2024/11/20
コラム
大阪湾を舞台に3人のタチウオトーナメンターが語るサーベルマスターXTUNEテンヤ
目感度と手感度を備えた「91H164」、次世代のど真ん中「82H172」、柔と剛の新基軸「82M/MH178」。明確な個性をもって登場した新サーベルマスターXTUNEテンヤ3本を持って、テンヤタチウオトーナメンター立野義昭、吉田昇平、樋口輝の3氏が激戦区でありテンヤタチウオ発信地でもある大阪湾へ。最先端の大阪湾テンヤタチウオ釣法とともに徹底的に釣り、語る!
シーズン初期の洲本沖へ
2024年8月上旬、立野義昭さん、樋口輝さん、吉田昇平さんは上丸に乗り込み夜明けの漁港を出発した。
「近年、大阪湾の釣りは毎年違うんですよね。去年このような誘いが通用したのに今年は全然通用しないとか」
そう語るのは、関西近海の船釣り全般にも精通する吉田昇平さん。
「シーズン初期は、攻撃的なアクションで小さいアタリを積極的に掛けに行かなければなりませんし、結構テクニカルなフィールドじゃないかなと思います」と樋口輝さんは言う。大阪湾、播磨灘を中心に船釣りに精通、なかでもテンヤタチウオを得意とする。
「テンヤが日本全国に流行ってきたこともあって、東京湾のバイブレーション釣法をされる方が増えてきてるのが最近のトレンドかなと思います」と、タチウオ釣りでは速攻・早掛けスタイルを得意とする立野義昭さんが最近のトレンドを解説してくれた。
一行を乗せた船は洲本沖へ向かう。群れが湾内に入ってきたばかりの、シーズン初期のテクニカルな釣りになるという予想だ。
いると信じて、誘いの強弱とタナを試す
洲本沖に着き、夜明けの中テンヤを投入する。各自テンヤを落とし、誘いを繰り返す。
「手を変え品を変えです。誘いの緩急を弱くしたり強くしたり、それの繰り返しでアタリがどの辺りで出るかです」と立野さんが言う。
いろいろ試すのは吉田さんも同じ。
「テンポなどいろいろなことを試します。何に反応するか分からないんで、“いる”っていう仮定で、魚に口を使わせる努力をします」(吉田)
一方、樋口さんはベイトのいるところを攻める。
「探見丸が使えるならまず見て、ベイトの映ってるところを重点的に誘います。ベイトの映っているところでアタリが出たら、そのタナから約10mぐらいを念入りに探っていきます」
三人三様のテンヤスタイル
最初にヒットしたのは樋口さん。アタったが掛からず、「エサがやられたかな?」と言った後、良型をヒットさせた。
「今年の大阪のタチウオ、本当に大きいんです。めっちゃ引き込みますね。まずアタリを出すことを意識しています。攻撃的な誘いだったり弱い誘いだったり、タチウオから返ってくる反応を見て、そこからゲームを展開していくという感じですね」
立野さんはハンドルを半回転ずつクイックに回す誘いでヒットさせた。
「シーズン初期は、ジャークなどをするとアタリが出にくくなってしまうんで、こうやって潮にかませたような、スライドするような優しい動かし方でアプローチします。激しくアタってくるようであれば、ちょっと強めにしてみようかなとか、状況によってアプローチの仕方をどんどん変えていくスタイルです」
吉田さんは、フォールで触るアタリに少しシャクリを加えてヒット。
「今年16年目です。初めは攻撃的な、決め打ちしたようなスタイルでした。これがトーナメントでは、そればかりじゃ勝てないんですよね。だから今は特にスタイルは決めていないと言いますか、アタリを求めるのに再現性がある釣りを心がけてます」
24サーベルマスターXTUNEテンヤを語る
三人は、釣り方の多様化に応じ道具も進化していかなければならない、アタリを出しにいく攻撃的なロッド、競技志向のロッドが増えていると言う。そしてエクスチューンの前作は好評で、トーナメントに出ている人の使用率が高いとも。その新型について語ってもらった。
吉田さんはグリップを語る。
「今回大きく変わったのがこのXシートテクニカルガングリップですね。左右両用になっています。トリガーは、中指を掛けたり人差し指を掛けたり、自由な握り方ができます。これによって操作性がすごく上がりました。後ろ側に手を添えることによって安定性が両立されます。シーズン初期のタチウオはすごくシビアなんです。細かい操作、スイッチを入れたいっていうときにすごく重宝しました」
立野さんは感度と操作性が上がったと言う。
「カーボンモノコックグリップは、ずばり感度を増幅します。脇に挟んでいてもアタリが鮮明に伝わってきます。カーボン製なのでエサの嫌な臭いが付きにくくなっています。ブランクスは、スパイラルXコアとハイパワーXを搭載していますので、ネジレに強く魚を掛けた後でも柔軟に曲がってくれます。テンヤもしっかりと動かすことができます」
樋口さんはXガイドの採用で、ジャーク時の穂先の糸絡みが減ったと言う。
91H164の実釣インプレション
911H164は「目感と手感を高次元で備えた9:1調子」。吉田さんはテンヤがよく動き、アタリを出しやすいバットの強さと、目感度と手感度の両立に着目。
「アタリがやっぱり出しやすい、かつタチウオに違和感を与えにくい。テンヤがキビキビ動くんで、テンポの速い釣りにも対応できます。あとは目感度です。誘いの後でくっと入るようなアタリ、手感度と目感度の両方でしっかりとアタリを捉えて、コンパクトなフッキングで掛けられる最高のロッドです」
吉田さんの解説を受けて立野さんがタチウオを掛ける。
「そこまでガチガチってわけでもないね」
「穂先がグラスソリッドなので違和感を与えにくいですよね。(この日の条件に合わせた)優しい誘いもできます。91ってガチガチのイメージあるのですが、こういったソフトな誘いも対応できるんです」
立野さんは大型を掛け、しっかりした曲がりを確認した。
吉田さんは年中使えるロッドだと言う。
「厳寒期とかでも、誘い幅さえ小さくすればタチウオを追わせることができるんで、シーズンを通して使えると思います。攻めの釣りをしたい方におすめのロッドです」
82H172の実釣インプレション
82H172は「次世代提案調子」と立野さんは言う。
「ショートレングス化によって、感度や操作性の向上を両立させた一本となっています。短くなったことでテンヤを操作する感覚が手に取るようにわかるようになりました。(短くても)数を掛けるうちに、しっかり曲がってバレにくいことがわかりました」
吉田さんが竿を持つ。
「(最初は硬い感じがするでしょう、という立野さんの言葉に)はい。全体的にやっぱりちょっと硬めのイメージですけど……うん? ああ、しっかり曲がってくれますね」
この日、立野さんは、渋い条件下にロングステイでアタリを待つ釣り方をした。
「小さいアクションでもしっかりテンヤを動かし止められて凄く楽です。ハイシーズンでもジャーク&ステイが効くんじゃないですか」
そして吉田さんにヒット。
「レギュラーテーパーで曲がりますね。めっちゃいなしてくれる。これは凄い」
立野さんは、引き重りが明確にわかるのも特徴だという。
「明確に何mで変わったっていうのがわかりやすくなりました。なので、おすすめしたいのはテンヤにある程度慣れた中級クラスの人。ちょっとしたこの気配もしっかりと感じ取れる敏感な竿になっています」
82M/MH178の実釣インプレション
82M/MH178は「攻めも守りも自由自在な柔軟穂先」と樋口さんが解説。
「バットパワーがありますので、まずテンヤをしっかり動かせます。アタった後、軟らかい穂先で違和感を与えず丁寧に追わせて掛けることができます」
この日は追いが悪かったが、このロッドにしたらかなり良くなり、結果としてタチウオが獲れた。
「追いとアタリの数が変わります。まさに攻めも守りもできるロッドです。必ず(トーナメントに)持っていく一本ですね。わがままを聞いてくれるロッドです」
吉田さんがロッドを持つ。
「うん、(テンヤが)動いてるね。でも穂先ソフトやから、いくらでもアタリが出てくる」
バットの強さによるテンヤの動かしやすさと、ティップのソフトさを実感。目感度と手感度に優れ、追わせも即掛けもでき、冬にも良さそうだと言う。
樋口さんはシーズンを通して使えるロッドだ解説。
「シーズン初期から最後まで通せるロッドです。しっかりテンヤを動かせるので。トーナメントでもメインとして使っていけると思っています。今までなかった調子だと思います」
便利な機能を搭載したフォースマスター
この日使ったリールは『フォースマスター600/600DH』。押している間だけ増速する「タッチドライブスピードロック」はタチウオを寄せてくる途中で軽くなったときに使用。「フッキングモード」は喰い上げに対応する。また、「NEWフォールレバー」は落下時にブレーキをかけてもハンドル巻き上げの重さには影響しないシステム。探見丸の映像が見られる「探見丸スクリーン」も搭載している。
サーベルマスターXTUNEテンヤの「テクニカルガングリップ」はフォースマスターの操作性をより活かすことができると言う。
「瞬時にタッチドライブを押すことができます。テクニカルガングリップの効果で思いのままに操れます」
また今回使用した『サーベルマスター船テンヤ』には、2024年に新色が3色登場。
「底の反応があるとき、底の潮は濁ってないと推測されます。そういったときの、夜光やゼブラ系で反応が悪いとき、この無発光系3色を入れてみるとアタリの出かたが変わります。今回もこの3色しか当たらない時間帯がありました。ヘッドのカラーはものすごく重要です」
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