2024/10/29
コラム
オモリグとメタルスッテ その特徴と使い分け ×富所潤in鳥取
ジェット噴射と呼ばれる引きも重く強い、ターゲットとして魅力にあふれた大型ツツイカ、通称大剣(ダイケン)。そんな大剣を狙ったイカメタルゲームで、昨今トレンドとなっているのがオモリグだ。一見単純な仕掛けだが、大剣へのアピールは特に効果的というオモリグを、メタルスッテとの使い分けなどを交え、富所潤さんが鳥取沖の実釣で解説する。
オモリグの基本
実釣場所は鳥取県の鳥取港沖。シーズン初めの6月初旬、水深30m前後のシャローからスタートする。
20号のオモリをセットするが、潮の流れが緩く、状況を見ていこうという矢先にヒットすると、より投げやすく広く探れるようにと15号にチェンジ。軽いオモリはフォールスピードもスローになるので、見せるアピールも可能になる。
誘いの操作は鋭く弾くよりも「ヌメヌメと持ち上げる」のが適切だと富所さん。明るい間、イカはボトム周辺でじっとしているので、広く探ることが重要になる。
鳥取エリアのメタルスッテゲーム
シーズンの序盤はシャローの流れのなかでの大剣狙い、季節が進むにつれて深場での新子(小型)の数釣りというのが鳥取エリアのメタルスッテゲームの特徴。アンカーを打ってオモリグが楽しめるのは序盤。新子のシーズンになると深場をパラシュートで流しつつのメタルスッテで探るという攻め分けがある。
ナイトゲーム
日が暮れてナイトゲームに突入。船の灯りに集まるベイトを捕食するイカを狙うのがナイトの鉄則。タックルは日没前同様、20号のオモリからオモリグを開始すると、型を上げつつ連発したが、満足するサイズまでは至らず。
広い砂地のボトムが広がり、潮が大きく出入りするシャローの地形は、イカを留めることができるので、大剣狙いのオモリグがハマり流行となった経緯を持つ鳥取沖。オモリグの中心地として、山陰はもとより、多くの地域からアングラーが訪れている。
メタルリグとタックルチョイス
オモリグからメタルスッテにチェンジ。掛け調子のセフィアSS メタルスッテF-B66ML-S+バルケッタプレミアム150DH+セフィア8+0.6号+セフィアリーダー3.0号でバーチカルに探ると、一発でヒット。潮の流れが弱い状況からメタルリグを投入することで、さらにサイズアップした良型をキャッチした。
オモリグとメタルスッテの違い
「オモリグは吹き流しの仕掛け」、「メタルスッテは胴突きの仕掛け」。
潮が速い時はリーダーの長いオモリグ、緩い時は短いメタルスッテ。また、シマノのロッドではR表記のレギュラーテーパーがオモリグ用、F表記のファーストテーパーがメタルスッテ用となっている。
小型のツツイカとムギイカ、そしてセフィアコロコロスティックで2杯目の良型をキャッチすると、再びオモリグにチェンジする。
応用式オモリグ
オモリグにチェンジするが、オモリの代わりに好調のコロコロスッテ20号をセット。こうした柔軟な発想が富所さんらしさだが、予想通りにコロコロスッテで釣ると、スイスイドロッパー フラッシュブースト1.8号をスイスイスティック80のゼンアカにチェンジ。
すると今度はスイスイスティックにヒット。
速い潮でも安定する姿勢が、オモリグ用のエギとして使うことで効果を発揮し、良型をキャッチした。
適材適所のリグ投入
うねりが大きくなってきたので安定させるためにコロコロスッテの25号にチェンジ。
大剣を狙うにはボトムを中心に狙うこと。目安としては底から3~5m以内だという。
「小型のイカが浮いていても、浮かない大剣はいるんですよ」。
その言葉通りにボトムを誘い、スイスイスティック80で良型をキャッチ。
コロコロスティック20号+スイスイスティック80のメタルスッテにスイッチすると、またもや良型を反応させることに成功した。
状況に合わせてリグを替えていく、富所さんはそれを「詰め将棋のように」と表現した。
「答えにたどり着く嬉しさを皆さんにも味わってほしいです」。
関連記事
RELATED COLUMN