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2021/11/30

コラム

神奈川県横須賀沖のタチウオ。 バイブレーション釣法をもっと楽しく簡単にする秘訣。

昨年までとはうって変わり、現在の東京湾のテンヤタチウオは誘いが合っていないとアタリすら出せない。その中で生み出されたのが、竿を小さくシャクり続けながらリールを小刻みに巻いていく「バイブレーション釣法」だ。
「僕も何回も釣行して色々と試して、ようやく確信が持てるスタイルを創り出すことができました」 かつてティップエギングを能登の海で創り上げたときのように時間を作っては船に乗り、釣り方や道具を試行錯誤したと言うイカ先生・富所潤さん。
「その中でたどり着いたのが、省エネスタイルのバイブレーション釣法です」
向かったのは10月中旬の走水沖。「最近のタチウオは難しいかも」と言う船長は60m立ちで反応に船を乗せる。
「バイブレーション釣法で一番大切なのは、テンヤの動きを明確にイメージすること。海面下でテンヤを動かしてみて、ヒラを打つように動くときの竿の動作を覚えます」

バイブレーション釣法の作法

テンヤが海中でどう動くのか明確にイメージする。

富所さんは大羽イワシを装餌したサーベルマスター 船テンヤ 40号を投入、アナウンスされたタナを探り始める。
9:1調子のサーベルマスター XR テンヤ 91 H170 RIGHTをほぼ水平に構え、穂先を小さく弾くように、止めることなく断続的にシャクる。同時にフォースマスター200のハンドルノブに手を添え、竿の上下動に合わせて送り出すように小刻みに回す。
ハンドルは20秒ほどで1回転。シャクリはハンドル1回転あたり24回とかなり小刻み。確かににこれなら力をそれほど使わない。
「張りの強い9:1調子の竿であれば、最小限の力で竿先を弾くように小さく誘うたび、海中のテンヤはヒラを打ち、弱ったイワシが腹を見せながら泳ぐように動きます。しかも、小刻みにゆっくりと上に泳ぐのでアピールも高く、アタリも見逃しません」
アタリは1投目から出る。とはいえ、目で見えるものではない。
「バイブレーション釣法のアタリは重さの変化となって伝わってきます。たとえば40号のテンヤをシャクっていたのが一瞬、0号になる感じです」
アワセは即掛け。掛からないときは、振り上げた竿をゆっくりと、パタパタと誘いながら水平に戻す。
「このときマルイカのたたきのように激しく誘う必要は全くありません」
そして静止させて次のアタリを待つ。
「タチウオはテンヤを見ていますから、ここでは15秒、ときにそれ以上、しっかりと止めて、次のアタリを待ちます」
15秒と聞いても多くの人は数秒しか待てないと富所さん。実際に声に出してカウントすると、確かに長い。
15秒以上たって、不意に竿先がフっと戻り、またはクイっと引き込まれ、アワせると掛かる。
次投ではアタリのあったタナを中心に指示ダナの上、あるいは下限と、幅広く小刻みなシャクリで誘い、アタったら即掛け、空振ったらロングステイで掛けていく。
富所さんはここに書いた以上のアレンジを行うことなく数を重ねる。そして1人突出してペースが良いため付近の船から注目を集め、同じ動作をする人が増えていく。
実はこれ、ティップエギングと同様で、富所さんの釣りは誰でも真似できそうなほど簡潔なのだ。
「テンヤの形状、エサの大きさ、竿の調子、リール、そして誘い。全てにおいてバランスが取れると、余分な動作は不要になります。僕にとって東京湾のテンヤタチウオでの到達点が、省エネタイプのバイブレーション釣法です」
無駄がないから楽。楽だから楽しい。これが、富所流バイブレーション釣法の作法である。

細かいときには66cm上昇するのに約20秒間をかけて24回、テンヤがヒラを打つ。

竿先と海中のテンヤの動き
(左)竿先
1.竿先によってテンヤが跳ね上げられる。
2.竿を素早く下ろし、わずかに糸フケが出た瞬間にテンヤが横を向いてフラッシングする。
(右)テンヤ
ビデオ撮影による2コマを重ねた画像。竿先を小さく跳ね上げ、スっと下ろしたときテンヤが一瞬横を向く。この連続動作がバイブレーション釣法のカギ。暗い潮の中でも目立つ腹の明滅に加え、大羽イワシの尾が生きているように動く。

バイブレーション釣法をもっとシンプルかつ快適に、を実践しつつ数をのばす富所さん。

タックルの作法

「疲れる」を「楽しい」に変えるタックルバランス。

サーベルマスター XR テンヤ 91 H170 RIGHT
「軽量で感度に優れた穂先と軽快に誘いアワせることが可能なネジレ感のないブランクス。そしてドラゴンの重量をしっかり受け止めるバットパワー。テンヤタチウオに必要とされる性能を高いレベルで備えたハイスペックモデル。4アイテムの中で僕がバイブレーション釣法に使っているのは最も先調子の91 H170 RIGHTです」富所潤さん。

 

フォースマスター200
「フォースマスター200は小型軽量と同時に高さを抑えたボディ形状によりパーミングしやすく、手の小さい方でも扱いやすいうえ、Xシートエクストリームガングリップとの組み合わせにより竿を自然な姿勢で支えるため疲労を抑えてくれます。加えて巻き上げなどはモーターが行ってくれますから、釣り始めから沖上がりまで、変わることなく誘いやタチウオの駆け引きに集中できます。これら重量だけでは語ることができない実釣でのバランスと操作性、つまりトータルバランスが、バイブレーション釣法を「疲れる釣り」から「楽しい釣り」へ変えてくれます」富所潤さん。

ロッド

サーベルマスター XR テンヤ

91 H170 RIGHT

全長     1.70m

継数     2本

仕舞寸法   88.6cm

自重     145g

テンヤ号数   30〜60号

リール

フォースマスター200

ギア比        8.2

最大ドラグ力      5.0kg

自重         395g

糸巻量PE[タナトル8]    0.8号270m

               1.0号220m

               1.5号150m

ハンドル長         60mm

シマノ電動リールをさらに詳しく紹介する
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テンヤ

サーベルマスター 船テンヤ

探見丸

CV-FISH

小刻みに跳ね上げるような誘いには91 H170がおすすめと富所さん。

バイブレーション釣法による手首の負担を軽減してくれるXシートエクストリームガングリップ。

脇挟み時にも魚信を伝えてくれる軽量高感度カーボンモノコックグリップ。

フォースマスター200。

中間速設定。好みの速度まで瞬時に巻き上げ、不意の急速巻き上げを防ぐ中間速設定。ドラゴン級が釣れる東京湾のテンヤタチウオでは22に設定。

タッチドライブ&スピードクラッチ。アワセと同時に泳ぎ上がることも多いタチウオ釣りではタッチドライブによる電動巻きアワセも有効。また、ワンタッチでクラッチのON/OFFを行えるスピードクラッチは速潮時の投入で段階的にミチイトを止めて落とすときにも重宝する。

パーミング性&操作性。ロープロボディでパーミング性に優れ、タッチドライブやスピードクラッチの操作が指1本で可能。Xシートエクストリームガングリップとのコンビネーションでさらに快適に。

MUTEKI MOTOR+。素早い仕掛け回収によりエサの確認と交換をためらうことがない。ドラゴン級の引きにも怯むことなく巻き上げる。

ヘッド底辺がフラットな形状をしているサーベルマスター 船テンヤはショートピッチの誘いでローリングアクションする。

食の作法

ピリッ、フワッが新鮮なタチチリ。

「タチウオのチリソース炒め」
1.ブツ切りにしたタチウオの身に片栗粉をまぶしておく。
2.チリソースを作っておく。(市販品でもOK)
3.フライパンにたっぷりの油とニンニク、白ネギを入れ弱火で炒め、香りが出てきたらタチウオを入れる。
4.熱が通ったらチリソースを加えて少しとろみが出てきたら完成!

【取材協力】三浦半島新安浦港・こうゆう丸

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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リール

探見丸 CV フィッシュ

リール

フォースマスター 200/201/201DH

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