2021/09/30
コラム
省エネバイブレーション釣法
「僕のバイブレーション釣法は、省エネだと思います」
走水沖でタチウオを釣りながら、富所潤さんは説明する。
「ずっと強くシャクり続けては体力が持ちません。竿の反発を使って最小限の力でテンヤを動かし、ポーズを織り交ぜるのが、僕のスタイルです」
素早い電動巻き上げで効率アップ
富所さんが使う「サーベルマスターXR テンヤ 91 H170 RIGHT」の穂先は、小刻みにシャクって曲がっては戻るものの大きく上下しない。動作としては、Xシートエクストリームガングリップに下から左手を添え、右手で「フォースマスター200」のハンドルノブをつまみつつ、10cm幅でシャクっているだけだ。
「シャクって下ろす間に、一瞬、ラインスラックを作るのがコツです。これで、海中のテンヤが小さく、トリッキーにアクションします」
シャクリ1回につきハンドルは3分の1~5分の1回転。フォースマスター200の最大巻上量から計算すると13~20cm刻みで上へ動いている。
「巻くというより、小さくシャクったときにハンドルがスッと動く、その慣性に任せている感じです」
富所さんは背筋を伸ばし、張りの強い91H170 RIGHTのブランクスを軽く弾くように小さく10回ほどシャクりつつ巻いて、止める。ワンセットで誘う距離は、おおよそタチウオ1尾分の長さだ。
「シャクっている時に重さの変化となってアタリが伝わってくるほか、止めているときにも竿先によくアタリが出ます。どちらも即掛けですので、この釣り方には9:1、または8:2調子の竿が向いています」
富所さんはアタリを察知したら即アワせ、掛からない場合は竿をそっと下ろし、アタリがきた位置で数回シェイクし、長めに止めて次のアタリを出している。取りこぼしは少なく、後半も疲れることなく、数を伸ばしていく。
「僕がバイブレーション釣法を快適に一日中続けることができるのは、アタリが出ないとき、掛け損ねたときなどにテンヤを楽に素早く回収、チェックでき、即掛けではタッチドライブの中間速で瞬時にフッキングに持ち込めるフォースマスター200の存在が大きいと思います」
ロッドを動かし続ける釣りに電動リールは不向きと思う人もいるかもしれないが、軽量・コンパクトボディで小型の手巻きリール並みにフィットし、モーター巻き上げで体力の消耗を補い、カウンターや探見丸との通信機能で情報をサポートするフォースマスター200は、その概念を覆す。
本質はタナを正確にとらえること
「バイブレーション釣法の激しい動きに目を奪われがちですが、タチウオ釣りの本質はタナを正確にとらえ、適切に誘い、確実に掛けることです。それができるタックルであれば、難しさは、工夫する楽しさに変わります」 昨年を彷彿させるドラゴン級が数多く上がり始めた東京湾では、この先、巻掛や微速巻きが効果的になるかもしれないし、さらにテクニカルな新釣法が出現する可能性もある。
いずれの場合も、トータルバランスに優れたタックルがあれば、東京湾のテンヤタチウオの楽しみはさらに広がり続けることだろう。
富所潤のバイブレーション釣法
富所さんのバイブレーション釣法は小さくショートピッチで誘ってポーズ、の繰り返しが基本。疲れにくく、アタリが分かりやすく、誰でも可能。
FISHING TACKLE
ROD
サーベルマスターXR テンヤ 91 H170 RIGHT
全長 1.7m
継数 2本
仕舞寸法 88.6cm
自重 145g
テンヤ号数 30~60号
REEL
フォースマスター200
ギア比 8.2
最大ドラグ力 5.0kg
自重 395g
糸巻量PE[タナトル8] 0.8号270m
1号 220m
1.5号 150m
ハンドル長 60mm
シマノ電動リールをさらに詳しく紹介する
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テンヤ
サーベルマスター 船テンヤ
サーベルマスター 船テンヤ β
探見丸
CV-FISH
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