2024/05/16
コラム
現代沖イカメソッド、ヤリイカ直結のコツ。
「ヤリイカは小さくても竿先にアタリを出します。その点では、群れがいればスルメイカより釣りやすいんです」
加えてタナはほとんど底だから、ツノ数が少ない仕掛けでも容易にタナを探ることができる。松田竜也さんは沖イカ入門にヤリイカが向いている理由をそう述べる。
ヤリイカ直結の作法
大型が多い春はヤリ直結の最適期、マスターすれば怖いものなし
3月中旬の南房・白浜沖。春のヤリイカ釣り随一の人気ポイントだが、今期は他の場所と同様に模様は不安定。それでも船長の入念なリサーチの後、水深175mで投入すると難なくヤリイカの乗りをとらえる。
松田さんが使っている「イカセブンMH155」は、ニセイカサイズのスルメイカやヤリイカに向く操作性と感度に加え、乗りを弾かないしなやかさを併せ持つショートレングスモデル。
「この竿はヤリイカ直結にも適します。まずは直結仕掛けで始めて、状況によってはブランコ仕掛けも使おうかと思います」
取り込みは直結仕掛けの鉄則、手を止めることなく流れるような動作でたぐり込む。
「ヤリイカで直結仕掛けを使う理由ですか? 慣れているし、好きだから、ですかね」
海域にはサバも多く回遊しているが、サバがいない場所にはイカもいない。ブランコ仕掛けで粘り強く対応するか、サバに捕まらない直結仕掛けで釣るか、悩ましい状況だ。
「数をたくさん付けるならブランコ仕掛け、快適に釣るなら直結仕掛けですが、ヤリイカの乗りが渋いときは直結が難しいのも事実です」
松田さんによれば、スルメなら直結仕掛けのほうが乗りのいいことも珍しくないのに、ヤリイカは明らかにブランコ仕掛けのほうが乗りがいいそうだ。
では、直結仕掛けでどうやって釣ればいいのか?
まず、着底直後、糸フケを取ったら止めて、着乗りを慎重に探るのが第一。
次に、オモリを底から離して、シャクってはストンと仕掛けを落とし、止める。
このときのタナは底周辺のまま。仕掛けを落し込むことでツノを踊らせ、止めの間でアタリ=乗りを待つ。
そしてもう一つ、微速巻きで乗りを誘う。当日、松田さんは微速巻きで乗せることが多く、穂先にわずかな変化が出たらゆっくりと聞き上げ、巻上げ速度をやや早めることで掛けていた。
波のピッチや潮の速さによっても変わるが、ヤリイカであっても直結での巻上げは平均して毎秒1m強と早め。
そして手を止めない取り込み。一連の動作は決して簡単ではないが、練習で習得できると松田さんは言う。
「春はヤリイカが大きいから乗りも分かりやすいし、バラシも少ない。ぜひ、ヤリイカの直結仕掛けに挑戦してほしいですね」
決して反応が多くない中でも着実に釣り続けた松田さんは、結局ブランコ仕掛けを出すことなく、ヤリイカ直結を堪能したのであった。
【直結仕掛けの取り込み】
【ヤリイカ直結の誘い】
タックルの作法
沖イカ事情に適した実釣感度。タックルの進化で、より快適に。
【イカセブン MH155】
「深場や速潮時に150号オモリでも難なく操作でき、ブレず、シャクリや巻きの中でイカの乗りや気配を察知できる。新しいイカセブンの実釣での感度は、ひと昔の竿と比べると飛躍的な進化で驚くべきレベルです。逆に言うと、これだけ道具が進化しているからこそ、模様が不安定な中でもチャンスをものにできます。さらにリールは小さくパワフル。条件はハードになっているけど、釣り自体は疲れなくなっています(松田竜也)」
【フォースマスター2000】
食の作法
ヤリイカのカルパッチョ
〜釣れたてのイカを生で堪能〜
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