真鯛の特徴と釣り方
- 分類/スズキ目スズキ亜目タイ科
- 別名/サクラダイ、オオダイ、ホンダイなど
- 季節/春・夏・秋
赤い魚体にコバルト色の斑紋が背中に浮かぶ。幼魚は浅場にいて、成魚は浅場から深場まで広範囲で姿を見ることができる。古くから釣りの好ターゲットで、さまざまな釣り方がある。
目次
釣り方
フカセ釣り
釣り場/堤防・磯
とくに瀬戸内海では真鯛の個体数が増えたこともあり、フカセ釣りでチヌを狙っているときによくアタってくるようになった。フカセ釣りでは、潮通しがよく水深がそこそこあって、海底が岩礁帯や砂れき帯のところがおもなポイント。
50cmぐらいまでのサイズならチヌ用のタックルで対応できる。大型狙いはパワーのあるタックルで挑もう。初心者は半遊動仕掛けが狙いやすい。最初はウキ下を水深より30~50cmほど浅めに設定しよう。マキエは比重のあるものを用意して、サシエとうまく同調させながら潮に乗せて流す。
アタリはウキが海中へ消えて道糸が出ていくことが多い。しっかりとアワセを入れてハリ掛かりさせる。真鯛は沖へ向かって走ることが多い。竿で走りを止めながら、引きが弱まったときにリールを少しずつ巻きながら寄せてこよう。
フカセ釣りに必要な道具
円錐(えんすい)ウキ・棒ウキ 3B~1号
ガン玉やオモリの替わりに水中ウキを使う方法もある。水中ウキは自重があり表面積が大きいので、沈みながら潮を受けて仕掛けをタナへと運んでくれる。
配合エサは、集魚力をアップさせることができる真鯛専用のものもある
レバーブレーキ付きスピニングリール 2500~4000番
引きの強い真鯛とのやり取りには、レバーブレーキ付きのリールがおすすめ。糸の送り出しを指先でコントロールできる。
釣り方
カゴ釣り
釣り場/堤防・磯
カゴ釣りは真鯛のいるタナへマキエとサシエを同調させながら流し込めるのが特徴。山陰エリアでは良型真鯛の定番仕掛けとして親しまれている。
おもな釣り場は潮通しがよく海底に起伏があって水深がある波止(沖波止を含む)や磯など。おすすめの釣期は春の乗っ込みシーズンと秋。
釣り方は、ウキ下を深めに設定し、反転カゴにマキエのオキアミボイルを詰めて仕掛けを狙いのポイントへ投入。ウキ止めまで仕掛けを送り込み、潮に乗せて流しながらアタリを待つ。アタリがなければウキ下を調整しよう。
アタリは大型のウキを一気に引き込むほど強烈。アワセは糸ふけをとって、大きく竿を立ててハリ掛かりさせる。真鯛が沖に向かって走ったら、竿を立てて魚の動きを止める。止まったところでリールを巻いて寄せる。
カゴ釣りに必要な道具
ウキは大きくて視認性がよいものを選ぶ。号数は潮流によって使い分ける。中通しタイプの発泡ウキも使える。仕掛けの通りは環付きに劣るが、絡みにくいので遠投時に有効。
カゴはさまざまなタイプや大きさがある。好みに合わせて選ぼう
カゴにマキエを詰めすぎると、マキエが出にくくなるので注意しよう。サシエはカゴにかける。
釣り方
投げ釣り
釣り場/堤防・浜・磯
投げ釣りでは、潮通しがよく、水深があって海底の起伏に富んでいる場所がおもなポイントとなる。朝夕のマズメを絡めた夜釣りで狙いたい。
釣り方は、仕掛けを投入して着底したら糸ふけをとり、リールのドラグを緩めてアタリを待つ。真鯛がヒットしたら竿先が揺れると同時に、ドラグが音を立ててスプールから糸が引き出される。
アワセはドラグを締め、大きく力強く竿を立てる。エサにタイムシ、ホンムシを使っている場合は、比較的早いアワセを心がけよう。コウジはしっかりと喰い込ませるとよい。
真鯛がヒットして底から浮かせないまま走られると、シモリなどでハリスが擦れて切れる恐れがある。そのため、すばやく底から浮かせることが重要になる。取り込みは、抜き上げ時のスッポ抜けを回避するためにも玉網を使って行おう。
釣り方
鯛ラバ
釣り場/船・堤防・磯
真鯛をルアーで狙う場合、鯛ラバ(タイカブラ)が一般的だが、ベイトの状況によってはタイジグ(真鯛専用メタルジグ)なども有効。
船の場合は、鯛ラバを底まで沈めた後、一定の速度でリールを巻く。リールを巻くスピードはよくアタリが出ている人に合わせるとよい。アタリは真鯛の活性が高いときは竿先を叩く明確なもので、アワセを入れると掛かりやすい。一方、活性が低いときはコツコツとなにかに触れた感じがあるぐらいでわかりづらい。その場合は、そのままリールを巻き続けるとハリ掛かりすることがある。
ショアでは潮通しのよい海峡部などがポイント。釣り方はキャストしてラインに張りを持たせたまま着底させ、潮に逆らってゆっくり巻く。アタリは船と同様の出方が多い。アタリがなければ巻き上げるスピードとタナを調整しよう。
鯛ラバに必要な道具
釣り方
ひとつテンヤ
釣り場/船
ひとつテンヤは、専用のテンヤにエビ(海エビがメイン)をセットし、ライトなタックルで楽しむ釣り方。エサにエビを使うため、鯛ラバよりもアタリが多いのが特徴。
釣り方はテンヤを底まで沈め、跳ね上げるようにロッドをシャクり上げた後、テンヤの重さを感じながらゆっくり沈める。そのときは、上げた腕をそのままゆっくり下げていく。沈めていく途中にアタることが多い。
アタリは真鯛が穂先を押さえ込むわかりやすいアタリや、テンヤを真鯛が喰い上げてテンヤの重さを感じなくなるアタリなどさまざま。アワセはアタリの大小問わずすばやく大きく入れよう。
やり取りは、真鯛が走るなら竿でためて、走りを止めたところでリールを巻く。水面に浮かせて弱らせるまでは、気を抜かないように注意したい。
ひとつテンヤに必要な道具
テンヤの重さは水深によって変える。10mで10gを目安とし、50mなら50gとする。底を取ることが基本の釣りなので、潮流が速いときに目安の重さで底が取りにくいなら重いものを使おう。マイボートでの釣りは前述のパターンでよいが、遊漁船の場合は、乗合ではオマツリなどのトラブルを避けるため、テンヤの重さを統一することが多い。船のルールに従って楽しもう。
エサはこのようにセットする。エビを仰向けにし、孫バリはエビの頭から刺す。エビの代わりにくわせエサやワームを使うこともある。
釣り方
船釣り
釣り場/船
船釣りでは、エサ釣り、サビキ釣り、鯛ラバなどが楽しめる。ここでは、エサ釣り(胴突き仕掛け)とサビキ釣りについて説明しよう。
エサ釣りは、エサにタイムシやチロリを使用する。オモリを底まで沈め、ゆっくり誘いながら巻き上げ、真鯛がいるタナを探しながら狙う。コツコツと感触を抱いたらゆっくり誘って食い込ませ、竿に重みが乗ったら大きく竿を立ててハリ掛かりさせよう。
サビキ仕掛けは、底まで沈めた後、少し早めに巻き上げる。サビキはエサとは異なり、ゆっくり巻いていると真鯛に見切られることもある。アタリは小さくコツコツとした感触があるので、巻きながら追い食いしてくるのを待つ。そのまま巻き続けて重みが伝わったら軽くフッキングさせる。ハリ掛かりしたら、慎重に巻き上げて玉網で取り込もう。
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