2025/01/17
コラム
セフィア クリンチシリーズ完全理解① 『エギのタイプ選び&ローテ 超シンプル理論』
エギングはエギという1種類の疑似餌(ルアー)しか使わない唯一無二のルアーフィッシングだ。アクション以外で違いをみせられるのはサイズ、カラー、そしてタイプのみ。「釣れるエギを選ぶ上で、タイプの使い分けはかなり重要です」という湯川さんが実践するエギのタイプセレクトとローテーションを教えてもらおう。
アングラープロフィール
湯川マサタカ MASATAKA YUKAWA
エギ選択、基準はノーマル。沈降速度の違いで各タイプを使い分け
エギのタイプはノーマル、シャロー、ディープの3つに分類されるのが一般的だ。
「クリンチシリーズにはスーパーシャロータイプのクリンチロングアピールジェットブーストもあります。タイプの違いは沈降速度の違い。例えばノーマルタイプのクリンチフラッシュブースト3.5号の沈降速度は1m沈むのに3.7秒。水深や潮の流れなど釣り場の状況がわからないときは、まずはノーマルタイプを投げてみます」
文字どおりノーマルタイプがエギのタイプの基準になる?
「そうです。ノーマルタイプを投げて水深はそこそこあるのに潮も風もなくてすぐに着底したり、根がかりが多いときはシャロータイプ。逆になかなか着底しない、底がわかりにくいという状況ならディープタイプというのが、タイプの使い分けの基本的な考え方。勘違いしてほしくないのが、シャロータイプ=浅場専用、ディープタイプ=深場専用ではないということです」
イカの反応に応じて使い分ける方法も解説
着底のわかりやすさでいうと、水深があるほどディープタイプが有利ということになりますが?
「エギのタイプがあるのは、もう一つ理由があります。アオリイカの習性です。活性の高いやる気のあるイカほどエギの姿勢が頭下がりの速いフォールでも喰ってきます。極端にいえば真下に沈むエギにも反応します。逆に活性の低いイカや大型のイカは、水平に近いフォール姿勢のほうが反応しやすい。ノーマルタイプは反応しないのに、シャロータイプに替えた途端に喰うことは良くありますからね」
活性を問わず喰わせやすいのはシャロータイプになる?
「春の大型イカには間違いなくゆっくり沈むエギが効きます。逆に例えばシャローエリアでイカの活性が高ければ、シャロータイプより速く沈むノーマルタイプのほうがテンポ良く探れて、結果的に釣果が伸びます。イカの活性が高いときは重めで効率良く、イカの活性が低いときは着底がわかる範囲で軽めのエギを使いスローに誘う。これが釣れるエギ選びのコツといえます」
エギのタイプによってシャクリ方を変える。シャロータイプはスローなテンポで
エギのタイプによって使い方に違いがあるのか? これも気になるところだ。
「シャクリはエギを左右にダートさせるために行いますが、重いエギほどシャクった後に頭をスッと素早く下げるから、パンパンパンッと早いテンポでシャクっても機敏に反応します。シャロータイプなど軽いエギほど、シャクリでフワッと動く。頭を下げるまでの間も重めのエギより長くなり、エギが頭を下げない状態でシャクってもダートせず、真っ直ぐ抜けたり、浮き上がってしまいます」
シャロータイプのエギは、ノーマルやディープタイプより早いテンポのシャクリが苦手ということだ。
「軽いエギほどソフトかつスローなテンポでシャクリます。シャクった後も間を置いて(首を)振ったなというタイミングで次のシャクリを入れます。あと一般的なシャロータイプのエギはダートのキレが鈍く、だからといってちょっと強くシャクるとアクションが破綻したり、急浮上するといったジレンマがあります。クリンチシャロー3.5号などクリンチシリーズのシャロータイプは、シンカーの形状や取り付け位置を計算し、切れ良くダートしてアクションも破綻しにくい。このバランス設計もクリンチの強みです」
フレッシュなスポットを攻略できる、最後の切り札エギ
セフィア クリンチシリーズで、特筆すべきタイプが湯川さんがいう“スーパーシャロータイプ”のセフィア クリンチロングアピールジェットブースト3.5号だ。
「シャローエリアでシャロータイプのエギは飛距離が足りない。ディープタイプは届いても根がかりが多発。あるいはイカの活性が低くて抱いてくれないということがあります」
軽いシャロータイプのエギは、飛距離の面でほかのタイプより不利だ。
「その弱点を克服したのがクリンチロングアピールジェットブーストで、同号数のディープタイプよりも安定して飛ぶ。沈下速度は1m沈むのに約7.4秒(3.5号)とスーパースロー。春の藻場で警戒心の強い大型イカにスローフォールでじっくり見せて、フラッシュブースト搭載だからフォール中も誘い続けることができます」
ディープタイプより飛んで、シャロータイプよりゆっくり沈む。まさに新タイプのエギと言えるだろう。湯川さんが使うとしたらどんな場面で?
「3.5号はフォールでよりじっくり見せたいときに。飛距離でいうとシャローエリアの遠くのシモリやサーフのブレイクなど、サオ抜けスポットを狙うときですね。あとシャロータイプでも沈み込むような緩い払い出しの流れにのせてより沖に送り込むこともできます。3.0号は沈降速度約4.2秒/mでクリンチフラッシュブースト3.0号よりわずかに遅いくらい。飛距離を活かしてシャローエリアのラン&ガンでサオ抜けスポットを狙います」
エギのタイプを使い分け、釣るまでの過程を楽しもう!
エギのタイプ選びは、ノーマルタイプが基準。シャロータイプ=浅場専用、ディープタイプ=深場専用ではなく、イカの活性が高いときは重めで効率良くサーチ。イカの活性が低いときは着底がわかる範囲で軽めのエギを使いスローに誘う。これが釣れるエギ選びのコツというのが湯川さんの見解。
「例えばノーマルタイプのクリンチフラッシュブースト3.5号にイカがついてきても喰わない。サイトの展開になって、活性が低いと思いクリンチシャロー3.5号でゆっくり見せても抱かない。喰い渋っているなとクリンチシャロー3.0号フラッシュブーストに替えるとポンッと抱くこともあります」
タイプの使い分けにサイズローテーションをプラスすることで、釣れるイカが増えるということだ。
「繰り返しになりますが、エギングで使うルアーはエギしかない。イカの活性も釣り場の状況もその日によって変わります。そこにどうハメていくかがエギングのおもしろさであり、奥深さでもあります。タイプの使い分けを軸にサイズ、カラーのローテーションも取り入れながらヒットパターンを見つけるのもエギングの醍醐味の一つ。シンプルだけど奥が深いエギのローテーションで釣れるまでの過程も楽しんでほしいですね」
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