2022/09/26
コラム
東京湾のタチウオ。テンヤ&テンビンでアタリの出方が変わる一工夫。
夏以降ドラゴン級が頻繁に顔を出すようになった東京湾のタチウオ釣り。走水~猿島沖には連日船団ができ、船上は人気のテンヤ、安定のテンビン仕掛けで賑わっている。
二大釣法と呼べるテンヤとテンビンは、どちらか専門で釣る船と、両方持参し途中で交換可能な船がある。
INDEX
東京湾タチウオ釣りの作法
テンビンではフォール
テンヤでは水平姿勢を作り出す。
この日、松本圭一さんは船長の了解を得て朝方はテンビン、その後はテンヤに交換の予定。サーベルマスターTT73 M190とフォースマスター200の組み合わせを手に、まずは港の目の前、水深60mでスタート。
テンヤが苦戦した冬~夏までの間、東京湾ではテンビン仕掛けが活躍、その釣り方は進化しており、最近はシャクリの後の「止め」において、一瞬のフォールを演出するのがトレンドだ。
シャクリの大きさ、強さ、ハンドルを巻く量を調整し、アタリが出る誘いを探っていく松本さん。
「今は強くシャクって、巻きを少なくして大きくフォールさせたほうがいいみたいです」と、コツをつかんで連続で釣り上げたところで、船は大型が出るポイントへ。
松本さんはタックルはそのままテンビン仕掛けからテンヤに交換。竿を断続的に上下に揺する、いわゆるバイブレーション釣法で探る。
「バイブレーション釣法は8:2調子や9:1調子など先調子竿が好まれるのですが、私はしなやかな7:3調子の竿を愛用しています。全体的に軟らかい分、アタリを弾かずに掛けられることが多く、気に入っています」
その言葉どおり、7:3調子竿のバイブレーションで順調に釣り上げていく松本さん。小刻みにハンドルを回す手巻きに加え、電動微速巻きでのバイブレーションも併用している。
「手巻きのときはテンヤが水平に近い姿勢でヒラを打っては止めるイメージ。微速巻きのときは、テンヤがやや上を向いてヒラを打つイメージです」
当日はどちらでも好調に釣れるものの、双方とも「止め」を入れたほうが掛かりが良いと言う。
でも、電動微速巻きではテンヤを止められないのでは?
「簡単ですよ。テンヤを止めたいときは、電動巻きはそのまま、竿を下げて行けばいいんです」
ミチイトのマーカーが動かないよう、電動巻きと同じ速度で竿を下げていけばテンヤは海中で止まる。
「ほらアタった!」
小さな工夫ながらその積み重ねが引き出しになる。操作性に優れるタックルを活かし、存分に楽しむのが松本さんのタチウオ釣りの作法というわけだ。
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テンビン仕掛けはコノシロエサ。
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テンヤは40号と50号。
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海底から10mほど上に濃密な反応。この間アタリは途切れなかった。
【微速巻きバイブレーションの一工夫】
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この日最もアタったのが巻き速度1。
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左手でリールをパーミング、右手をロッドに添えて上下に揺する。
【テンヤを止めたいときは】
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水平やや上へとバイブレーションで誘ったら、電動巻きと同じ速度で下げていく。
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やや上を向いていたテンヤが水平でステイするイメージ。
【テンビンでのフォールとは】
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①竿を下向きに構え。
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②しっかりとシャクる。この時点ではハンドルを巻かない。
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③強めにシャクって止めた直後、竿先がオモリの重さで曲がる。このとき海中のエサがフォールしてタチウオに喰わせる。
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海中でのエサの動き。
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昼過ぎから沖揚がりにかけて大型が連続して掛かってきた。
タックルの作法
テンヤもテンビンも最も大切なのは操作性。
サーベルマスター TT
私は7:3調子を多用するスタイルなので73 M190を中心に使いましたが、テンビン、テンヤともに釣りやすかったです。73、82、91と使ってみた印象は、どれもバットがしっかりして操作性がよく、タチウオ釣りで必要とされる基本要素が満たされています。東京湾でオールマイティーに扱いやすいのは82MH。長さは好みでいいと思います
フォースマスター200
さまざまな要素の中で、タチウオ釣りのタックルにおいて最も重要だと思っているのが操作性です。誘いやすさ、パーミング性や疲れにくさ、軽さなど。中でもフォースマスター200のタッチドライブの扱いやすさは秀逸。中間速設定により思わぬ早巻きでバラすことなく、掛かってから落ち着いて速度調整できます。同時にハンドルもハイギア化されているために手巻き同様の誘いや巻きアワセができます。テンヤでもテンビンでも、タチウオ釣りにおいてこの操作性は欠かせません。
ロッド
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サーベルマスター TT
リール
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フォースマスター200
テンヤ
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サーベルマスター 船テンヤ
探見丸
CV-FISH
専用バッテリー
BTマスター 11AH
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【サーベルマスターTT】
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左右どちらにも対応するXシートデュアルガングリップは誘い時の手首の負担を軽減する。
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【フォースマスター200】
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「電動と手巻き両方の長所を持ったリール」と松本さん。
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狭いタナを繰り返し攻めるタチウオ釣りではワンタッチでクラッチのオン・オフができるスピードクラッチのメリットが大きい。
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MUTEKI MOTOR+の速さとタッチドライブの操作性はタチウオ釣りを快適にする。
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ハンドル1回転あたり66cm。テンヤでもテンビンでも、手巻きリール同様のアクションが可能にする。
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これまでの3色に7色が新たに加わり10色のラインナップに。松本さんお気に入りのゴールドラメに加え、新色のNブラック、Nアカキン、Nイワシは早くも東京湾で実績を挙げている。
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食の作法
〜釣り人ならでは簡単&絶品丼〜
【材料】
釣りたてのタチウオ
強力粉適量
サラダ油適量
蒲焼のタレ
1.三枚におろしたタチウオの身に、強力粉を両面にまぶし、余計な粉を払い落とす。
2.フライパンに油をひいて中火で身側から焼き、焼き目がついたら反対も。
3.両面こんがりと焼けたら、キッチンペーパーで余分な油を拭き取る。
4.ここに市販の蒲焼のタレを絡めて丼に盛ったご飯に乗せれば蒲焼丼の完成。
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風味付けにサンショウがあれば最高です!
【取材協力】三浦半島走水港・関義丸
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