タッチドライブスピードロックの機能をコマセマダイで活用するとき、私はタッチドライブスピードロックを[ON(オート)]に、中間速である「さそい速」と「ファイト速」をともに[OFF]にして、タッチドライブを押した分だけ巻き上げが加速し、離すと巻き上げがストップ、いわば自動車のアクセルような使い方で使用します。仕掛け回収の時は、私はタッチドライブスピードロックを[OFF]にして使用します。マダイが掛かってからのやり取りでは私は竿を持ち上げた分だけリールを巻くポンピングを行うのですが、先ほどの設定にしておくと、タッチドライブで巻いて、止めてをレスポンスよく、クイックに操作することができるのでロッドワークに集中できます。
これはコマセワークも同様で、竿を上げてコマセを振り出し、竿を下げながら素早く巻き取る動作を指の感触だけで行えるため、ミチイトのマーカーを目で追いながら、水深とロッドワークに集中することができます。もちろんコマセマダイですのでドラグはハリスに合わせた緩めの設定で使ってください。ドラグを緩めに設定していれば、万が一誤って速く巻き上げ過ぎてしまってもハリスが切れたり、魚がバレることはありません。気をつけたいのは巻き上げのレスポンスで、慣れるまではモード設定を[ノーマル]や[スロー]にしておきます。[クイック]はさらにレスポンスよく操作できますが、慣れないうちはせわしなくなってしまうかもしれません。[スロー]は、押圧に関係なく「ノーマル」設定よりも緩やかにスピード調整が可能になりました。タッチドライブが初めての方には、おすすめの設定です。
また、ポンピングせずに竿を一定の角度に保ってヤリトリする方には、ドラグを緩く設定したうえで「ファイト速」のみ[10]前後として、タッチドライブスピードロックを併用するのがおすすめです。
このほか大きく変わった点としては、探見丸スクリーンが搭載されたことにより、探見丸子機を持っていない人でも探見丸の情報をリアルタイムで得ることができます。この「情報」は非常に大切なものです。私の場合、魚探映像とコマセワークや落し込みのタイミングをシンクロさせることで効率的に釣果アップを狙っています。
NEWフォールレバーはコマセマダイにおいて、錘80号で滑らないようにセットして、緩やかに沈めていくように使うことで、落し込みの誘いに活用できます。ただ、同じ水深でも潮の速さなどによって抵抗が変わってきますので、その都度調整したいところですね。落し込みの誘いはフォールレバーだけでなく、サミングしながらクラッチ操作ができるスピードクラッチによって、サミングしながらの小刻みな落し込みも大変気に入っています。個人的には、手持ち竿のときはフォールレバーでジワジワと、置き竿の時はスピードクラッチで小刻みにクイックに落し込む。そんなイメージですね。また、ハンドルのギア比が上がっているため手巻きでの巻き上げ速度が上がるとともに、適度な手応え、巻き感が良くなっているので、コマセワークや、やり取りは手巻きで楽しみたい人、アマダイなど誘いを多用する釣りなどでも満足できるはずです。
釣りはそれぞれリズムがあると思います。そのリズムが狂わないレスポンスを実現してくれるのがタッチドライブ。そして細部にわたる機能の充実。新しいフォースマスター600を一言でいえば、リズムよく釣りができる、気持ちいいリールですね。