このテンヤを一言で言い表すと“掛かってしまう”テンヤです。テンヤタチウオが初めての人でも自然に掛かってしまう、そんなテンヤです。その理由は尻下がりの姿勢とショートシャンク、つまり針軸が短いうえ、針先が傾いた状態となるので、タチウオがエサを噛んだときにフックポイントが近く、わずかな動きでフッキングする、というわけです。具体的にはストップ&ゴーや微速巻きで誘ってアタリが出たときに、巻くだけで掛かります。状況としてはアタリは出るのに掛からない、そんなときに威力を発揮します。また、ヘッド部のシルエットが小さいデザインのため、タチウオが大きなエサに警戒するときにも効果的です。βのヘッドは鉛製ですが、シルエットという点ではタングステン製と同じ効果を期待できます。同時に、シルエットは小さくてもヘッド部に厚みがありしっかりと水を押すため、波動でタチウオにアピールできるのも特徴です。ただし、尻下がり姿勢はタチウオが餌に喰い付くためのストライクゾーンが狭いので、アタリが出にくくなる場面もあります。そんなときはノーマルの、サーベルマスター船テンヤを使います。
カラーに関して、私のホームグラウンドの大阪湾では最も発光するグローから始め、ゼブラグローチャート、ゼブラパープルなど発光するカラーを試し、アタリの出方や周囲の釣れ具合を見ながらスケールブートの各色、パープル、アカキン、ブラック、アジ、イワシのほか、フラッシュラメのゴールドやグリキンなどで様子を探っていきます。私の経験として、大阪湾では最近、平均してグローやゼブラグローチャートが安定しているのですが、深いポイントではスケールブーストのパープルがよくアタったり、晴天の澄み潮時にブラックが効果的だったりします。また、イワシエサのときにイワシカラーがよかったりと、正解はたくさんあります。βは掛かりやすいテンヤだけに、いかにアタリを出させるか…がカギにもなりますのでカラーセレクトが大きな意味を持つかもしれません。