないことがある。


【富所さんの中間速設定例】
さそい速は0または1~6。ファイト速は大型に対応すべく12~14とやや遅め。

タックルの作法
押すか、離すか。直感的な操作がテンヤタチウオをさらに楽しくする。

【フォースマスター600DH】
テンヤタチウオ釣りにおける誘い、アワセ、ファイト、全てをタッチドライブで対応可能にしたリール、それがフォースマスター600です。機能が多彩なので一見、難しく思われるかもしれませんが、操作は全てタッチドライブを押すか、離すかだけ。設定もスマートフォンより簡単です。より直感的に巻き上げを行えるため、ロッド操作、引きの感触といった釣りの面白さを際立たせてくれる電動リールといえます。

【NEWフォールレバー】
オモリ80号相当まで対応、フォールスピードを制御する。レバーを締め込んでもハンドルに干渉しないため一度セットしたレバーを戻す必要がなく、速度も表示されるためヒットパターンの再現も可能。

【手巻きハイギア化&ドラグ力UP】
1回転あたりの巻き上げ距離67cmとハイギア化、最大巻上長を約30%アップ(※)したハンドルにより、ハイギア仕様の手巻きリール同様の操作感での誘いが可能。ドラグ力は25%アップ(※)の10kg。
※20フォースマスター600との比較

【MUTEKI モーター+】
高レスポンス・ハイスピード・安定したパワーを発揮するMUTEKI MOTOR+を搭載。手返しやファイトにおいて釣り人をサポートする。

【タッチドライブスピードロック】
自動車のアクセルのように押している間は巻き上げが加速し、離すと減速する機能。強烈な喰い上げやファイト時に「瞬時に早巻きし、瞬時に元の速度に戻す」ことを、指の感触でより直感的に行うことができる。

【フッキングモード】
静止、または、さそい速からワンタッチで最高速まで瞬時に加速させてフッキングさせる機能。テンヤタチウオで強烈な跳ね上げアタリが出たときなど、どんな体勢でも安定した素早い電動アワセを可能にする。

【中間速2段階設定】
タッチドライブを強押ししたときにMAXスピードまで上がらず、設定した速度になる設定が「中間速」。フォースマスター600では中間速を「さそい速」と「ファイト速」の2段階に設定できる。「さそい速」はテンヤタチウオや鯛ラバなどで有効。「ファイト速」は魚種により設定することで安定したやり取りを可能にする。

【探見丸スクリーン】
液晶画面に探見丸の情報を表示。探見丸搭載船であれば海中の魚群、海底の変化をリアルタイムで知ることができる。


食の作法
タチウオの糸造り
~皮をあぶらず生食できる調理法~


① 釣りたてのタチウオを三枚におろす。

② 包丁の刃先を使ってサクに対して斜めに引くと糸造りの出来上がり。

③ ゴマ和えのゴマペーストは、おろし生姜・ごま油・すりゴマ・砂糖・しょう油少量をよく混ぜ合わせる。

④ タチウオの糸造りに和えてから盛り付け、小ネギを散らして完成。
【取材協力】三浦半島走水港・教至丸
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